2017年08月05日

追加の価値を高めることで

いろいろなホテルに泊まっていると、
ときどき”上等な”ホテルをリーズナブルな価格で利用できることがあります。
(今回は夏休みで人気の時期らしく狭いホテル)

それぞれに特色があって、サービスやビジネスの観点から見ても発見が沢山。

狭い部屋の中をどう使うかなんかは特に個性が出る印象です。

例えば…。
ベッド側を狭くして広めで使いやすいバスルームを配置し、
テーブルは最小限にする。
空間は動作を妨げないように余計なものをなくし、
部屋で何かをするというよりも、ただ「泊まる」ことに特化した感じ。

一方、
バスルームを狭くしてベッド側の空間に余裕を作り、
テーブルやテレビを大型にする。
クローゼットのスペースも取らず壁にハンガーラックをつけるだけにしたり、
とにかく床面積の大部分を「室内で何かをする」ための設備に充てる感じ。
窮屈だけど利便性はあるような設定。

あるいは、必要最小限に徹することで安価に抑えるスタイルもあれば、
内装を綺麗にしたり細々したサービス
(無料コーヒーとか空気清浄機とかペットボトルの水とか)
をつけたりして”高級感”や”お得感”を出すスタイルもあったり。


ホテルに何を求めるかは利用客の好みによるところでしょうが、
僕は空間を求めているようです。

そもそも地球上で人間の生息可能なスペースは限られていますし、
同じ広さの空間に何人を収容するかによって
利用客数が変わってくるわけですから、ビジネス的にも重要なはずです。

電車やバス、飛行機、船などの交通機関でも
無尽蔵に大きなものを動かしていれば乗客数に制限はありませんが、
実際には大きいほど建造費や運用費もかかりますし
大きなものに数人しか乗っていないというのは勿体なくもあります。

シンプルにいっても、安定して利益を維持しようとしたら
運賃×利用客数がコストよりも多い必要があると考えられます。

同じ大きさのもので乗客を運ぶことを想定した場合
(コストが同じだと仮定すると)、
一人の利用客でも利益を出そうとしたら一人当たりの料金が高くなり
大勢の利用客であれば一人当たりの料金が安くなる。

空間を占有する人数(想定利用客数)で想定売上高を割った分が
一人当たりの料金になる、というのが単純計算でしょう。

一人で広い面積を占める、つまり一回の運搬あたりの客数を抑えたら
その分だけ一人当たりの運賃は高くなる。
一人当たりの面積を小さくして大勢の乗客を詰め込めば
一人当たりの価格は安くなる。

そこが交通機関のベースだと思うんです。

新幹線のグリーン車が普通の指定席より高いのは、
グリーン車のほうが一両当たりの座席数が少なく
その分だけ大きなシートを使って一人当たりの空間が広いから。

椅子の座り心地や付属のサービス部分がコストに占める割合は
それほど大きくないと思われます。

新幹線のグリーン車料金は、一車両当たりの席数で計算すると…。
おおよそのグリーン車の席数が一両当たり0.7倍。
東京ー新大阪の普通料金14,450円が、グリーン車料金19,230円の0.75倍。
だいたい同じぐらいの比率になっています。

席数基準でいえばグリーン料金20,600円に相当しますから
若干割安なぐらいだといえそうです。

一人当たりのスペースの広さ(座席の広さ)以外にも得られる
シートの快適さや車両内の静かさ、少しコストをかけた内装、
若干の追加サービス(電源設備、おしぼり、雑誌など)も加味したら
むしろお得だといえるのかもしれません。

普通車が満席の時でもグリーン車には余裕があったりもしますから、
収益の観点からするとJR側としてはグリーン車より普通車のほうが
儲けを生み出してくれているぐらいじゃないかと想像できます。

そして、ホテルも同様だと思うんです。
土地と建物の都合から、総床面積が決まっている。
一泊当たりの収容客数を少なくすれば部屋は広くなり、値段も上がる。

それが単純な原則だと思われます。

もちろん土地の値段が関係しますから、駅に近いとか都心に近いとか
立地に応じた値段の変動もあって当然でしょうが、
似たような立地条件であれば一部屋が広いほうが値段は上がりやすい、と。

あとは管理のための人件費も大きいでしょう。
概して安いホテルほど従業員数が少ない。


そう考えると、理屈で考えても空間の広さが
ホテルの提供するサービスの中心だという気がしてくるんです。

特に土地の価値が高い日本では、土地が広いアメリカの地方都市などとは違い、
空間の広さがコストを占める割合も高いと考えられます。
その意味でも部屋の広さが土台のように思うんです。

そのうえ僕の場合、何かを避けながら移動するとか
ぶつからないように動作をコントロールするとか、
そういう周囲への警戒の度合いがストレスに感じられます。

のびのびとできないというか、制約されている感じがあるというか、
警戒している分だけリラックスもできませんし、
空間的な圧迫感を覚えると体が固まる感じも出てきます。

もっと体の大きい人だったら、なおのこと広さに求めるものは上がりそうです。

なんとなく空間そのものにホテルの価値を求めたくなってしまう、
という話です。

その意味で、狭いホテルがどういう工夫をしているかという部分は
かなり戦略的で、個性が表れやすい部分のようにも思えます。

広くてゆったりしていて高い…だったらシンプルですから。

「狭い、けど○○だから価値がある」
そういう仕組みで宿泊料を上げて利益を出す、と。

狭さを補う部分をどうやって生み出しているのか、
どうやってコストを抑えて利益を高めているのか?

そんなことを考えさせられるキッカケになります。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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