2017年03月16日

「集団との対話」と「プレゼン」の違い

公開講座に参加して受けている英語でのプレゼンのトレーニングも
残すところ後2回となりました。

といっても何も大きな変化はありません。

慣れてきている人は多いですが、まぁ慣れてきているだけ。
課題として与えられるフレーズの使い方を組み込んでプレゼンしたりしても
結局、原稿に用意するぐらいのものです。

原稿を読めば使えたとしても、自然に組み込むのは難しいようです。
それは単純に言語力の問題で、内容を説明する作業に多少でも難があれば
課題となるフレーズの使い方にまで注意を向けるのは大変になります。

つまり作業が複雑すぎるんです。

プレゼンの課題として与えている設定がすでに工夫を求めるものなのに、
そこにさらに効果的なフレーズの課題が与えられる。

母国語でやっても効果が薄いトレーニングになってしまう気がします。

内容はごく一般的、日常的で、わざわざ一生懸命考えるレベルではないものとし、
そこにフレーズレベルの工夫を入れていくというのであれば
内容の重要度が低い分、フレーズの使い方に注意を向けて練習できるでしょう。

あるいは、毎回、プレゼンをする内容は固定しておいて、
フレーズの工夫を追加しながら、完成度を上げていくとか。

いくらでもアイデアは出てきますが、
それだけ僕がトレーニング内容に不満を感じているということかもしれません。


先日の課題は「初めて会う聴衆とラポールを築く」というテーマでした。

会社の新人への挨拶とか、授業の初回とか、そういう設定だと。
で、僕は自分の講座における冒頭部分を想定してみたんです。

これは大失敗でした。

設定が大間違い。
聴衆が実際と違いすぎます。

僕は日頃から、来ている受講生の皆さんの様子を見て
その人たちを動機づけているもの(=参加した理由)
に合わせるように冒頭を組み立て直しています。

そもそもそれほど準備をして迎えているわけではありません。

なので、仮設定として、「まぁ、こういう人が多いかな」ぐらいを想定して
「その人たちが目の前にいたら、こんな感じでいうだろう」という内容を準備しました。

しかし、実際に目の前にいたのは違う人たちです。
そういう動機はありません。

講座の他の参加者たちは席に座っていはいますが、
どういうつもりで話を聞けばいいのかの指示を受けていませんし、
僕のほうからその想定を説明する段取りもありませんでした。

さらに半数の受講生は前回を欠席していたため、
当日にプレゼンの内容を考える必要がありました。
一番最初に当てられた僕が話す間、その人たちは自分の準備で大忙し。
聞くつもりもなければ、前も向かずに書きものばかりです。

講師は講師で、自分の想定していたことと違う展開だったのか
表情に困惑を浮かべていました。

そうなってしまうと、起きている現状は
僕が準備してきた内容とは全くマッチしないものです。

さすがに講師も状況の不具合を修正しようとしていましたが、
それは僕の番が終わって、二人目に入るところから。
僕がプレゼンをしていた時間は、なんとも不毛な空回りでした。


ここのポイントは、僕が「空回り」を認識していたことなんです。

つまり僕は聴衆に合わせて、聴衆と交流するのを前提にしていた、と。
ですから「自分の主張」をしていたわけではありません。

多くのプレゼンテーションは、他者に影響を与えることが目的となります。
アイデアを提案して納得してもらう、とか
商品やサービスをアピールして魅力を感じてもらう、とか
問題を提起して考えてもらう、とか
情報を説明して分かってもらう、とか
熱意を伝えて行動を促す、とか。

自分の価値観に基づいた内容を「表現して」、
それを「受け取ってもらう」ことが目的となります。

もちろん価値観の違いから受け取ってもらえない場合はあるとしても、
主張を表現するという点においては聴衆に左右される度合いは少ないはずです。

一方、僕がやろうとした(普段やっている)ことは
僕の側の主張ではありません。
こちらから影響を与えようとする部分は少ないんです。

受講生という聴衆に合わせ、
その人たちの問題解決の意欲に沿おうとしているようです。

その意味では「プレゼンテーション」ではないのかもしれません。

実際、以前の課題で「日本語英語教育の問題点」とか
「原発に賛成か反対か」などの『主張』が課題となったときには
聴衆がどんな考えや態度であっても気にならずに話せました。

それは主張するためのプレゼンテーションだったからです。

それと比べると、僕が普段からやっている講座のオープニングは
主張のためのプレゼンテーションではなく、
一対一のような対話を、一対多でやっているだけのことなんでしょう。

ですから聴衆の中に、自分のプレゼンの内容を準備している人たちがいれば
それはちょうど、一対一の会話において
 相手が別の作業をしている間に、横から一方的に
 相手にとってどうでもいい内容を話しかけて
 ずっと無視され続けているのに最後まで話し切る
ような状態だったといえます。

それは途中で止めたくもなりますし、
邪魔しないでおこうかとも考えてしまいます。

「初対面の参加者とラポールを築く」という設定自体が
僕にとってはそもそもプレゼンテーションではないみたいです。

世間一般にとっては、人前で話すという点でプレゼンなのかもしれませんが。


ちなみに、積極的に聞く気がない人が聴衆に混ざっていることは
商品のプレゼンだったり、会社の会議、企業研修などではあり得ます。

しかしそれでも、そこにやってくるからには何かの必要性があります。

合わせるポイントを見つけていけば、空回りはしなくなるんです。

そして仮に最後まで空回りする相手がいたとしても、
「主張」という意味でもプレゼンテーションなら問題なく続けられます。
全員に届かなくても、届く人はいるかもしれませんし。

ですから先日に体験したプレゼン講座での設定は
そもそも無理があるものだったんだと思われます。

準備した内容を使わず、その場の実際の聴衆
…つまりプレゼン講座の他の受講生という立場…
に合わせて、その人たちとの対話を心がけたら
空回りしないこともできたかもしれません。

あるいは、「企業研修に義務で参加している人」のような設定にしていたら
頭の中でイメージを変換して、仮想的な練習をするぐらいはできたかも。

まぁ、それをしたとしたら、今度は課題から大きく離れてしまいますから
そっちそっちで望ましくなかったとは思いますが。


ともあれ僕自身としては、重要な区別をハッキリさせられたので
なかなか意義深い時間だったような気がします。

僕は講座中にプレゼンをしていない。
研修でも講演でも同様でした。

一方、主張をハッキリさせたプレゼンになるとスタイルが変わります。
こっちはこっちで練習のやり甲斐があります。

僕が英語力のトレーニングとしてやりたかったのはプレゼンのほう。

その辺を区別しながら練習したら、もっと効果を上げられそうです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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