2016年12月19日

あきらめがつくまで

どういうわけかセミナーの後は塩分が欲しくなります。
塩辛いものが食べたくなる。

で先日も近所のお気に入りのラーメン屋に行ってみました。

この店、それぞれのラーメンの味の構成が良くできていて
店長の立体的に味を組み立てる才能に感服するばかりなんですが、
ラーメン職人としての腕と、経営者・管理者・指導者としての技能は無関係です。

端的に言うと、あまり人が育っていない印象なんです。

以前はセンスがあって、仕事が丁寧な若い店員がいたんですが
しばらく前に独立のために退職してしまっています。

それ以来、ベトナム人の若者が「副店長」として頑張っている模様。


ええ、「頑張って」はいるんだと思います。

しかし僕の基準には合わない。
期待していることと違う方向性で頑張っています。

店長がいるときは麺を茹でたり、スープの準備をしたりといった
調理の全般は店長自身が主に担当しています。
他のスタッフはサポートをする感じ。

副店長のベトナム出身の彼もサポート側に回ります。

店長も週7日、朝の仕込みから夜10時以降の閉店作業まで
ずっと働いているわけにはいかないので、
夜遅くや、曜日によっては副店長に任せて休むシステムみたいです。

で、僕がセミナーの後に立ち寄ると、高確率で店長がいない。

店長がいなくて、副店長が調理をすると
僕の期待する味とは全く別物になってしまうのを知っていますから、
一応入店前に店の中を見て、店長がいるかどうかを確認します。

店長がいないから入らないときもありますが、
塩分を欲している日は、それでも
「もしかしたら副店長だって今日は上手く作れるかも…」と期待して
店に入ることがあるんです。

つまり僕の頭の中で、
「副店長の作るラーメンは、作業が雑だからランダムな要素が大きくて、
 店長と同じ作り方になる頻度が低い」
という認識があったわけです。


ですがどうやら、そうではなかったみたいです。

先日セミナーの後、ラーメン屋に入った日のことです。
案の定、店長はいない。

期待は低い。
にもかかわらず、僕の認識は「美味しく作れる確率が低い」という
ランダムさに基づいたものになっていました。

なので「運が良ければ、美味しいのに当たるかもしれない」と考え
宝くじ感覚で店に入ってみたんです。

座った席が、ちょうど調理の様子を真横から一通り見られる場所でした。

一体、その副店長が何をしているのか、観察してみたんです。

そして認識が変わりました。
「これはランダムではない」と。

ちゃんと毎回、同じルーティンで、同じような行動で作業を進めています。

麺を茹でる作業も、湯きりの動作も、麺の茹で加減をチェックする作業も
毎回、同等のクオリティで進んでいます。

”かえし”を丼に測りとるところも、スープを混ぜ合わせるところも、
入れた麺を丼の中で整えるところも、最後に香味油をかけるところも、
手早く同じ動作で行われていました。

いずれも店長とは違う動きです。
僕の判断が細か過ぎるのかもしれませんが、
結果として味が違うんですから、違う作業なんでしょう。

まず麺の茹でるときの作業のせいで、お湯の中で麺がほぐれていない。
お湯が均一に麺と接していないため、熱が加わったところと
熱が届き切っていないところとにムラができるんです。

麺が湯の中で綺麗に踊っていないため、よじれた形で茹であがることも多い。

全体的に茹で時間も短めなようで、副店長が作ると麺がボソボソしています。
半生のような部分もあれば、ヨレヨレに柔らかいところもあったり。

一本一本の麺を一人前の分量だけ茹でているではなく、
一塊の小麦団子のように、ほぐれない形で茹でている印象です。

そして店長と比べると湯きりが甘い。
塊になって茹であがっている上に湯きりが甘いので
茹でたお湯が残ったままスープに投入されます。

副店長が作ると全体的に味が薄くなるのは、お湯が混ざるからでしょう。

さらに一日中、麺を茹で続けているお湯ですから
麺の成分が溶け込んでいるみたいです。

打ち粉の影響だろうと推測されますが、
茹で汁から粉っぽさがラーメンのスープに入ってきてしまいます。

ここも味を落とす原因の1つかと思います。

そしてスープの味が落ちたところに、香味油だけは店長よりも多く入るんです。

粘度の高い油ですから、小さいオタマ一杯分を測りとったとき、
オタマの壁面にくっついた状態で持ちあがってきます。
それが重力で落ちるまで待って、ようやく一杯分の計量になる。

でも副店長の作業は速いので、オタマの壁面についた余分な油まで
丼に加えられることになってしまいます。
結果的に油が多く浮いている状態。

スープが薄く、油が多い。
となると味のバランスは大きく崩れてしまいます。

他にも色々と細かい味の違いは見てとれますが、決定的だったのは、
麺の茹で加減をちゃんと味見していたことです。

副店長の中では、あの茹で加減でOKが出ている。
もう店長の基準とは違ってしまっているわけです。

これでは何回ラーメンを作っても、
そもそも違う味を出そうとしていることになりますから、
店長と同じラーメンになるはずはありません。

「副店長の作業が未熟で、味が安定しない」わけではなかったようです。
毎回、同じように違う味のラーメンを作っていた。

この認識の変化によって、僕の期待は完全にゼロになりました。

「運が良ければ美味しいのに当たるかもしれない…」はあり得なかったんです。
当たりの入っていないクジを何度も引き続けていただけのことでした。

こうなるともう、完全に諦めがつきます。
もう店長のいない日には行かないと思います。


そして残念なのは、このことが改善される見込みが極めて薄いことです。

店長のいる前で調理が行われることはありませんから
もう店長が注意することもないでしょう。

何かしらのアンケートでも取ってくれていれば
僕を含めた何人かが書くかもしれませんが、
そういう経営方針ではないようです。

幸い、副店長しかいない時でも店内は一杯ですし、
人気も衰えていないみたいです。

現場を任せるときには、他人である以上
ある程度避けられないリスクなのかもしれません。

そのことを知った上で、どうやって現場の質を管理していくか。
そこにマネジメントの難しさがあるんでしょう。

以前に軽く
「やっぱり店長が作ったヤツは美味しいですね」
と伝えたことがありましたが、
単なる褒め言葉として受けとられていたようで
含みまでは伝わらなかったみたいでした。

おそらく僕としては、店内を見てから
店に入るかどうかを決めるだけのことになりそうです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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