2017年09月18日

プログラムとしての理解

最近、いろいろな形で頼まれごとが続きました。

もちろん僕に頼んでくる人は、僕のやっていることを知って
そこをベースに尋ねるようなので、
仮にも体力的な面(例えば、引越しの手伝いとか)ではなく
人の内面に関わるような話が自然と中心になります。

そこで改めて気づくのは、僕の発想の基盤にはNLPがあるということ。

つまり、人が何を学習しているのか、
どういう体験によって学習された結果、
どのような認知の仕方をするようになり、
どんな反応の癖が身についているのか、
そして、それはどれぐらい変えやすいものなのか、
どういうことによって変えていけるのか
…などを考えるようなんです。

人に起きていることの全てが学習されたプログラムだとは言えず
僕の扱う範囲の中にはプログラムとは違うものも含まれますが、
人が日常的に体験している問題の大部分は
プログラムの発想を踏まえた上のような問いで説明できそうです。


それに対して心理学的な研究成果の中には
人のやっていることを傾向として分類したものがあって、
例えば「ストレスがかかったときに、どう反応するか?」などは
その反応の仕方(どんな反応が表れるか)に注目した分類であって、
「どのタイミングで起こるか?」は分類の要件に入っていません。

つまり、
「ストレスがかかってから、何が起きて、そのあとでどうなって
 どんな時期が続く結果として、どういう反応をするようになるのか」
など、長い時間の中で起きることを、時間枠の区別なく
一様に「どんな反応が出るか」だけを基準に分類したりするわけです。

それで役に立つし、それに応じた対処も考えられるので
「どのタイミングで」というのは重要視しないんでしょう。

しかしNLPとしては、そうしたストレス反応を生み出す”しくみ”をもとに
本人の中で何が起きているかを考えようとします。

なぜなら、反応を生み出す”しくみ”の中の
どの過程で問題が起きているのかによって
対処の仕方が異なるからです。

例えば、身の危険が迫るような大きなストレスがかかったときには
身体は動物的な防衛の反応を始めることが知られています。
これは学習されたものではないので、どうにかする対象ではありません。

むしろ動物的な防衛反応が出た後に、どうやって
人間らしい社会生活に戻っていくかのほうが大事になる。
タイミングとしては「防衛反応の出た後」にアプローチをする、と。

ところが、ストレスのレベルが小さいときには話が変わります。

身の危険が迫るような災害や災難などはストレスレベルの大きなものですが、
そこまで体のレベルで危険ではないけれども
最終的に不快な気分になるケースは日常生活に多々あります。
人間関係の不満などは典型的でしょう。

多くの人間関係のトラブルは、そこまで動物的な危険ではありません。
相手の対応について、自分に不満があるだけのことです。

しかし相手の対応が望ましくないことで、
自分の内面に「不快な感情(怒りや悲しみ、傷つきなど)」が生まれます。

この不快な感情を自覚したときに、「嫌な出来事だった」と振り返ります。
そしてそのキッカケとなった出来事を「ストレス」と判断する。

こういうケースにおいてNLPでは、
不快な感情が起こらないようにプログラムを変えようとします。

つまり「嫌な出来事だった」という捉え方を変えたり、
怒りや悲しみなどの感情が出てしまう癖を修正したりするんです。

対処のタイミングは、「出来事が起こる」とき。
望ましくない反応を生み出すキッカケの出来事のタイミングを対象にします。

大きなストレス反応については、反応が起こった”後”に対処する。
小さな反応については、反応が起こる”前”の出来事にアプローチする。
そういうタイミングの違いがあるんです。

さらに心理学的な分類に基づいたストレス反応には、
長期的に体のレベルでのストレス反応が続いた後に
元気がなくなるのか、逆に頑張ろうとするのか、など
次の段階としての反応の区別もあります。

これは時期的に考えると、数秒とか数分の範囲の話ではありません。
何日後とか何か月後とかの長い範囲の話です。

大きなストレス的な出来事があった直後の動物的な身体の反応は
一秒にも満たない範囲で起きていることです。
そのあとに反応を落ち着けるように対処するのも数十秒レベルの対処です。

これだけ時間枠の範囲が異なっていると
NLPでは対処の仕方も違ってくるんです。

しかし心理学の分野によっては、
心の癖を修正するような対処を想定してはいないので
時間枠の違いを考慮する必要がないんでしょう。

NLPは心の癖を修正するのが基本ですから
注目の仕方、区別の仕方が異なるわけです。


僕の発想には、NLP的な時間枠の区別が染みついています。
その人の中で何が起きているかを考えようとします。

すると心理学の知識の解説を頼まれたりする方が
そもそもの着眼点の違いから難しかったりもするんです。

いかにNLPが土台になっているかを実感します。

cozyharada at 23:44│clip!NLP | 心理学
おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



 ◆ お問い合わせ 
  技術向上、
  コンサルティング、
  スーパーバイズ、
  執筆・講演…

  諸々のお問い合わせはこちらへ>>



ホームページ
バナー1


プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
Archives
最近のコメント
QRコード
QRコード