2018年07月19日

カウンセリングの本質

以前に書いたことの続きです。
(『カウンセリングの本質 戮麓螳磴い脳辰靴討靴泙い泙靴拭)

カウンセリング技術を向上させたり
人の気持ちが分かるようになったりするために
最も本質的なのは
 自分の問題をコツコツと解決していくこと
だという話。

その1つのポイントが、自分の問題を解決する作業によって
『問題に気づく感度が上がる』ところにある、と。

自分の問題から目を背けない癖をつけることで
細かな心の動きにも気づきやすくなります。

他人の問題についても、
それを「大したことない」などと評価することが減りますし、
どんな問題でも解決できる可能性を体験的に信じやすくなります。

解決可能な部分に注目できるようになるため
厄介なことがあったときにも適切に困ることができるようになって、
悩むべきことと、悩む必要のないことも区別がしやすくなります。

ザックリというと、そんな話でした。


もう1つのポイントは
『観察力や共感力が上がる』
ことです。

コミュニケーション一般において「観察力」というと、
相手の個性や感情を見てとる能力のことを示すようです。

この能力には、
1、特徴(=標準との違い)に気づき、
2、その特徴を分類して、
3、それを言語的に説明する
というステップが含まれるはずです。

言い換えると、
1段階目だけでは
「あれ、なんか変…」という違和感だけが上がることになり、
2段階目までだと
「なんかモヤモヤする感じ」とか「シッカリしている」とか
「なんだか気分がよくなさそう」とか
曖昧な表現に留まることになります。

それが3段階目の言語的な説明までできるようになると
違和感を「モヤモヤする感じ」と捉えた後、
その「モヤモヤ」が「内容を理解できていない戸惑い」なのか
「内容は分かったけれど、理屈として納得しきれない困惑」なのか
「理屈には納得しても受け入れたくない気持ちがある葛藤」なのか
などを区別して言語化できるわけです。

「シッカリしている」にしても、
「大人っぽい自制心がある」のか
「何事にも動じない安定感がある」のか
「堂々としていて自信がある」のか
「どんなことでも卒なくこなせるスキルの高さがある」のか
…違いを言葉で説明できる必要があります。

気分や感情についても、
「いい気分」か「悪い気分」かを分けられるだけでは
読み取れている情報量が多いとは言えません。

「悪い気分」にしても、怒りの系統と悲しみの系統がありますし、
悲しみの系統の感情にも、寂しさ、孤独感、孤立感、喪失感、絶望感など
本人の事情と結びついた繊細な感情の違いがあります。

それらは全て、感じ分けられるものなんです。
言語的に概念が区別されているわけですから。


観察力の中でも違いに気づく1段階目だけであれば
他人を細かく見ているだけでも磨かれていきます。

しかし2段階目の分類の作業には、
その特徴が「どういうときに表れるものなのか?」と
傾向を知っている必要があります。

傾向を知るには土台となる情報量が必要です。
多くのものから共通する特徴を見出すために、です。

もちろん他人の話を聞きながら、
そのときの出来事と感情の結びつきを知ることもできます。
しかし、それには相手から相当詳しく話を聞かないといけません。

個性と見た目の関係についてデータを積み重ねるにしても
相手の個性が分かる程度までの関わりは必要になります。

質的に深いコミュニケーションを量的にも重ねる必要がある、と。

その点、自分の問題について向き合っていく分には
自然と質的に深いレベルまで事情を整理することになります。

どういうときに、どういう身体の感じや表情、姿勢になるのか。
どういう能力を発揮しているときに、どんな様子になるのか。
そうしたことを詳しく知ることができます。

量にしても、自分の問題に向き合い続ける限り
いくらでも経験を積み重ねることができます。

自分の心の癖やネガティブな感情のパターンなどを見ていくと
毎日1つ扱ったとして、数年やっても尽きることはありません。

自分の問題を扱えば、
1、違いに気づき
2、その特徴を分類する
ために必要な経験を、量的にも質的にも確保できるわけです。


さらに3段階目の言語化の部分。

これに関しては自分の問題を扱う以外では
トレーニングをするのが困難だと思います。

他人の状態を観察して、適切に言語化するトレーニングだとしたら
かなり込み入ったところまで話を聞いたうえで、
さらに相手の心情を代弁するような作業をするわけです。

そして相手に確認してみて、相手がシックリくるかどうかをチェック。
相手がシックリくるまで適切な表現が見つかっていないわけですから、
トレーニング初期の段階では、適切な表現を見つけられないまま
会話の時間が終わってしまうこともありがちです。

適切に状態を捉えて、言語化する能力が身についてからであれば
相手の心情を代弁するのもトレーニングが可能ですが、
それ以前の段階だとトレーニング効果を得られるところまで
なかなか辿り着けないことも多いんです。

その点、自分の心情を適切に言語化する練習であれば
上手く言葉にできたときには自分で「ああ、そうか!」と
納得感を味わうことができます。

違和感に気づき、
それを分類して、なんとなくの特徴を掴み、
適切な言い回しで表現しようとする。

この流れで適切な言葉を見つけられたら、
自分に対しての理解が深まるのと同時に、
「この体感覚は、この感情」
「この姿勢は、こういう気分のとき」
「この感じは、心の中で両面感情があるとき」
などと区別がつけられるようになっていくわけです。


この経験量と、分類した状態を適切な言葉と結びつける訓練によって
繊細な心の状態を適切な言葉にする能力が上がっていきます。

自分の体験と、自分自身の心情を言語化するトレーニングの結果、
他人を観察したときにも、その能力を応用できるようになる。

「あ、この人の表情は、あの自分がモヤモヤするときのヤツだ。
 このモヤモヤは心情としては…
 ”頭で理解していても気持ちで納得できない葛藤”のものか。」
といった形で。

まとめると…
 自分の問題に向き合うことで、
 「内面の状態」と「そのときの外的に観察可能な特徴」との対応を
 データベースとして蓄積していき、
 その「内面の状態」を言語的に説明可能になれる、
ということです。

これが相手の変化の意味を説明できるようになる土台、
つまり観察力の中身そのものになります。


ですから他人の気持ちを理解できるようになりたければ、
まず自分の気持ちを細かく感じ分けて、言語化できるようになる。

それが着実で、しかも効果的なトレーニングだといえます。

『自分の問題をコツコツと解決していく』ことが重要な理由。
『観察力や共感力が上がる』から、というのは
こういう仕組みに基づいています。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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