2009年01月

2009年01月07日

書き初め

今年は書き初めをしました。

書道というほどのものではありませんが、
筆を使って文字を書くことをしたわけです。

筆ペンを使うことはあっても、墨をつけて筆で書くことはしていなかったんです。
筆を持ったのは、名刺用の名前を書いたとき以来です。

気持ちを集中させて文字を書くのは良いですね。
心が静かになります。

最近は美しい字よりも、面白くて味のある字が評価されるようで、
素人でも工夫しながら書を楽しむのが流行っているみたいです。

本屋でも趣味のコーナーにそうした本が目立ちますし、
書道教室でも、いわゆる「お習字」とは違った
楽しみとしての書道を教えてくれるところもあるそうです。

飲食店でも看板やメニューに、筆で書かれた字を使うケースを目にします。
パソコンが一般的になったことで、印刷の文字が普通になってしまったためか、
逆に手書きに近いもののほうが目を引くのかもしれません。

筆跡には個性が如実に表れますから。
筆跡も1つの非言語メッセージだと言えます。


僕の場合、履歴書やアンケートなどを見るときには、
内容以上に書き方のほうへ関心が向いてしまいます。

逆に言えば、非言語メッセージとしての文字には
その人の内面が表れるということですから、
お手本通りの美しい字を目指すのとは別の方向性として
書道によって表現するということもあるわけです。

文字の中にある動きを共感覚的に捉えていけば
そこに音を感じることもできるでしょう。

文字を眺めながら自分の身体感覚に意識を向けていけば
文字というものが人に訴えかけてくる意味合いにも気づける感じがします。

典型的な所で言えば、「喜怒哀楽」という文字は
それぞれ字の形自体に感情が込められているように見えるわけです。

そのあたりを感じ取りながら、筆に内面を込めるようにすると
書道がとても面白いものに感じられました。


小さい頃は、正座が辛かったり、墨をする時間が待てなかったり、
あまり楽しい思い出がありませんでしたが、
無意識との交流ということを考えるようになった今は
字を書くという行為にも感じる部分が増えてきたようです。

そして、久しぶりに筆を持って感じたのは
何も練習をしていなかったのに自然と筆遣いが良くなっている印象です。

色々と無意識とコミュニケーションをとってきたおかげでしょうか。

まぁ、ちょっと値段の高い、良い筆を使ったこともあるんですけど。
コシの強さや、筆先のまとまり方などは筆によって随分と違いますから。

ちなみに、催眠療法家のミルトン・エリクソンも
催眠で自動書記を活用したり、文字の練習を通じて夜尿症を治療したり、
文字に表れる無意識のメッセージを感じ取っていたり、
「書く」という行為を無意識との交流に活用していたところがあります。

文字を書く行為の練習でもある書道には、
自分とのコミュニケーションという意味合いもあるように思えるわけです。

今年は少し書道をやってみようかという気分です。

福

2009年01月05日

通過儀礼

年末からの体調不良は思いのほか長く続いています。
正月の間はずっと熱っぽく、鼻詰まりとノドの痛みがあったんです。

何よりも首と肩の痛みが強く、寝るほどに苦しくなるのが厄介もの。
寝ることで回復を図ろうとしても余計に辛くなるので、なかなか体調が回復しません。

休めるときに体を休めるだけでも大事なことだとは思いますが、
体調が悪いというのは気分の良いものではありませんね。

ただ、少なくとも大晦日から正月の3日間ぐらいは、
ほとんど何も考えずにボーっとできていたので、
心身ともに休めたのではないかと考えています。

あんなに「なんとなく頭が働かない」という状態も滅多になかったですから。
追い込みが大変になりそうな予感。

そんな風に久しぶりに長時間、テレビの前にいることをしていたら
世の中の情勢が様々な形で流れ込んできました。

随分とネガティブな情報を目にします。
不景気やら、雇用問題やらと、専門家の意見が飛び交う光景。
実際にスーパーやコンビニ、飲食店などに行けば、
少しずつ値上がりしていることにも気づきます。

世の中に変化が起きていることを実感するわけです。
多くの人々にとって苦しい変化です。


ところで、NLPや臨床催眠においては「無意識の肯定的意図」というものを考えます。
我々の無意識は自分自身を守るために、すべての行動において
必ずポジティブな意味合いを含んでいる、ということです。

我々は全ての振る舞いを「良かれと思って」やっている。
目を背けたくなるほど嫌いな癖であっても、身体的な症状であっても、
無意識の意図という意味合いにおいては、大切な意味があるわけです。

これに関しては、無意識との交流を続けるほどに実感できるようになっていくもので、
この実感を積み重ねるほどに人を信じられるようになっていく部分があるように思います。

その「肯定的意図」という考え方を拡大していくと、
「自分の身に降りかかった苦しい出来事に対しても肯定的な意味がある」
というような発想が生まれてくるようです。

確かに、失敗や苦しい出来事から何かを学ぶということは良くあります。
それがあって人は成長していく部分もあるでしょう。

ただ、その場合には、失敗や苦しみの後で何かを変えることが前提になります。
次に活かすというのは、同じ失敗を繰り返さないために行動を変えるということです。
…まぁ、それが難しいから多くの人が苦しむわけですが。

そのように「失敗や苦しい出来事から何を学んだか」という発想を持つことは
過去の出来事を受け入れていく上では大切なことです。

僕自身、過去の苦しい出来事があったから今の自分があると思えるものが多々あります。

ここで気をつけなくてはいけないのが、
 出来事を受け入れるにはその出来事を完了させる必要がある
という部分です。

苦しみを味わいつくし、痛みがなくなるまで、そのことと向き合うわけです。
そして、苦しみが過去のこととして受け入れられるようになって初めて、
「あの出来事から何を学んだか?」という発想が持てるようになるんです。

苦しんでいる最中にそういう発想で出来事を無理やり受け入れようとするのは
自分の無意識に対してフタをする行為です。
無理をかけています。

精神分析の言葉で言えば、それは「合理化」をしているに過ぎません。
自己防衛の手段になってしまっています。

そして、同様に苦しい出来事や望ましくない出来事に陥ったとき、
「これには何か肯定的な意図がある」というように考えて
無理矢理ポジティブシンキングに持っていくのも疑問です。

そういう時こそ、目を背けずに苦しみに向き合うことこそ、
本当に必要な学びかもしれません。
それを学ぶことが無意識の肯定的意図かもしれません。

確かに、望ましくない出来事が起きたおかげで別の道が開け、
結果的にもっと素晴らしい方向に進むということはあります。

ただ、それは結果論に過ぎないと思います。
望ましいか、望ましくないかは受け取り方次第で変わるものです。
だからといって、全ての出来事を望ましいものとして受け取ろうと頑張るのも
無意識のバランスに負担をかけることのように考えられます。

「自分にとっては望ましくない結果になってしまった。残念だ。」
「でも、これで次の展開があるかもしれない。」
両方の気持ちがあっていいんです。

残念なのは、それだけ強く望んでいたからでしょう。
その残念な気持ちをしっかり持っている人だからこそ、
別の形になっても前に進もうと行動を起こせるのではないでしょうか。

ところが望ましくない結果になってしまったことへ
無理矢理に肯定的意図を探し出そうとしてしまうと、
別の良いことが起きるのを待っているような姿勢になる可能性があります。

望ましくない出来事に苦しんだ人こそ、
別の行動を起こすだけの力を生み出せるような気がします。

上手くいかないときには、何かを変えることが大事だということです。

自分の身に降りかかった苦しい出来事。
出来事そのものに肯定的意図があるわけではないと思うんです。

苦しい出来事という結果を生み出す自分の行動を変えるための学びのチャンス。
それこそが、その出来事の意味だろうと思います。


今まで上手くいってきたパターンは、
それが上手くいくほど偏っているものです。
得意だというのは極端に偏った個性が状況に適しているということです。

状況が変われば上手くいかないことも出てきて当然です。
ある状況で上手くいく行動パターンや能力は、
逆のパターンが望まれる状況では逆効果になるわけです。

どんなことでも一人で頑張って乗り切ってきた人は
自分一人の力では対処できない事態に陥ったときに苦しみます。
自分の力で頑張るという特性が強過ぎると、人に頼るという特性が不足するんです。

自分にとって望ましくない結果が起きたとき、
それは今までのやり方ではない、別の方法が求められる場面かもしれません。

人には個性があります。
それは偏りと言ってもいいものです。

その偏りが上手く機能する場所を見つけるのが個性を活かすということでしょう。

ただ、それだけでは上手くいかない時もあるんです。
偏りを緩めて、個性とは逆のパターンを学ぶタイミングもあるわけです。

偏りが強くなれば、逆方向に振られる。
シンプルに言えば、そういうことです。

昔の生活では、職業的にも世襲性があったり、
世の中の価値も現在ほど多様ではなかったはずです。

そうした生き方をしていれば、ある程度の時期に必要な学びがあったと考えられます。
文化的に共通する多くの人に、同じような時期に起きやすい望ましくない出来事。
それに対応するための風習が、通過儀礼として行われていたのでしょう。

現在の不景気や金融危機というのも、同じようなものだと思います。
世の中の方向性を作ってきた人たちが、今までのやり方に偏り過ぎたんです。

今までのパターンでは上手くいかなくなってきた。
別の方向性が求められるようになってきた。

苦しい状況にある人々ほど、学ぶべきことがあるということです。
今までと違う方向性に気づくチャンスだということです。

偏りすぎたら、逆方向に戻る時期なのかもしれません。

cozyharada at 18:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!NLP | 全般

2009年01月04日

新年のご挨拶

あけまして、おめでとうございます。

2007年は僕にとって、情報を拡げる年でした。
2008年、その拡がりがまとまり始めました。
情報が全体的なまとまりをもって整理されてきている実感があります。

拡げた部分に高さが出てきたという印象。
2009年は、この「高さ」を強調していきたいと考えています。

その一方で、個人的には情報の範囲を拡大する方向を意識しています。
アウトプットにも効果が出れば面白いですね。

色々と企てるつもりですので、本年もよろしくお願いします。

寿

















     年賀のあいさつ代わりに


2008年の間にも多くの方々と出会うことができました。
そうした方々の顔を覚えられることが何よりの喜びのように感じています。

僕にとって、顔が覚えられることは大切な要素です。
セミナーをやるにしても、顔が覚えられない人数は好みではありません。

顔と名前の両方を覚えるのは自信がないですが、
出会った人と、すれ違った人の区別はつくつもりです。

顔見知り、
それが1つの財産に思えるわけです。

思い返すと、僕の通っていた小学校、中学校の生徒数は600人ぐらいでした。
全員との関わりなんてありません。
それどころか、同じ学年の人でさえ顔を知らないこともありました。
卒業アルバムには一言も話したことのない人が大勢写っています。

高校では1学年が600人ぐらいに増えましたが、3年間クラス替えが無かったので
2000人近くがいる校舎の中に顔見知りは100人もいなかったはずです。

その期間で知り合ってきた人たちと同じくらいの人数と
一年間で知り合えるようになった。
これは驚きです。

今年は一体どんな方と出会えるのでしょうか。
ますます楽しみな一年です。

おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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