2019年03月22日

自然な催眠

自分がセミナーをやるときには、ある程度の割合で
ちょっとしたエピソードを話します。

半分ぐらいの意図は、講座で説明している内容を分かりやすくする
補足説明としての具体例になっていますが、
もう半分の狙いは、セラピー的な意味でのメタファーです。

その場にいる全員に関連する内容ではなくても
誰かのために、あえてそのエピソードを話す、と。

エピソードの内容としては、同じ題材を
別の機会でも話すこともありますが、
それでも話のボリューム配分や順番を少し工夫して
強調される主旨が変わるように工夫しているつもりです。

そうやって、その場の誰かにとって
悩みや問題への種まきになるようなメタファーを
講座の中に混ぜ込むようにすることが多いんです。


僕がこういうのを心がけるようになったのは
ずっと前にビル・オハンロンのセミナーを受けに行ったとき、
彼が受講生の質問に対して、それをやっていたのを見てからです。

質問に答えている間に、関連するエピソードを全体に説明し始め、
どうやらそれが質問者の問題に対してのメタファーになっている、と。

質問した受講生は決して個人的な悩み相談をしたわけではないですが、
質問をする以上、その前提として何か解決したい部分がある。

上手くいっていないこと、困っていること、
もっと上手くできるようにしたいことがあるはずです。

そしてそこには、さらに解決したいだけの理由があり、
一方で解決を妨げる盲点や、恐れのようなものも伴います。

その盲点や恐れに対して、オハンロンはメタファーで
アプローチをしていたようだったんです。

客観的に見ていると、かなり質問とは離れた内容でしたから
いつの間にか話が逸れているようにも思えそうなところでした。

一方で、質問者の意図を踏まえると、それはセラピーだったようなんです。

オハンロンは、そういうことを頻繁にやっていました。


このビル・オハンロンというセラピストは、
催眠療法家ミルトン・エリクソンの庭師から弟子入りして
長期間にわたる指導を受けていた人です。

オハンロンのエリクソン催眠についての解説本は分かりやすく
とてもスッキリとまとまっている印象です。

最終的には自分なりのやり方を確立して
催眠からは離れたSolution-Oriented Approachに辿り着きますが、
メタファーを使った介入はエリクソンから学んだことなのかもしれません。

エリクソンも同じようなエピソードを何人にも話していたらしく、
同時に、その伝聞を語る人によって、微妙に内容が異なっていたりします。

もしかすると、相手に合わせたメタファーとして
強調するポイントやディテールを変えながら話したのかもしれません。


先日、エリクソンの娘さんの話を聞く機会があったんですが、
どうやらオハンロンがやっていた質問への答え方、つまり
 ちょっと関係なさそうなエピソードで答えつつメタファーで介入する
というのは、エリクソンがよくやっていた答え方でもあり、
それは彼女の解釈では一種の催眠なんだそうです。

もっとも気づかれにくい、自然なアプローチの催眠。
一切の形式を排除しながら、自然にトランスを引き起こし
かつメタファーで無意識的にアプローチをする、と。

そういう解説を聞いてきました。

僕がオハンロンを参考にしてやっていたことは
どうやら催眠の一種ともいえるようです。

個人的には催眠をあまり使わなくなったなぁと思っていたんですが
僕が習ってきた催眠のエッセンスは、やはり自然と生きていたみたいです。

おそらく僕に催眠を教えてくれた先生が
こっそり分からないように種を蒔いておいてくれたんでしょう。

催眠というのは、そうやって知らず知らずのうちに
直接的に場を共有したときに、非言語レベルで伝授されるような
そんな性質があるのかもしれません。

知的なレベル・意識的な理解のレベルでは間接的ですが、
体験学習レベル・無意識的な伝播のレベルでは直接的ともいえる。

そんな学習が起こっていたんだろうと思い返すと
なんだか先生のことが偲ばれます。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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