2017年12月16日

お気に入り映画

毎年恒例だった年末年始のDVD視聴期間。
今年は残念ながら事情が変わってしまいました。

スケジュール的なことも関係しますが、何よりも大きいのは
見るためのDVDシリーズが見つかっていない、ということです。

これまではDVDボックスの発売時期も合わせて
「ザ・メンタリスト」の最新シリーズを購入して、
それを一気に見ることをしていました。

しかし、それも終了。
ファイナルシーズンとして完結してしまい、
今年は見るものがなくなってしまった感じなんです。

評判のものを見てみるのも良いのかもしれませんが…。

まずはどれを見たいと思えるか、
一巻目を色々と見比べる必要が出てきてしまいそうなところ。

そうやって一巻目を一通り見ているうちに、
DVDをまとめて見られる時期が終わってしまうかもしれません。

ということで今のところ、まだDVDシリーズを見てはいないんです。


反面、DVDを探しに行ったときに、一般的な映画のDVDをレンタルして
結局はシリーズものではなく、話題作をチェックしているような状態。

そんな中で印象に残ったものを1つ書いておこうと思います。

『素晴らしきかな、人生』というタイトルの映画。
ウィル・スミス主演です。

素晴らしきかな、人生 [Blu-ray]
ウィル・スミス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2017-12-16




幼い娘を病気で失った主人公が
悲嘆から立ち直っていく様子を描いたもの。

その過程に関わってくるのがチョット不思議な3人の役者。

自暴自棄の演技をさせたらウィル・スミスは絶品ですね。

ネット上のレビューなんかだと評価はイマイチですが、その違いは
 ストーリーと登場人物の心情をどれぐらい理解しているか、
そして
 そこにどれぐらい感情移入できるか、
という部分に関係しそうです。

実感として知らなければピンとこない部分もあるのかもしれません。

僕はこれを偶然、今年の5月、アメリカ行きの飛行機の中で見て、
とても印象に残っていたので見直してみた次第。

4本借りるとお得になるシステムの数合わせ、最後の4
一度見た映画ではあったけれど見直してみたわけです。

ストーリーを知っているから、どんでん返し的な面白さは減ります。
一方で、気づかなかった伏線が理解できたり、
主人公だけを描かずに重要な登場人物の人生をも描いていたり、
味わいの深さをより実感できた気がします。


ただ、翻訳の難しさがあるのも実情でしょう。

原題は「Collateral Beauty」です。
(コラテラル・ビューティー)

これが「素晴らしきかな、人生」という邦題に変わり、
劇中でもセリフの中に何度か登場する「collateral beauty」が
「幸せのオマケ」と訳されているんです。

確かにこの翻訳は厄介です。

「collateral」は辞書だと
「付帯的な、二次的な」、「直系でない、傍系の」
などと出てきます。

Cambridge Dictionaryでは
「connected but less important, or
 of the same family although not directly related」
となっています。

「そのものに結びついているけれど、そのものよりも重要度が低い
  あるいは
 直接関係してはいないけれど同族の」
といった意味でしょうか。

前半部分が「付帯的な、二次的な」の意味で、
後半部分が「直系でない、傍系の」のほうでしょう。

ここでは前半の意味、つまり
「メインではないけれど、それに伴って起こる」
というニュアンスだと考えられます。

映画中で「collateral beauty」という単語が表れるのは
娘を失ったことへの言葉がけとして、です。

大切な人を失った喪失の悲嘆。
しかし、そこに「collateral」な「beauty」がある、と。

喪失の悲嘆には、伴って起こる「beauty」があるんだ、というわけです。

もちろんそこでのメインは悲嘆の苦しみです。
それを上回って打ち消すような性質のものではない。

あくまで付随的で、
別に「それがあるから絶対に大丈夫なんだ」と言い聞かせるような
気休めの表現でもありません。

苦しみがメインです、
でもそこには「beauty」が伴っていますよ…
といった意味合いで、
「collateral beauty」なんだと思います。


まぁ、その意味では「オマケ」というのは分からなくもない。
でも日本語でいう「オマケ」は、重要度の比率が低すぎる気がします。

例えば、
 3000円分の野菜を買ったときに、”オマケ”で
 ミカンを3つつけてくれる…
みたいなイメージじゃないかと思うんです。

僕の認識だとメインの10%以下ぐらいが「オマケ」か、と。

(※子供向けの「オマケ付きお菓子」は
  お菓子のほうがオマケみたいな位置づけになっていますが
  あれは「オマケ」を口実に、玩具売り場ではなくて
  食品売り場でオモチャを売ろうというビジネス戦術でしょう)

それに対して「collateral」は、もっと比率が大きい感じがします。

メインと同じ規模までは行かないけれど、
70%ぐらいはありそうな印象。

ですから「幸せの”オマケ”」と言ってしまうと
重要度が低すぎる気がするんです。
そんなに軽いものじゃないだろう、と。


そして「beauty」を「幸せ」と訳すのは
もっと意味が違います。

もちろん「美」そのものではない。
「素晴らしさ」ぐらいの感じでしょうか。

光り輝き、色鮮やかな雰囲気です。

これを「幸せ」と訳してしまうのは、
翻訳の文字数制限もあるでしょうが、それ以上に
 「collateral beauty」を実感したことがない人が訳したから
というのが大きい気がします。

苦しみの先には、苦しみを知るからこそ見えてくる
この世の素晴らしさ、彩り、豊かさ、輝きがあるんです。

それは文字通り、
「目に入るものが鮮やかで美しく、瑞々しく見える」
体験になることもあるようです。

別に幸せなわけではありません。
純粋な感動です。
命の喜びです。

でも、これは個人の価値観が満たされるような「幸せ」とは違います。

喪失の苦しみを体験している人にとっては
そんなことぐらいで「幸せ」になんてなれません。
大切なものを失った悲しみは残るでしょう。

ただし、それと並行して、
悲しみとは別の性質のものとして
純粋で大きな喜びが味わえる。

そういう感じが「collateral beauty」のはずです。


「苦しみを知るからこその喜び・味わい・人生の美しさ」
「苦しみの奥の喜び・輝き」
ぐらいの感じかと思います。

字幕上の文字数制限を考慮して無理やり工夫するなら
「幸せのオマケ」で6文字ですから
「苦悩の隣の光」とかでしょうか。

それでも「collateral beauty」のニュアンスは出ていないと感じます。

出来事の流れとして言うと、
時間的には「苦しみの先」、心の内側では「苦しみの奥」に
人生の輝きをもたらしてくれるものがある感じです。

が、「collateral beauty」というセリフを言う人物の心情からすると
そこには「先」というほどの距離感はなくて、
「奥」とか「裏」というほどの見つけにくさもなくて、むしろ
「すぐ隣」にくっついているような気軽さもあるんです。

とはいえ「オマケ」というほど軽々しいものでもない。

そしてその体験は「幸せ」などでは決してなく、その意味では
邦題の「素晴らしきかな、人生」のほうが近そうですが、
だからといって「人生の素晴らしさ」を説明しているのでもありません。

雰囲気としては…。

 苦しい時こそ、苦しみから目を背けずに
 しっかりと苦しみを見つめてごらん。
 すぐそばに、思いもしなかったような美しい味わいがあるから。

そんな気軽さと本質を両立させた一言なんだと思います。


そのあたりのニュアンスを思いながら映画を見てみると
さまざまな面で、見事に描かれたものが感じられる気がします。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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