2017年01月12日

語学とペーシング

つくづくペーシングはコミュニケーションに大きな影響を及ぼすものだと感じます。

技術として身体を同調させるのが癖になってきたり、
もともと他者の影響を受けやすい傾向があったりすると、
自然と相手に巻き込まれる形で相手のコミュニケーションに感化されがちです。

知らないうちに相手の表情や姿勢を真似してしまっていたり、
相手の言葉遣いの癖や、話し方のリズム、方言やイントネーションが
移ってしまっている…なんていうのは感化される例でしょう。

メリットは相手との信頼関係とか一体感を生み出すとかだけでなく、
相手の感情に共感して気持ちを察することがしやすい、あるいは
相手の持ち味を自分に反映させることができる、などもあります。

科学的な説明はできませんが、経験的にいって
例えば視覚的にイメージを浮かべるのが得意な人にペーシングすると
会話の最中に普段よりも自分の意識に映像のイメージが浮かびやすくなるとか、
陽気な人と会話をしていると自分まで気分が楽しくなるとか、
そういったことは起きるようです。

逆にデメリットとしては、相手の不快な感情や身体の緊張や硬直につられて
自分の身体の中にも感情や身体の強張りが生まれたりする、などがありそうです。


このペーシング(同調)のメリットは、技術習得に大きく役立ちます。
上手い人のやっていることを真似しやすいわけですし、
頭の中の状態も近づくのだとしたら心構えや注意点、意図的な工夫なども
感じとりやすくなるだろうと考えられます。

語学なんかでは、かなり効果的に働くと感じています。

ネイティブスピーカーにペーシングをしていれば
日本語で考える癖が抑えられますし、
言葉遣い、文章の組み立て方、リズムや発音なども
自然と感化される形で身につきやすいでしょう。

小さい子供が母国語を習得するときと近い形を利用できそうです。

実際、僕が英語を勉強してきたときも、今フランス語をやっているときも
発話のスムーズさはネイティブ相手のときのほうが上がるようです。

日本人の講師を相手にしたり、日本人の受講生同士で話したりするときは
逆にスムーズには言葉が出てきません。
なんとなく考え過ぎてしまう感じになります。


ただしデメリットでもあるのが、相手の持ち味を利用しているという部分。
自分のスピーキング力が相手に依存するわけです。

一人でプレゼンをしたり、語学のスピーキング試験とかになると
ペースを合わせるのが難しくなるため、発話がスムーズでなくなります。

これを「普段よりスムーズでない」と捉えるのか、
「一人で話せるときが本当の実力であって、
ペーシングしたときのスピーキング力は実力以上に上乗せがある」
と捉えるのか、そこは一概には言えないかもしれません。

ともあれ、ペーシングする相手がいなくなると流暢さが落ちるのは実情。
とするとやはり、スピーキングのトレーニングとしては
会話に慣れてきた段階から、独り語りのような形を取るのが望ましそうです。

おそらく僕の日本語力に関しても、プレゼンや人前で話す作業を重ねるうちに
自然と向上してきた部分もあるんではないかと思います。


また相手の持ち味を利用するということは、
相手によっても自分の発話能力が変わるということでもあります。

僕の英語は基本的に学術寄りでトレーニングしてきたものです。
土台作りは化学の論文や教科書を読むところでしたし、
英語を本格的に勉強し始めたのもTOEFLという留学向けの英語試験でした。

その後も英語で大学の授業を取ったり、
普段の英会話でも割と専門性の高い議論を好んでやっていました。

僕自身が英語を鍛えてきた分野が学術寄りだということは
ボキャブラリーについても文章構造についても、
そっちの方面に偏っているという意味でしょう。

しかもペーシングをしながらですから、会話の相手になっていた人達も
学術寄りの論理的な人や、少なくとも論理的なモードで会話をしていたはずです。

そういう意味では、日常会話というか、気軽な会話のほうが慣れていないんです。

気軽な会話を好む人とか、論理的な話や学術的な話題を好まない人、
そもそも論理的な話し方をしない傾向の人が相手になると、
僕がトレーニングしてきていない領域が求められてしまいます。

そこでペーシングまでしようものなら、今度は
今までトレーニングしてきた領域の発話力が使えなくなります。

論理的に話すのが難しくなるのが実感されますし、
ペースに合わせるのが精一杯で、タイミングに合わせながら発話するのが大変。

よほどプレゼンのように自分のペースで話せるほうがスムーズな気がします。


では、そういう人とどうやって会話していくのか?

1つの発想はペーシングせずに、自分のペースで話す練習をする。
相手の持ち味を使わずに自分を保つ方向で頑張るという方向性です。

もう1つは、あえてそっちにペースを合わせ、
日常会話や気軽な会話の能力を上げていく方向性。

どちらかに絞る必要はないでしょうから、ときおり変えながら
・ペースを合わせないで自分主体にして話す能力
・日常のフランクな会話におけるスピーキング力
の両方を鍛えるのが良さそうに感じます。

どちらも今までに本腰を入れなかった分野ですから
これから心がけることになる気がします。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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