2017年11月01日

大きな感情が表れるとき

ロシア語の講座には全部で8人の生徒がいます。

大学の公開講座になっていますから、
OBには若干の割引があったり、そもそも結びつきの強さがあったり、
参加している方の中には結構な割合で卒業生がいそうです。

その中に一人、20代ぐらいの女性で
勉強の得意そうな雰囲気の人がいます。

実際、毎回の講座にはしっかりと予習をして臨んでいるようで
単語帳を見ながら暗記もしているし、
質問も積極的にして確実に身につけようとしている印象を受けます。


おそらく非常に負けず嫌いの傾向が強く
塾でも学校でも優等生で通してきたんでしょう。

質問をするときの言葉遣いや声のトーンからも
若干の敵対心というかケンカ腰というか
自分の正しさを示そうとするような雰囲気が感じ取れます。

で先日、その人が練習問題を当てられて答えるときに、
ちょっとした間違いをしたんです。

予習として解いてあったものを読みながらでしたから
それなりの自信とともに言っていたと思います。

確かに少しだけ複雑な部分ではありました。
英語にはない文法項目でしたし。

「あなたたちの辞書」という言い回しの訳なだけなんですが、
英語だと「your dictionary」か「your dictionaries」か
いずれかしかありません。

それがヨーロッパ言語になると、
フランス語でもスペイン語でもロシア語でも
2人称(あなた)にあたるところが
「君」と「あなた」のように親しみ度合いで2種類あるんです。

そして「君たち」のように2人称複数形になったものが
「あなた」という敬意のある2人称単数と同じ形になります。

もちろん「あなたたち」という2人称複数も同じ形です。

ですから「君」という親しい関係の2人称単数にあたる単語が1つ。
それとは別に、
 峽たち」(親しい2人称複数)
◆屬△覆拭廖雰桧佞里△襭何余涼運堯
「あなたたち」(敬意のある2人称複数)
の3つに対応する単語が1つある、ということです。

この問題では「あなたたちの」ですから
後半の3つのほうの話です。

さらにロシア語でもフランス語でも、
「誰々の〜」という所有形容詞は
あとに続く名詞が単数か複数かによっても形が変わります。

ですから「君の1本のペン」と「君の複数のペン」では
「君の」の形が変わるんです。

当然、もう一方の「君たち、あなた、あなたたち」に対応するほうでも
後に続く名詞が単数か複数かによって形の違いがある。

そういう意味で、「あなたたちの辞書」という日本語は
ロシア語に変換するときには少し複雑なわけです。

2人称単数のほうなのか、2人称複数(敬意のあるほう)なのか。
後に続く名詞は単数なのか、複数なのか。
この両者を同時に扱う必要がある。

そこでその負けず嫌いの人は、
2人称複数のほうにするのを見落としてしまっていたようなんです。

ですから実際には「君の複数の辞書」として訳してしまった。


かなり準備もしているし復習もしているし、
自信があって負けず嫌いの優等生といった感じですから
間違いが気に入らないわけです。
間違っていることを認めたくもない。

それで「いや、でも…」なんて食い下がりかけたんですが、
このロシア語の先生が一風変わったコミュニケーションの持ち主で
相手の気持ちを汲み取るとかは一切しないし、
オドオドしながらも自分のペースを崩さないような
いかにも大学教授といった人なんです。

そのため彼女の質問を途中で遮り、
上記の違いを独特のペースで説明し始めました。
かなり分かりにくい説明だったと思います。

途中、何度か答えを言い直させようとして問いかけるんですが
解説そのもののやり方がグチャグチャなうえに
間違えを指摘されたことで平常心を大きく失っている彼女は
まともに理解することもできなくなっていました。

ほとんど泣きそうな状態。
内側にもどかしい怒りも溜まっているので
ほとんど小さい子供の「癇癪」に近い状態だったと思います。

優秀さと正解を自分の存在の拠り所として育ってきたら
無理のない状況だったことでしょう。

はたから見ていれば
「たかがロシア語入門の練習問題の1つを
 半分だけ間違えただけなのに、そこまで…」
と感じた人もいたかもしれませんが
(その感情すら見ていない人もいたでしょうが)
本人にとっては重要な部分なんだろうと考えられます。


それで思い出したのは、
 僕は個人として、もうここ何年も
 そこまで強い感情を体験していない
ということでした。

先日、スカイプが動かなくて先方を待たせてしまったときと
寝坊をして遅刻してしまったときには焦りが出ました。

でも逆に言うと、大きな感情が起こっていないようです。

確かに以前はあったんですが。
他人から気づかされることは多いものですね。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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