2016年09月29日

色々なセミナーのスタイル

自分でNLPのセミナーをやることは多いですが、
反面、他の人のを受けたり見たりすることは少なくなっています。

セミナーを受けるとしてもNLPの範囲からは外れていたり。

先日、物凄く久しぶりに、
僕がNLPの資格取得コースをやっている団体で
別のトレーナーが講座をしているところを見学してきました。

他の種類の講座の様子は見たこともあったんですが
NLPそのものは多分、もう何年も見ていなかったと思います。

分業しているというか、
別の場所で違うセミナーを担当することが多いからでしょう。


久しぶりに見学して、色々なことに気づきました。

もちろん以前に見たときとの違い、発展の具合もありましたし、
前には感じとれなかった工夫などにも気づけました。

ご本人の変化もあるでしょうし、
こちらの受け取り方が変わった部分も大きいんだと思います。

そして僕にはできないことを沢山やっていました。

技術的にというよりも、持ち味としてといったところでしょう。

つくづく素晴らしい講師だと実感しました。
コンサルタントとしても一流でしょうし、セミナーの先生としても凄い。

トレーナーとかカウンセラーとかセラピストとかの呼び名よりは
講師・コンサルタントとしての方向性が強い印象でした。

的確なのは「先生」でしょう。
啓蒙的なニュアンスが含まれます。

受講生に気づきを与え、軽いショックとともに反省させ、
力強く前に進ませるだけの意気込みを高められる。

何が問題だったのかという本質的なポイントを指摘するとともに
解決策としても光明を示すわけです。

「この方向に行けば、きっと良くなる!」と強く思わせることができるんです。
希望を与える感じでしょうか。

受講生自身の内側にあった「良くなりたい」という動機を引き出して
「頑張ろう!」という意欲を高めるスタイルだと言えそうです。

小さくまとまるのではなく、受講生それぞれが社会で活躍するために
一歩を踏み出させてくれる意味で啓蒙的だと思います。


一方、僕もその人も教わっていた先生は、メンター(師匠)のスタンス。

やることはカウンセリングやセラピーがメインですし、
技術的なトレーニングもしています。
当然、講義の部分もある。

ですが、メインは受講生を「成長させる」ところにありそうです。

セラピーの技術でいっても凄いのは言うまでもないんですが、
苦しむ人に手を差し伸べるようなセラピストの立場とは少し違います。

優しく包み込む雰囲気でセラピーをする一方で、
徹底的に自立をサポートしていく。
徐々に自分の手がかからなくなっていく方向で支援するんです。

技術のトレーニングもスーパーバイズが中心の印象で
効果的な練習方法を考えるタイプではなさそうでした。
(本人が思いつきでセラピーをするせいか、言葉での解説も曖昧だったり…)

内面的なところに訴えかけるような啓蒙の要素はなく
比較的淡々と進んでいくスタイルでした。

ただし、個人の成長を促すためにカウンセリング・コーチング的な介入や
セラピー手法を使ったトレーニングをして、
受講生本人が内面的に大きな学びを得られるようにはしているようです。

僕が見学した講師も、この先生を尊敬して参考にしているそうですが、
啓蒙的なスタンスや心を揺さぶる点では、メンターというよりも
やっぱり「先生」の感じが強そうなんです。


また、スピーカーと呼ばれるような人は、本人の実体験を交えながら
聞いている人たちの心を動かします。

話している本人が気持ちを込めて大事なことを「表現」しているため
聞いている側が感情移入しながら話に没頭できます。

主役はスピーカーの側だといえるでしょう。

聞いた側への効果としては
「こういう人がいるんだ!私も頑張ろう」
といった思いが出てくるところ。

パフォーマーと呼べそうな人も本人が主役という点では共通しそうです。

ただし、実体験に気持ちを込めるのがメインではない。
何かしらの技術を使って、自分が表現したいことを上手く作り上げていく。

完成度の高いパフォーマンスを見てもらう感じでしょうか。

スピーカーが想いをその人なりのやり方で表現するのに対して、
パフォーマーは練りに練ったものを完璧に作り上げていく印象です。

どちらも伝えたいものがあるという点では、「先生」とも共通しますが
先生のほうが、主役が受講生となる度合いが強い気がします。
受講生本人が内側から何かを湧きあがらせるように働きかける。

スピーカーやパフォーマーは刺激になりますし、
尊敬を集めてファンがつきやすい反面、
受講生の側が話し手から何かを「もらう」印象を受けます。
「良いことを教わった」、「刺激をもらった」のように。

僕が見学した人は、受講生の内側から意欲を引き出す点で
スピーカーやパフォーマーではなく、「先生」っぽいわけです。


トレーナータイプの人なら、受講生全体の動きをコントロールしながら
技術が向上して「できるようになる」ためにトレーニング方法を工夫します。

僕はチョットこの方向性に近いところがあると思います。

トレーニングを通じて、受講生同士に交流を引き起こして
全体がお互いの学びを促進させていくような雰囲気。

主役が受講生になる点で、ファシリテーター的な傾向も含まれる気がします。

トレーナー側にハッキリしたプランがあるわけではなく
その場で柔軟に効果的なトレーニングを組み立てていく感じ。

講座の進行なども厳密に予定と合わせようとはしないかもしれません。

また、カウンセラーやセラピストのようなスタンスで
集団を相手にする場合もあります。

これは別に、
職業としてのカウンセラーやセラピストがセミナーをする
という話ではありません。

同じようにカウンセラーという職業の人たちが講師をやっても、
スピーカーっぽくなる人もいれば、先生っぽい人、トレーナーっぽい人など
スタンスは様々です。

スタンスとしてのカウンセラー・セラピストというのは、むしろ
職業が何であるかにはかかわらず、人と接するときに
 相手の苦しみが楽になるように関わっていく
ところが特徴だと思います。

受講生の側としては、自分個人の問題が解消されて
楽な気分になって会場を後にするような感じ。

僕のスタイルには、こちらの要素も混ざっている気がします。

主役が受講生になる度合いが極端に高く、
何か自分の大切な想いを伝えようという啓蒙的な姿勢もない。

本人の中から「頑張ろう」という意欲を引き出すところもなく、
むしろ無理をしてきた苦しみから楽になってもらおうとする。

「先生」とは随分と違うスタンスなわけです。


そうやって考えてみると、僕が「先生」スタイルで
刺激を与えながら希望を示し、反省とともに力強く前に踏み出させる
ということをやるとしたら、普段とは随分と違ってしまうでしょう。

そういう意味で僕には真似ができなそうですし、
僕にはできない素晴らしい要素を発揮しているその人には
是非とも「先生」としての活動を続けてもらいたいと思ったんです。

世の中には「先生」を求めている人たちが大勢いるはずですから。
おそらくカウンセラーやセラピストが必要な人よりもずっと多く。

cozyharada at 23:59│clip!NLP | コミュニケーション
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【日時】 
  2019年6月16日(日)
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  2019年6月22日(土)

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【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

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  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
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【場所】 
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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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