2018年04月15日
歴史と思想
なんとなく勉強したい気持ちが高まっていて
本屋に行ってみました。
心理系で新しく興味を引かれるものは、もう何年もありませんし
語学は勉強というよりもトレーニングなので趣旨が違います。
そこで手を取ったのがこちら。
NHKでやっている「100分で名著」という番組のテキストにあたるもの。
この番組、名著を短くまとめて解説してくれるだけではありません。
古典的名著を簡潔に解説してくれるものは
本でもテレビ番組でも、数多く見受けられます。
実際、僕も概要を掴むためだけの目的であれば
そういう簡単な解説本を読むこともあります。
しかしそれはあくまで導入としての目的のみ。
そこで興味を引かれれば原典に近づこうとします。
そして原典に触れたとき、情報量が多くなる長い本を読むにあたって
概要を抑えてあることが情報整理に役立ちます。
先に地図を見てから現地を歩くような感じでしょうか。
場合によっては概要を知っていると楽しみが失われることもあるので
常に有効なやり方ではないと思いますが、
情報収集と理解のための読書であれば役立つと感じています。
ただし、ここで注意が求められるのが、概要を書く人の視点。
簡潔にまとめたものは元の趣旨を正確に反映しているとは限りません。
概要をまとめる人の重視するところが色濃く表れるわけです。
まとめる人の理解の仕方が如実に影響してしまう、と。
そういう意味で解説本を選ぶのは難しい気がします。
その点「100分で名著」は、ただの要約ではないんです。
その本について理解が深い人が、個人的に重視するところを
堂々と強調して解説してくれます。
ですから必ずしも概要にはなっていないわけです。
むしろ映画のコメンテーターのような感じ。
その人が気に入ったところを教えてくれる。
この番組では個人的な見解が多いのが前提になっている
といった印象を受けます。
その前提での「法華経」の解説のテキストです。
番組で見たときよりも詳しくまとまっていますから
個人的にはテレビよりもずっと好印象でした。
そしてその解説の偏りは、法華経の教えの本質ということよりも
法華経が編纂される歴史的背景とか、編纂における思想とか
そういう社会的・歴史的な観点が中心なんです。
仏教の教えよりも時代背景が強調されている。
ここが興味深かったです。
僕は学生時代、社会科が好きではなかったんです。
ただの暗記科目のように捉えていましたし。
しかしそこには当時の時代背景と
そこに至るまでの過去の積み重ね、
当時を生きた人たちの心の動きが表れているようです。
そこまで踏まえて歴史を見ていくと面白いものですね。
だからこそ、どんな思想でも教えでも、
時代背景や社会情勢、生活スタイルや文化など
その考え方を提唱するに至ったバックグラウンドを踏まえてこそ
趣旨や意味が浮き彫りになってくるように思います。
後世になって内容そのものだけ取り上げると
ポイントがずれてしまうことだってあるのかもしれません。
そして逆に、今の時代背景だったら
どういう内容として提唱されていただろうか?
と考えてみるのも重要な気がします。
本屋に行ってみました。
心理系で新しく興味を引かれるものは、もう何年もありませんし
語学は勉強というよりもトレーニングなので趣旨が違います。
そこで手を取ったのがこちら。
NHKでやっている「100分で名著」という番組のテキストにあたるもの。
この番組、名著を短くまとめて解説してくれるだけではありません。
古典的名著を簡潔に解説してくれるものは
本でもテレビ番組でも、数多く見受けられます。
実際、僕も概要を掴むためだけの目的であれば
そういう簡単な解説本を読むこともあります。
しかしそれはあくまで導入としての目的のみ。
そこで興味を引かれれば原典に近づこうとします。
そして原典に触れたとき、情報量が多くなる長い本を読むにあたって
概要を抑えてあることが情報整理に役立ちます。
先に地図を見てから現地を歩くような感じでしょうか。
場合によっては概要を知っていると楽しみが失われることもあるので
常に有効なやり方ではないと思いますが、
情報収集と理解のための読書であれば役立つと感じています。
ただし、ここで注意が求められるのが、概要を書く人の視点。
簡潔にまとめたものは元の趣旨を正確に反映しているとは限りません。
概要をまとめる人の重視するところが色濃く表れるわけです。
まとめる人の理解の仕方が如実に影響してしまう、と。
そういう意味で解説本を選ぶのは難しい気がします。
その点「100分で名著」は、ただの要約ではないんです。
その本について理解が深い人が、個人的に重視するところを
堂々と強調して解説してくれます。
ですから必ずしも概要にはなっていないわけです。
むしろ映画のコメンテーターのような感じ。
その人が気に入ったところを教えてくれる。
この番組では個人的な見解が多いのが前提になっている
といった印象を受けます。
その前提での「法華経」の解説のテキストです。
番組で見たときよりも詳しくまとまっていますから
個人的にはテレビよりもずっと好印象でした。
そしてその解説の偏りは、法華経の教えの本質ということよりも
法華経が編纂される歴史的背景とか、編纂における思想とか
そういう社会的・歴史的な観点が中心なんです。
仏教の教えよりも時代背景が強調されている。
ここが興味深かったです。
僕は学生時代、社会科が好きではなかったんです。
ただの暗記科目のように捉えていましたし。
しかしそこには当時の時代背景と
そこに至るまでの過去の積み重ね、
当時を生きた人たちの心の動きが表れているようです。
そこまで踏まえて歴史を見ていくと面白いものですね。
だからこそ、どんな思想でも教えでも、
時代背景や社会情勢、生活スタイルや文化など
その考え方を提唱するに至ったバックグラウンドを踏まえてこそ
趣旨や意味が浮き彫りになってくるように思います。
後世になって内容そのものだけ取り上げると
ポイントがずれてしまうことだってあるのかもしれません。
そして逆に、今の時代背景だったら
どういう内容として提唱されていただろうか?
と考えてみるのも重要な気がします。