2018年12月11日

『ヤル気を削がない』コミュニケーション

他人をヤル気にさせたい人って、多いようです。

上司が部下をヤル気にさせるとか、
親が子供をやる気にさせるとか。

簡単にヤル気が上がる「ヤル気スイッチ」のようなものを
期待することも少なくないように見受けられます。

ヤル気の上げ方や、モチベーションの理論など
心理学やマネジメントの分野でも注目される分野のようですし。


僕が思うのは、
 いずれも前提がズレているんじゃないか
ということです。

「どうすればヤル気(モチベーション)が上がるか?」
と問うのは、
そもそも「人はヤル気がない状態が通常」という前提を含みます。

ヤル気が上がらないと、やらない。

あるいは少なくとも
「ヤル気が上がらないと、自分が期待した通りには
 他人が行動してくれない」
という発想を含むはずです。

むしろ逆なんじゃないでしょうか。


つまり、人は放っておけばヤル気は出す。
人は何かをする性質を基本的に持っている、と。

誰かに関わって、その人のヤル気に影響を与えるのは
むしろ『ヤル気を下げる』側のコミュニケーションかもしれません。


ある作業に対して「ヤル気がない」ように見えるのは
そのこと以外のことにヤル気が向いているから。

もしくは全てのことにヤル気がない状態だから。
…こちらは心身が疲れていますから休息が必要なタイミング。

休みが必要ではないのに、特定のことにヤル気が出ていないとすると
それ以外のことに気持ちが向いている、と考えられます。
優先順位が低いんです。

本人の中で優先順位を上げる理由が把握できていない可能性があります。
だとすると理由が伝わっていないわけです。
伝え方の問題が考えられます。


あるいは優先順位の高さが分かっていても
期待するような行動にならないこともある。

スピードが遅いとか、質が足りないとか、自主性がないとか。

このレベルの話だと、本人がやり方を熟知していない懸念があります。
上手くない。
やり方がよく分かっていない。

求められることのレベルを把握していないか
そのレベルが必要な理由が分かっていないか
そのレベルのパフォーマンスを出す技量が足りないか。

だとすると、これはヤル気の問題ではないんです。
やっているんですから。

やり方、パフォーマンスが期待に沿わないだけ。

この場合は、話し合いが求められます。
本人の中に困っているところがあるはずです。

もし困っていないとすると、困らせることが上手くいっていません。

求められる基準があって、そこに達していない。
そして「求められることがあるなら、やらなければいけない」
とは本人も理解はしている。

だとしたら少なからず本人が困っているでしょう。
勉強のヤル気がでない子供なんかは、このケースが多いかもしれません。

何が分かっていて、何が分かっていないのか?
何が分からないのかも分かっていないのか?
何が上手くできないのか?
喜びが分かっていないのか?

そのあたりのことを話し合って共有できれば、
かなり具体的な指導が可能になります。

この段階だと教育・指導が求められるわけです。

ヤル気がないから、やらないんじゃない。
できないから、やらない。

だから、できるようになるサポートが先決です。


そして、上手にできるようになると、一般的には
そこに上達する喜びや、自主的に工夫する喜びが生まれます。

できるようになると、それなりに楽しさが出てくるわけです。

そうすると今度は、
ヤル気を削ぐコミュニケーションが課題になりがちです。

せっかく頑張ったのに頭ごなしに否定されるとか、
自主性を発揮したのに非難されるとか、
頑張っている部分を認めてもらえないとか、
数少ないミスだけを怒られるとか、
その作業以外の部分として、人間関係にストレスが強いとか。

こうなってくると不満が増えます。
以前のようなパフォーマンスが出なくなったり、
それ以上の努力をしようとしなくなったり。

結果は出しているのに、態度が悪くて、職場の雰囲気を壊す…
なんていうときは、ヤル気を削いでいる可能性がありそうです。

こうした範囲は、関わり方の工夫で対処する必要があります。


ポイントは、
 どのレベルで「行動」に繋がっていないのかを判断する
ということでしょう。

「ヤル気」とは、行動の原動力です。

「ヤル気がない」と評価するときには、
その人の行動を元にしているはずです。

本当にヤル気が全く無いとしたら、そこに行きません。
学校にも、会社にも行かない。

来ているということは、ある程度の必要性は理解しているということ。
その先に繋がっていないのが現状だと考えられます。

まずは「分かってもらう」ように伝えられるか。
それから、「できる」ように指導できるか。
その後が、「ヤル気を出して頑張ってくれる」ように
関わり方を工夫できるか。

そんなステップを考慮してもいいんじゃないでしょうか。

いずれかをやっていないとすると、それは
 最低限のヤル気を先に繋げていくプロセスを妨げている
可能性がありそうです。

そういう意味で「ヤル気を削いでいる」とも考えられると思うんです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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