2018年10月03日

言語の相互作用

この7月ぐらいからフランス語の勉強の仕方を変えて
ライティングをベースにアウトプットを意識し始めました。

これだけで意外と聴き取りもしやすくなった印象があります。

自分が話せるフレーズはすぐに音としてキャッチできますし
内容もストレートに頭に入ってきます。

また内容の処理に関しても意味の理解が早まった印象があります。
文章の構造や、フレーズ同士の関連性が繋がりやすいというか。
読解の状態に近づいたような感じ。

読んでいるように聞けるのは、特にニュースにおいて効果的です。
比較的複雑な文章構造をしていても捉えやすくなった気がします。

当然ですが、もう少し自然な会話に近いものも
少しは聞き取りやすくなったのを実感しています。

フランス語でのYouTubeを見たり、
以前に買った聴き取りの教材をやってみたりするときに
スムーズに理解できるケースが増えてきたようです。

こういう地道な向上は、振り返って比較したときに実感されます。
半年前と比べて、などのタイミングが分かりやすそうです。

同じように、聴き取りがスムーズになっていく経験は、
英語を集中的にやっていたときにも実感していました。

ただ、英語のときはアウトプットに力を入れ始めたのが遅く
読解や聴き取りを重点的にやっていましたから
「自然と聴き取りの力もついていく」という印象はありませんでした。

「聴き取りのトレーニングをやって、少しずつ聞けるようになってきた」
といった印象はありましたが。

今のフランス語においては、聴き取りを本格的にトレーニングせず
なんとなく耳からのインプットを続けている程度になっています。

それでもアウトプットのトレーニングをすると
聴いて理解することもスムーズになっていくというのは、
言語活動が色々と結びついて相互作用を持っているからなんでしょう。

母国語の日本語でも、自分が自然と使う単語を使ってくれたり
自分がよく使う文章構造と同じように話したり書いたりしてくれると
内容がスムーズに入ってくる感じがあるものだと思います。

逆に、同じ日本語のはずなのに何を言っているか分かりにくい場合もある。
あまり馴染みのない単語を使っていたり、
文章の組み立て方を捉えるのに時間がかかったりするときです。

ですから自分が使う言葉に近い方が(母国語でも外国語でも)
インプットして理解しやすいんだろうと考えられます。

その意味では外国語のトレーニングとして
アウトプットを強化するのは効率的だと思います。

とりわけ書くトレーニングは、話すときよりも時間をかけて
複雑な文章構造や、高度なボキャブラリーを工夫できますから
使える表現を増やすうえで、より効率的なんでしょう。

ということでフランス語で書くトレーニングは
僕にとってなかなか効果があるように実感しています。


このことがことさら気になるのは、
こういった言語学習過程の相互作用が
1種類の外国語の中だけで起きているわけではなさそうだからです。

例えば、実をいうと僕は、フランス語の聴き取りのとき
あまり集中して一生懸命に聞いていなかったんです。

これは英語のトレーニングを必死でやっていたときとは別物です。
英語のときは相当に気持ちを集中して、耳を傾けて聞いていました。

今、僕がフランス語を聞くときは、もっと受け身の感じというか
なんとなくボーッと、入ってくるものを捉えている印象があります。

日本語を聞いている状態と似ています。

良くいえば自然体なんですが、悪くいえば一生懸命じゃない。
馴染みの薄い言語に対して、ちゃんと聴こうという意識が弱いんです。

おそらく本質的には、ある程度しっかりと聞き取ろうとする努力が
トレーニング過程では求められると思います。

というのは、聴き取りには
・音を捉えて単語やフレーズに変換する作業
・単語やフレーズを繋げて文章の並びを捉える作業
・フレーズや文章の単位で意味を捉える作業
・複数の文章の意味から全体の話を理解する作業
が含まれるからです。

これらの作業は関連しあっているとは言えますが、
1つを重点的に心がけると、他への注意が落ちる傾向も見受けられます。

パソコンでいうなら、メモリが足りなくなる感じ。

音を捉える、単語を見つける、というレベルだと
かなり多くの作業に集中しないといけません。
メモリを多く消費します。

一方、文章の意味を捉えるとか、全体の意味を理解するレベルだと
意識される情報の塊が大きくなるのでメモリの消費は少ない。

母国語だとメモリの消費が少ない状態で
意味だけを自然と追いかけられるようになっています。

ですがそのためには土台として、
音を捉える作業、音から単語を見つける作業、
それをもとに文章構造を把握する作業などが求められます。

僕が英語のトレーニングをしていたときは
ディクテーションを中心に、この細かい情報処理をやらされました。
ちゃんと音を捉えて、単語を逃さずに聞き取れるように。

実際に全体的な意味を捉えるなら、必要のない単語もあります。
ただし、これは自分の知識で話の内容を補ってしまうリスクがある。

自分が補って理解しているだけなのに、聴いて分かったつもりになる
…そういう場合が結構あるように感じます。

なので僕は英語に触れ続ける過程で、何度も繰り返し
「あぁ、今まで全然、聞けていなかったし、分かっていなかった」
という実感をしていますし、裏を返すと
「前よりも少しは聞けるようになった」
という体験が何度も起きているわけです。


では、英語のときは音や単語に集中していたのに
フランス語では全体的な意味に注意が向いてしまうのは何故か?

単純にディクテーションをおろそかにしているのもありますが
英語がなまじ聞けるようになってしまっていたのが原因の1つでしょう。

「外国語を聞く」というモードが英語基準になってしまっているようです。

英語のほうでは音や単語に集中しなくて済むようになってきた分、
全体を捉えて聞く度合いが高まってきていました。

それがフランス語の方にも影響してしまっている、と。

ですから本当は音や単語に意識を向けるほうの
地道なトレーニングも必要なんだろうと思います。

ディクテーションが必要だという話。

その一方、最近、スペイン語やロシア語についても
ニュースを聞き始めたおかげで
「外国語が全然聞き取れない」体験が増えてきました。

聴き取れないスペイン語やロシア語では、
音の組み合わせを捉える練習や単語を探す心がけの度合いが高まります。

そっちの影響で「外国語を聞く」モードの中に、自然と
細かく音や単語を捉える度合いが高まってきたみたいです。

おかげでフランス語の方でも、細かい音や単語に注意が自然と向きます。


言語学習には、こんな風な相互作用が沢山あるようです。

このあたりを整理して活用できると
習得スピードを上げられそうな気がします。

興味深いところです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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