2014年08月
2014年08月11日
マネジメントとリーダーシップ
組織心理学では「リーダーシップ」と「マネジメント」は別物と考えます。
マネジメントは「管理する」のがメインですから、
イメージとしては混乱している状況を整理して安定させる感じ。
リーダーシップは「活性化する」のがメインで、
メンバーそれぞれのエネルギーを動かして１つの方向に向ける感じ。
どちらも目的意識はあります。
マネジメントにゴール設定を組み込めば、
全員が同じゴールに向かうように「管理する」ことも可能です。
その意味では、マネジメントでもリーダーシップでも
組織全体をゴールの方向へ「導く（リードする）」ために使われる、といえます。
ただ、本質的には
・マネジメントは管理のもとで安定した運営が行われるように全体を整理する
・リーダーシップは組織がゴールへと向かうようにメンバーを活性化する
のように、
管理／整理なのか、活性化なのか
といった違いがある、とされます。
静かで秩序的なのか、活発で自発的なのか、といった感じでしょうか。
リーダーシップが発揮された場合にも、全体がまとまることはありますが
それは目標意識のために力が１つの方向に向いているということで
全体が均一になっているわけではありません。
皆が１つに向かって「ウォー！」と進んでいくようなイメージが浮かびます。
それに対してマネジメントでは
管理を行き届かせるためにルールや仕組みが使われます。
一糸乱れぬ統率…なんていうのはマネジメントのイメージに近いようです。
マネジャーの目指す方向性に向かっていく仕組み・構造を作って
トップダウンで全体を制御していくのがマネジメント、
組織の目指す方向性に向かっていくようにメンバーの力を引き出して
ボトムアップで全体に動きを生まれさせるのがリーダーシップ、
のように表現することもできるかもしれません。
もちろん、これはあくまで分類であって
１つの組織の中で両方が用いられているわけですし、
マネジャーとリーダーが兼任されていることもあります。
例えば、リーダーが組織のゴールやビジョンを設定して
そこに向かっていくように全体の組織構造を作って責任を分配して
全体が効率的に運営されるようにするのは「管理」の意味合いを持ちますから、
この場合、リーダーはマネジメントの側面を強く発揮しているといえるでしょう。
ここでポイントになるのは、
トップダウンで管理するか
ボトムアップで活性化するか
という傾向の度合い。
マネジメントとかリーダーシップとかいった用語は
ただの呼び名ですから別に重要ではありませんし、
どちらが優れているといえるものでもないでしょう。
目的や意図に沿っていれば、どちらも有効だと考えられます。
ただし、トップダウンの管理とボトムアップの活性化の違いは
最終的に組織が進んでいく方向性にも影響するので重要ではないでしょうか。
トップダウンで管理をする場合、
組織全体のゴールの方向性やビジョンも責任者が設定できます。
メンバーの動き方に関しても、マネジャーの意図した形にできます。
組織の最高責任者がマネジメント的に関わる場合、原則的には
全体がその人の望む方向性、意図した形にコントロールされるわけです。
一方、ボトムアップで活性化すると、それぞれのメンバーが持ち味を発揮し始め、
全員の望むものが組織全体としてのゴールやビジョンに反映されて
自然と新たな動きが生まれてくることがあります。
活発だからこそ予想外のことも起きて、
最高責任者の想定していたことと違った形で上手くいき始める。
積極的なアイデアと行動が、新たな方向性を生むことさえあるかもしれません。
そうなると、組織は自発的に変化を始め
最高責任者のコントロールの範囲には収まらなくなります。
ボトムアップで活性化して、全体の自発性を優先すると
トップはコントロールする立場ではなくなるということです。
ここが実に大きい。
自分が方針を立て、自分がトップとして、自分の思い描いたビジョンに向かって、
自分の思い通りに組織が動いてくれる…
そんな願望がある場合には葛藤が生まれます。
特に自分が会社を立ち上げた、なんていう場合には、その奥に
自分の能力への自信や、思い通りにしたい願望が含まれることが多いものです。
そうした人たちが、ボトムアップで活性化するリーダーシップを発揮したら、
部下の中から自分の能力を超える人物が表れてきたり、
自分の想定していたのとは違う魅力的なビジネスが生まれたり、
思いもよらなかったアイデアが実行されたり…
様々な形で、自分の能力への自信やコントロール願望が打ち砕かれてしまう。
自らの存在意義への危機感が生まれかねないわけです。
リーダーと呼ばれる人には、このあたりの課題があると考えられます。
意外と、器が大きいだけで自分は何もせずに任せっきり、というほうが
気楽にリーダーシップを発揮できるのかもしれません。
マネジメントは「管理する」のがメインですから、
イメージとしては混乱している状況を整理して安定させる感じ。
リーダーシップは「活性化する」のがメインで、
メンバーそれぞれのエネルギーを動かして１つの方向に向ける感じ。
どちらも目的意識はあります。
マネジメントにゴール設定を組み込めば、
全員が同じゴールに向かうように「管理する」ことも可能です。
その意味では、マネジメントでもリーダーシップでも
組織全体をゴールの方向へ「導く（リードする）」ために使われる、といえます。
ただ、本質的には
・マネジメントは管理のもとで安定した運営が行われるように全体を整理する
・リーダーシップは組織がゴールへと向かうようにメンバーを活性化する
のように、
管理／整理なのか、活性化なのか
といった違いがある、とされます。
静かで秩序的なのか、活発で自発的なのか、といった感じでしょうか。
リーダーシップが発揮された場合にも、全体がまとまることはありますが
それは目標意識のために力が１つの方向に向いているということで
全体が均一になっているわけではありません。
皆が１つに向かって「ウォー！」と進んでいくようなイメージが浮かびます。
それに対してマネジメントでは
管理を行き届かせるためにルールや仕組みが使われます。
一糸乱れぬ統率…なんていうのはマネジメントのイメージに近いようです。
マネジャーの目指す方向性に向かっていく仕組み・構造を作って
トップダウンで全体を制御していくのがマネジメント、
組織の目指す方向性に向かっていくようにメンバーの力を引き出して
ボトムアップで全体に動きを生まれさせるのがリーダーシップ、
のように表現することもできるかもしれません。
もちろん、これはあくまで分類であって
１つの組織の中で両方が用いられているわけですし、
マネジャーとリーダーが兼任されていることもあります。
例えば、リーダーが組織のゴールやビジョンを設定して
そこに向かっていくように全体の組織構造を作って責任を分配して
全体が効率的に運営されるようにするのは「管理」の意味合いを持ちますから、
この場合、リーダーはマネジメントの側面を強く発揮しているといえるでしょう。
ここでポイントになるのは、
トップダウンで管理するか
ボトムアップで活性化するか
という傾向の度合い。
マネジメントとかリーダーシップとかいった用語は
ただの呼び名ですから別に重要ではありませんし、
どちらが優れているといえるものでもないでしょう。
目的や意図に沿っていれば、どちらも有効だと考えられます。
ただし、トップダウンの管理とボトムアップの活性化の違いは
最終的に組織が進んでいく方向性にも影響するので重要ではないでしょうか。
トップダウンで管理をする場合、
組織全体のゴールの方向性やビジョンも責任者が設定できます。
メンバーの動き方に関しても、マネジャーの意図した形にできます。
組織の最高責任者がマネジメント的に関わる場合、原則的には
全体がその人の望む方向性、意図した形にコントロールされるわけです。
一方、ボトムアップで活性化すると、それぞれのメンバーが持ち味を発揮し始め、
全員の望むものが組織全体としてのゴールやビジョンに反映されて
自然と新たな動きが生まれてくることがあります。
活発だからこそ予想外のことも起きて、
最高責任者の想定していたことと違った形で上手くいき始める。
積極的なアイデアと行動が、新たな方向性を生むことさえあるかもしれません。
そうなると、組織は自発的に変化を始め
最高責任者のコントロールの範囲には収まらなくなります。
ボトムアップで活性化して、全体の自発性を優先すると
トップはコントロールする立場ではなくなるということです。
ここが実に大きい。
自分が方針を立て、自分がトップとして、自分の思い描いたビジョンに向かって、
自分の思い通りに組織が動いてくれる…
そんな願望がある場合には葛藤が生まれます。
特に自分が会社を立ち上げた、なんていう場合には、その奥に
自分の能力への自信や、思い通りにしたい願望が含まれることが多いものです。
そうした人たちが、ボトムアップで活性化するリーダーシップを発揮したら、
部下の中から自分の能力を超える人物が表れてきたり、
自分の想定していたのとは違う魅力的なビジネスが生まれたり、
思いもよらなかったアイデアが実行されたり…
様々な形で、自分の能力への自信やコントロール願望が打ち砕かれてしまう。
自らの存在意義への危機感が生まれかねないわけです。
リーダーと呼ばれる人には、このあたりの課題があると考えられます。
意外と、器が大きいだけで自分は何もせずに任せっきり、というほうが
気楽にリーダーシップを発揮できるのかもしれません。
2014年08月08日
セミナー予定：ポジティブ心理学
講座の予告です。
９月７日（日）に『ポジティブ心理学』の講座を開催します。
９月２１日（日）にも近い内容を扱います。
（一部重複しますが、別のテーマになります。）
珍しいことに、あまり体験型ではありません。
知識を身につける趣旨です。
とはいえ、一方的に説明をするタイプのセミナーではなく
ご自分で考えてもらったり、ご自身の実生活と結びつけるように
実習の時間は工夫していきます。
内容は心理学の知見です。
一般論です。
誰にでもそれなりに役に立つ。
それが最大のメリットでしょう。
にもかかわらず、日本ではポジティブ心理学があまり知られていないようです。
心理学の中では実用的な側面に注目する度合いが高いといえます。
大雑把にいえば、
どういう特徴を持った人が幸福度が高いか
といった話ですが、
細かく見ていくと、幸福度を高めるコツも紹介されます。
とりわけ、日常的に心がける習慣によって
自分自身を楽な状態で安定させやすくなりますし、また
組織に対しても好影響を及ぼせるようになると期待されます。
ただしこれで、何でも問題が解決するわけではありません。
全体的な傾向として精神的土台を安定させる効果を狙うものです。
自分自身、他者、あるいは集団に対して、
どのように関わるかを考える上での１つの指標としても活用できるはずです。
もしかすると一般論過ぎると感じることもあるかもしれません。
しかし、一般論だからこそ不特定多数向けの情報として
知っておくのは役に立つと思います。
一人ひとりに対して細かくコツを伝えながらトレーニングした場合、
その効果はとても大きくなりますし
そのときの課題に必要なことをピンポイントで扱うこともできますが、
反面、とっつきにくい印象も生まれやすいものです。
一方、不特定多数向けの一般論であれば
多くの人にとって取り掛かりやすく、無難に効果が得られます。
濃密に修行をして自分の課題と正面から向き合っていくか、
それとも
万人向けの教えを日々のなかで実践していくか。
…そんな違いだといえそうです。
つまりポジティブ心理学は『万人向けの教え』として有効だろう、ということです。
過激さもないし、修業的なストイックさもない。
ちょっとしたコツのような印象を受けます。
例えば、NLPやセラピーの技法ともなると大掛かり過ぎて
会社の同僚へは気軽に勧めにくいと感じる場合もあるかもしれませんが、
ポジティブ心理学の知見は、気軽に人へ伝えられるものでもあります。
言い換えれば、気軽に日常で実践してみることで
少しずつ効果をあげていく、といった具合。
講座の特徴についても、普段の講座が参加している間だけでも
トレーニング効果を生むように狙っているのに対して、
こちらの講座では知識を得て、日々の実践に役立ててもらう趣旨だともいえます。
普段から役立てる知恵として捉えていただけると良いかと思います。
詳細なご案内は後日に予定しています。
９月７日（日）に『ポジティブ心理学』の講座を開催します。
９月２１日（日）にも近い内容を扱います。
（一部重複しますが、別のテーマになります。）
珍しいことに、あまり体験型ではありません。
知識を身につける趣旨です。
とはいえ、一方的に説明をするタイプのセミナーではなく
ご自分で考えてもらったり、ご自身の実生活と結びつけるように
実習の時間は工夫していきます。
内容は心理学の知見です。
一般論です。
誰にでもそれなりに役に立つ。
それが最大のメリットでしょう。
にもかかわらず、日本ではポジティブ心理学があまり知られていないようです。
心理学の中では実用的な側面に注目する度合いが高いといえます。
大雑把にいえば、
どういう特徴を持った人が幸福度が高いか
といった話ですが、
細かく見ていくと、幸福度を高めるコツも紹介されます。
とりわけ、日常的に心がける習慣によって
自分自身を楽な状態で安定させやすくなりますし、また
組織に対しても好影響を及ぼせるようになると期待されます。
ただしこれで、何でも問題が解決するわけではありません。
全体的な傾向として精神的土台を安定させる効果を狙うものです。
自分自身、他者、あるいは集団に対して、
どのように関わるかを考える上での１つの指標としても活用できるはずです。
もしかすると一般論過ぎると感じることもあるかもしれません。
しかし、一般論だからこそ不特定多数向けの情報として
知っておくのは役に立つと思います。
一人ひとりに対して細かくコツを伝えながらトレーニングした場合、
その効果はとても大きくなりますし
そのときの課題に必要なことをピンポイントで扱うこともできますが、
反面、とっつきにくい印象も生まれやすいものです。
一方、不特定多数向けの一般論であれば
多くの人にとって取り掛かりやすく、無難に効果が得られます。
濃密に修行をして自分の課題と正面から向き合っていくか、
それとも
万人向けの教えを日々のなかで実践していくか。
…そんな違いだといえそうです。
つまりポジティブ心理学は『万人向けの教え』として有効だろう、ということです。
過激さもないし、修業的なストイックさもない。
ちょっとしたコツのような印象を受けます。
例えば、NLPやセラピーの技法ともなると大掛かり過ぎて
会社の同僚へは気軽に勧めにくいと感じる場合もあるかもしれませんが、
ポジティブ心理学の知見は、気軽に人へ伝えられるものでもあります。
言い換えれば、気軽に日常で実践してみることで
少しずつ効果をあげていく、といった具合。
講座の特徴についても、普段の講座が参加している間だけでも
トレーニング効果を生むように狙っているのに対して、
こちらの講座では知識を得て、日々の実践に役立ててもらう趣旨だともいえます。
普段から役立てる知恵として捉えていただけると良いかと思います。
詳細なご案内は後日に予定しています。
2014年08月06日
書道とコミュニケーション
ここ数日、諸事情があって筆を握る時間が増えています。
書道です。
普段から週に一回、書道教室に通っていて
そこの宿題があるので、週に数時間は練習をしています。
とはいえ、平均すると一週間に３時間ぐらい。
宿題の量が少ない時は、１時間ぐらいで終わってしまいます。
それは先生のお手本を見ながら書くからです。
真似をするだけ。
もちろん、真似を通じて学んでいるわけですから
その時間も大切な練習になっているはずです。
先生と全く同じにできるのでもありません。
近づけるように頑張る。
ただ、もう５年近くやっていますし、
その間、他のどの生徒よりも先生の書き方を細かく見ていた自信と
先生の書き方を細かく真似する努力をしてきた自信がありますから、
それなりに「真似をする」のは上手くなってきた気がします。
僕の先生の指導法は、生徒の目の前でお手本を書いてくれて、
それを宿題にして生徒に書いて持ってこさせ、
生徒が書いたものに対して赤で直しを入れてくれる、というスタイル。
…もうこの繰り返しです。
ですが、良いのか悪いのか、僕が赤で直されることは滅多にありません。
多分、何カ月も赤が入っていないと思います。
その分、僕にとっての指導内容は、先生が書いているところを観察すること。
そして、自分の練習した４枚ぐらい（同じもの）の中から、
一番よくできているものを先生が選ぶところを観察すること。
つまり、良い作品を見極める審美眼を養うために、
先生の選ぶ基準を盗むのが最近の課題になっているということです。
真似をして書くのには慣れてきて時間もかからなくなってきたけれど
自分の書いたものの中でどれが良いかを判断するのは難しい。
そんな状態だといえます。
一方、ここ数日の間に筆をもつ時間が増えたのは
教室の宿題が理由ではありません。
ちょっと人から頼まれたんです。
「書いて」と。
この場合、お手本はありません。
何かを見て、真似をして書くわけではないんです、当然ですが。
ですから、「何が良いか」という自分の審美眼を使いながら
自分で構成を考えて、実際に書いてみる作業が必要になります。
書く前からイメージがあれば良いんでしょうけれど、
全体の統一感を出しながら、筆使いのバリエーションを考え、
どういう線質をどの部分に使って、どういう雰囲気を出すか…
といった沢山のことを事前に想定するのは、今の僕には厳しいです。
そのため、
色々なバリエーションで書いてみる
→ 書き上がったものを自分で判断してみる
→ どうしたら良さそうかをイメージする
→ その想定で書きなおしてみる （→）
…という繰り返しをすることになります。
この全体の感じだったら、この部分の文字はこういう形のほうが良いか、とか
やっぱりこの線のかすれ具合を、この部分に入れたほうが良さそうだ、とか
書いたものを入れ替えながらでしか検討作業ができないみたいです。
慣れてくれば頭の中でイメージするだけで進むんでしょうが
僕の現状はそのレベルではありません。
自分のパフォーマンスを客観的に見て評価するためには
一度、目で見られる形に書きあげる必要があるようです。
書いては眺め、修正しては眺め…
思いつきで書いたこっちのバランスが良さそうだと思えば、
その書き方を取り入れて書きなおし…。
そんな繰り返しをしていますから、とにかく時間がかかります。
パソコンだったら、「 CTRL + Z 」で１操作分を元に戻せますが
墨で書いているとそうはいきません。
やたらと書きなおす量が多くなります。
しかも、お手本を見ながら、という逃げ場がないため
なかなか自分の先入観の範囲を出られないんです。
先生のお手本が自分の想定と違っても、
「あぁ、こういうバランスの取り方もあるんだ」と納得して
それを真似するように書くことができます。
この場合、不自然さを感じることはありません。
ところが自分でバランスのとり方を工夫しようとすると
自分にとって当然と感じられる範囲の中でしか工夫できない。
この壁は大きいものだと実感します。
試しにあり得ないぐらいに大きくバランスを変えて試してみて、
書いている途中の気持ち悪さを抑え込んで書き上がったものを眺める。
すると案の定ヒドイのもあれば、
意外に「あぁ、こういうのもアリか…」というのも見つかります。
どうやら「どういうのが良いか」を判断する基準そのものは
これまでのなんとなくの繰り返しで少しずつ磨かれてきていたみたいです。
ただし、その判断するプログラムは、
書き上がったものを見たときにしか働かないようなので、
最初から良さそうなアイデアを出してくれるものではありません。
書くときと、書き上がったものをみるときでは
使っている判断基準（つまりプログラム）が違っているのでしょう。
書く作業の途中では、
頭の中の１つのイメージ（もしくはお手本）と近いかどうかを基準にする。
適当に書いているのではなくて、見本に近づけようとして書くわけです。
一方、書いたものを見て判断する段階では、
紙の上に載っている白と黒のバランス、形としてのバランスだけに注目して、
それが今までに知っているものと似ているかどうかとは無関係に
純粋に良いバランスかどうかを基準としているようです。
書いている間には似ているかどうかを気にしているのに、
書き終わったらバランスの良さのほうを気にするようになる。
そんな使い分けがあるんだと実感します。
一度書いたものを眺めて、「こういうバランスも良いな」と感じると
その新たなバランスのイメージが見本として設定されて、
そのイメージ見本に似ているかどうかを気にしながら書く段階に移る。
細かく自分を観察すると、そんな使い分けがあることに気づきます。
これがきっと、似ているかどうかを基準とするのではなく、
「バランスを基準にしながら書く」ということができるようになると
もっと自然に、楽に、早く書けるようになるんじゃないかと思われます。
なんだかコミュニケーションに通じるところがある気がします。
多くの人は、知らないうちに作り上げた自分の標準的なスタイルがあって、
それと同じように（似せるようにして）コミュニケーションを行います。
その標準的なスタイルから外れるのが不快なんです。
練習をするのであれば、自分にとってはあり得ないように
大袈裟なほど違うやり方でコミュニケーションをしてみるのが役立ちます。
上手くいかないこともあるでしょうが、
ちょうど書道で「あ、こんなバランスの取り方もアリか…」というのと同様に、
「へー、こんな関わり方をしても意外とスムーズに成立するんだ」と
新たな発見が生まれることもあります。
ここでは自分の取ったコミュニケーションを客観的に振り返るのが必要です。
頭の中のイメージを紙に書いてから眺めるのと似ています。
コミュニケーションでも客観性を上げたければ、ビデオ撮影も良いでしょう。
そしてコミュニケーションの最中から自分を客観的に観察できるようになると
実際に他者とかかわっている間から、相手との関係性を気にしつつ
自分のコミュニケーションの方法を工夫できるようになるわけです。
つまり…。
【書道】 自分にとっての文字の標準形とは、あえて違ったものを書いてみる
⇔【人間関係】 自分が普段しない関わり方をやってみる
↓
【書道】 自分の書いてみたものを眺めてみて、バランスを基準に判断する
→「あぁ、こういうバランスの取り方もアリだな」と感じる
⇔【人間関係】 自分がやってみた関わり方の影響を、相手の反応で調べる
→「あぁ、こういう関わり方でも大丈夫なんだ」と分かる
↓
【書道】 お手本や自分のイメージに似ているかどうかを基準とせずに
全体のバランスが良いかどうかを基準にしながら
書いている途中で柔軟に工夫できるようになる
⇔【人間関係】 自分が普段しているコミュニケーションの安心感ではなく、
相手へ与える影響を基準にしながら、
自分の振る舞いを柔軟に選べるようになる
といった関係性です。
そういえば、コミュニケーションを勉強していた時期にも、
「こういう関わり方が望ましい」という見本を教わって
それに近づけられるかどうかを基準としていたことがありました。
まるで書道で、先生のお手本にどれだけ似せられるか、のようなことでした。
ですが今、コミュニケーションにおいては、良い方法を基準とするのではなく
相手への影響を予測・観察しながら柔軟に変えていくスタイルになってきました。
書道では、全体のバランスを予測・観察しながら柔軟に書きかえる、
というのがまだ難しいんだろうと感じます。
なぜ、書道ではそちらの上達が遅かったのか？
答えはシンプルでしょう。
目的がなかったから。
コミュニケーションでは常に狙いがありました。
「この関係性をどうしたいか？」と、いつも自分に問いかけていました。
でも書道では真似しかしていなかった。
「どういう表現をしたいか？」と考えていなかったんです。
それはお手本を真似する行為ではなく
自分で何かを書いてみるということに当たります。
ちょうど今、その機会が得られたようです。
目的を持って書く理由がある。
やっと意味のある実践をし始めたところなのかもしれません。
書道です。
普段から週に一回、書道教室に通っていて
そこの宿題があるので、週に数時間は練習をしています。
とはいえ、平均すると一週間に３時間ぐらい。
宿題の量が少ない時は、１時間ぐらいで終わってしまいます。
それは先生のお手本を見ながら書くからです。
真似をするだけ。
もちろん、真似を通じて学んでいるわけですから
その時間も大切な練習になっているはずです。
先生と全く同じにできるのでもありません。
近づけるように頑張る。
ただ、もう５年近くやっていますし、
その間、他のどの生徒よりも先生の書き方を細かく見ていた自信と
先生の書き方を細かく真似する努力をしてきた自信がありますから、
それなりに「真似をする」のは上手くなってきた気がします。
僕の先生の指導法は、生徒の目の前でお手本を書いてくれて、
それを宿題にして生徒に書いて持ってこさせ、
生徒が書いたものに対して赤で直しを入れてくれる、というスタイル。
…もうこの繰り返しです。
ですが、良いのか悪いのか、僕が赤で直されることは滅多にありません。
多分、何カ月も赤が入っていないと思います。
その分、僕にとっての指導内容は、先生が書いているところを観察すること。
そして、自分の練習した４枚ぐらい（同じもの）の中から、
一番よくできているものを先生が選ぶところを観察すること。
つまり、良い作品を見極める審美眼を養うために、
先生の選ぶ基準を盗むのが最近の課題になっているということです。
真似をして書くのには慣れてきて時間もかからなくなってきたけれど
自分の書いたものの中でどれが良いかを判断するのは難しい。
そんな状態だといえます。
一方、ここ数日の間に筆をもつ時間が増えたのは
教室の宿題が理由ではありません。
ちょっと人から頼まれたんです。
「書いて」と。
この場合、お手本はありません。
何かを見て、真似をして書くわけではないんです、当然ですが。
ですから、「何が良いか」という自分の審美眼を使いながら
自分で構成を考えて、実際に書いてみる作業が必要になります。
書く前からイメージがあれば良いんでしょうけれど、
全体の統一感を出しながら、筆使いのバリエーションを考え、
どういう線質をどの部分に使って、どういう雰囲気を出すか…
といった沢山のことを事前に想定するのは、今の僕には厳しいです。
そのため、
色々なバリエーションで書いてみる
→ 書き上がったものを自分で判断してみる
→ どうしたら良さそうかをイメージする
→ その想定で書きなおしてみる （→）
…という繰り返しをすることになります。
この全体の感じだったら、この部分の文字はこういう形のほうが良いか、とか
やっぱりこの線のかすれ具合を、この部分に入れたほうが良さそうだ、とか
書いたものを入れ替えながらでしか検討作業ができないみたいです。
慣れてくれば頭の中でイメージするだけで進むんでしょうが
僕の現状はそのレベルではありません。
自分のパフォーマンスを客観的に見て評価するためには
一度、目で見られる形に書きあげる必要があるようです。
書いては眺め、修正しては眺め…
思いつきで書いたこっちのバランスが良さそうだと思えば、
その書き方を取り入れて書きなおし…。
そんな繰り返しをしていますから、とにかく時間がかかります。
パソコンだったら、「 CTRL + Z 」で１操作分を元に戻せますが
墨で書いているとそうはいきません。
やたらと書きなおす量が多くなります。
しかも、お手本を見ながら、という逃げ場がないため
なかなか自分の先入観の範囲を出られないんです。
先生のお手本が自分の想定と違っても、
「あぁ、こういうバランスの取り方もあるんだ」と納得して
それを真似するように書くことができます。
この場合、不自然さを感じることはありません。
ところが自分でバランスのとり方を工夫しようとすると
自分にとって当然と感じられる範囲の中でしか工夫できない。
この壁は大きいものだと実感します。
試しにあり得ないぐらいに大きくバランスを変えて試してみて、
書いている途中の気持ち悪さを抑え込んで書き上がったものを眺める。
すると案の定ヒドイのもあれば、
意外に「あぁ、こういうのもアリか…」というのも見つかります。
どうやら「どういうのが良いか」を判断する基準そのものは
これまでのなんとなくの繰り返しで少しずつ磨かれてきていたみたいです。
ただし、その判断するプログラムは、
書き上がったものを見たときにしか働かないようなので、
最初から良さそうなアイデアを出してくれるものではありません。
書くときと、書き上がったものをみるときでは
使っている判断基準（つまりプログラム）が違っているのでしょう。
書く作業の途中では、
頭の中の１つのイメージ（もしくはお手本）と近いかどうかを基準にする。
適当に書いているのではなくて、見本に近づけようとして書くわけです。
一方、書いたものを見て判断する段階では、
紙の上に載っている白と黒のバランス、形としてのバランスだけに注目して、
それが今までに知っているものと似ているかどうかとは無関係に
純粋に良いバランスかどうかを基準としているようです。
書いている間には似ているかどうかを気にしているのに、
書き終わったらバランスの良さのほうを気にするようになる。
そんな使い分けがあるんだと実感します。
一度書いたものを眺めて、「こういうバランスも良いな」と感じると
その新たなバランスのイメージが見本として設定されて、
そのイメージ見本に似ているかどうかを気にしながら書く段階に移る。
細かく自分を観察すると、そんな使い分けがあることに気づきます。
これがきっと、似ているかどうかを基準とするのではなく、
「バランスを基準にしながら書く」ということができるようになると
もっと自然に、楽に、早く書けるようになるんじゃないかと思われます。
なんだかコミュニケーションに通じるところがある気がします。
多くの人は、知らないうちに作り上げた自分の標準的なスタイルがあって、
それと同じように（似せるようにして）コミュニケーションを行います。
その標準的なスタイルから外れるのが不快なんです。
練習をするのであれば、自分にとってはあり得ないように
大袈裟なほど違うやり方でコミュニケーションをしてみるのが役立ちます。
上手くいかないこともあるでしょうが、
ちょうど書道で「あ、こんなバランスの取り方もアリか…」というのと同様に、
「へー、こんな関わり方をしても意外とスムーズに成立するんだ」と
新たな発見が生まれることもあります。
ここでは自分の取ったコミュニケーションを客観的に振り返るのが必要です。
頭の中のイメージを紙に書いてから眺めるのと似ています。
コミュニケーションでも客観性を上げたければ、ビデオ撮影も良いでしょう。
そしてコミュニケーションの最中から自分を客観的に観察できるようになると
実際に他者とかかわっている間から、相手との関係性を気にしつつ
自分のコミュニケーションの方法を工夫できるようになるわけです。
つまり…。
【書道】 自分にとっての文字の標準形とは、あえて違ったものを書いてみる
⇔【人間関係】 自分が普段しない関わり方をやってみる
↓
【書道】 自分の書いてみたものを眺めてみて、バランスを基準に判断する
→「あぁ、こういうバランスの取り方もアリだな」と感じる
⇔【人間関係】 自分がやってみた関わり方の影響を、相手の反応で調べる
→「あぁ、こういう関わり方でも大丈夫なんだ」と分かる
↓
【書道】 お手本や自分のイメージに似ているかどうかを基準とせずに
全体のバランスが良いかどうかを基準にしながら
書いている途中で柔軟に工夫できるようになる
⇔【人間関係】 自分が普段しているコミュニケーションの安心感ではなく、
相手へ与える影響を基準にしながら、
自分の振る舞いを柔軟に選べるようになる
といった関係性です。
そういえば、コミュニケーションを勉強していた時期にも、
「こういう関わり方が望ましい」という見本を教わって
それに近づけられるかどうかを基準としていたことがありました。
まるで書道で、先生のお手本にどれだけ似せられるか、のようなことでした。
ですが今、コミュニケーションにおいては、良い方法を基準とするのではなく
相手への影響を予測・観察しながら柔軟に変えていくスタイルになってきました。
書道では、全体のバランスを予測・観察しながら柔軟に書きかえる、
というのがまだ難しいんだろうと感じます。
なぜ、書道ではそちらの上達が遅かったのか？
答えはシンプルでしょう。
目的がなかったから。
コミュニケーションでは常に狙いがありました。
「この関係性をどうしたいか？」と、いつも自分に問いかけていました。
でも書道では真似しかしていなかった。
「どういう表現をしたいか？」と考えていなかったんです。
それはお手本を真似する行為ではなく
自分で何かを書いてみるということに当たります。
ちょうど今、その機会が得られたようです。
目的を持って書く理由がある。
やっと意味のある実践をし始めたところなのかもしれません。
2014年08月02日
【セミナー】グループとのコミュニケーション
ご案内： ８月１７日（日）開催
コミュニケーション講座 〜グループ・コミュニケーション〜
８月の講座のご案内です。
この講座では主にコミュニケーション技術のトレーニングを行います。
ただし、「多数」を相手にしたコミュニケーションです。
２人以上と同時に関わる場面を想定してトレーニングしますが、
人数そのものはあまり関係がありません。
２人でも５０人でも、やることの本質には違いがないといえます。
ただし、コミュニケーションとして心がける内容は
関わる相手の人数が増えるにつれて比重が変わっていきます。
当たり前と思われるかもしれませんが、
少人数のグループであれば顔を見ながら一対一の対応の度合いが高く、
数百人、数千人規模の聴衆となれば全体への影響に重きがおかれます。
つまり、
・個別対応で一人一人に合わせる
・全体の状態をコントロールする
という大きな２つの方向性を想定して、
状況に応じて比重を変えていくスタイルです。
あくまでトレーニング段階の話としては、
本人にとって両方がバランスよく含まれる人数を想定しながら練習すると
２つの方向性をどちらも向上させることができるはずです。
（一般的には１０人弱から２０人ぐらいでしょうか）
もちろん、本人の持ち味によって、どちらを優先すると上手くいくかが異なります。
５０人ぐらいでも個別対応を心がける人もいますし、
５、６人でも１つの全体として扱おうとする人もいます。
得意・不得意と好みの問題です。
人によって持ち味が発揮されやすくて、やりやすい場面とスタイルがあるんです。
例えば、
数百人・数千人の前のステージで聴衆全体を一気に盛り上げられる人は
少人数の会議で一人一人の意見を聞きながら進行するのは疲れるでしょう。
逆に、一対一の対応を好む人は、大人数の前というだけで嫌だったりします。
しかし、それは「一対一の対応」というコミュニケーションのスタイルが
大勢からの圧力を必要以上に高めてしまっているためだともいえます。
１０人ぐらいまでなら、むしろ、個別対応の工夫で持ち味を活かすことも可能です。
つまり、
・持ち味として「やりやすい作業」、「魅力が発揮される場面」が違う
・持ち味を生かすスタイルがあるのに、それをしていないことがある
ということです。
持ち味を生かすスタイルを自然と身につけている人もいますが、
そういう人は意外と少ないように見受けられます。
職業上、期待されているコミュニケーションのスタイルがあって
その影響によって自分の持ち味と違ったスタイルが訓練されてしまったり、
自分が見てきた講師、トレーナー、上司、ファシリテーターなどの影響で
その人たちのスタイルを知らないうちに見本としてしまって
自分の持ち味と違ったスタイルを目指してしまったり。
実際に多くの無理がかかったケースを見てきました。
本人は松岡修三なみのエネルギッシュさを持っていたにもかかわらず、
尊敬するトレーナーのエレガントで穏やかな個別対応を真似して苦労した人。
本当は一対一の細やかなケアが好きなのに、セミナーの雰囲気に合わせて
２００人の前でセミナーをやるのを目標として頑張ろうとした人。
本当は自由にのびのびと大勢の前でも自分を表現できるのに、
長年の接客の経験で一対一の気遣いを練習してきたために
人前で何かをすることから気持ちが離れてしまった人。
持ち味と違うことでも、できなくはないんです。
ただ、コミュニケーションのスタイルの個性を変えるレベルのトレーニングには
コツと努力が求められるだけの話です。
多くの場合、そこがなされないまま、形だけを練習して無理がかかるんです。
ですから、この「持ち味」を自分でしっておくだけでも役に立ちます。
自分が心がけると上手くいくスタイルが分かりますから気分も楽ですし、
実際に周りの反応も良くなって自身がついていくことも起きやすいはずです。
講座では、一般論として持ち味ごとの「やりやすい作業」、「魅力が発揮される場面」を
区別して理解できるように実習を行います。
まずは持ち味として、魅力が発揮されやすいスタイルを分類します。
ここでは
�｜躇佞諒�向性
��関心の対象
�１洞舛瞭呂永�
�そ乎弔離汽ぅ�
を要素として考えます。
例えば、ミュージシャンでこんな人がいたとします。
�｜躇佞諒�向性＝ 聴衆から自分へ向かって
��関心の対象＝ 自分のパフォーマンス
�１洞舛瞭呂永�＝ 自分のパフォーマンスの内容をそれぞれに受け取ってもらって
�そ乎弔離汽ぅ此瓠／�百人〜数千人
人から注目を浴びながら自分の最高のパフォーマンスを見てもらいたい感じでしょう。
一方、
�｜躇佞諒�向性＝ 自分の内面へ向かって
��関心の対象＝ 自分の気持ち
�１洞舛瞭呂永�＝ 体から沸き出す想いを爆発させるように
�そ乎弔離汽ぅ此瓠／�百人〜数千人
だと、
音楽が好きで表現したいものが溢れ出る感じかもしれません。
他にも、一人一人に気持ちを届けるように音楽を伝える人とか、
音楽を通じて皆と一緒になって１つの気持ちを作り上げる人とか、
色々なスタイルが想像できます。
こうしたスタイルの好み、得意・不得意を整理します。
そして自分の持ち味のスタイルを見つける。
これによって、自分にとって自然な「集団との関わり方」を自覚できます。
もし上手くいっていないことがあったり、苦手意識があったりしたら
持ち味のスタイルと違うことをしようとしている可能性が高いと考えられます。
そうしたら持ち味を活かすようにコミュニケーションの練習をすればいいわけです。
まとめると、
この持ち味を把握しておくだけで、
・グループとのコミュニケーションにおいて心がけるべきポイント
・自分の魅力が発揮される社会との関わり方
・個性を生かすためのトレーニングの方向性
などが分かる、ということです。
その持ち味を前提として、
・個別対応で一人一人に合わせる
・全体の状態をコントロールする
という２つの方向性で技術のトレーニングをします。
持ち味となるスタイルが違えば、
一人一人への合わせ方も
全体の雰囲気をコントロールする方法も
異なるものです。
そのあたりのコツをお伝えしながら実習を行っていきます。
実習において、コミュニケーションの場面設定は何でも大丈夫です。
講演や会議でのプレゼンテーション、
大勢の前でのスピーチ、
会合での司会、
セミナーやワークショップの講師、
会議のファシリテーション、
会議の参加者としての発言、
話し合いの仲裁、
家族療法などの面接、
…状況は実習において設定しながら進められます。
場面の違いは、その場でのコミュニケーションの目的を生み出します。
プレゼンテーションなら分かってもらうことが目的でしょうし、
スピーチなら影響を及ぼしたいかもしれません。
ファシリテーションならスムーズな進行が目的のこともあれば、
積極的に皆が意見を言えることが目的となることもあるでしょう。
持ち味となるスタイルは大きくは変動しません。
そのスタイルで、コミュニケーションの場面に合わせるわけです。
場面が決まれば目的が決まります。
その目的ために求められるコミュニケーションの内容を
持ち味に合わせてトレーニングすることになります。
つまり、
�‐賁未鮴瀋蠅垢�
�¬榲�を明確にする
��持ち味を活かすように、目的のためのコミュニケーションを考える
��-1．個別対応として
��-2．全体の雰囲気のコントロールとして
という流れです。
今回の講座では、実際に練習を行いながら
持ち味を生かすためのコミュニケーション方法を考え、
その技術を向上させるためのトレーニングまでを行います。
大きな特徴は、「こうすると良い」という一般的な手法を紹介するのではなく
その人の魅力を引き出すための関わり方を練習することです。
言い換えると、トレーニングの趣旨は技術の習得ではなく、
技術を使うための土台として、才能を発見し、能力を磨くところにある
ということ。
だから、プレゼンテーションのセミナーでもなく、
ファシリテーションのセミナーでもなく、
家族面接のセミナーでもなく、
『グループ・コミュニケーション』のセミナーなんです。
人とかかわっていく上での強みと課題が明確になると期待されます。
自分らしさを知り、それを活かす方法に取り組む講座です。
お盆の真っ最中ですが、ご都合があえば是非、お越しください。
◆録音／録画、再生機材に関しまして
ご自分のパフォーマンスや、集団の反応をチェックするために
録画をしていただくのも学習効果を高めてくれるはずです。
ご負担にならない範囲で録画機材もご検討ください。
なお、講座全体の内容は、ＩＣレコーダーやビデオなどで
記録いただいても構いませんが、あくまで
個人的なご利用の範囲でお願いいたします。
※プライベートな内容の扱いに関しましては
十分にご配慮ください。
【セミナーの詳細】
≪コミュニケーション講座 〜グループ・コミュニケーション〜≫
【日時】 8月17日（日）
10:00〜16:30
※開始時間にご注意ください
※終了時間は３０分程度まで前後する場合があります。
【場所】 北とぴあ 803会議室
（JR京浜東北線・王子駅 北口より徒歩2分）
（東京メトロ南北線・王子駅5番出口直結）
【参加費】 ・・・15,000円
当日、会場にてお支払いください。
★定員に達した場合、キャンセル待ちとして受付させていただくことになります。
ご了承ください。
終了しました
グループのコミュニケーションが面白いのは、
一対一では得られない効果を生み出せるところかと思います。
確かに、複数の人を一度に相手にするのは厄介さも上がります。
言葉のメッセージにしても、非言語メッセージにしても
多くの人から同時に受け取る必要があります。
グループ内の相互作用でバランスが維持されるようになってくると
そこには風潮や雰囲気のようなものが生まれ、
１つのシステムとして安定しようとするような動きも出てくるものです。
このシステムが変化するように影響を及ぼすのも
一対一で相手に影響を与えるよりも労力は大きいでしょう。
いわば、グループを相手にするということは
グループの皆の力を合わせたものに対処するようなものかもしれません。
しかし、だからこそ、そのグループ全体の方向性を少しでも動かせれば
その影響の大きさも大幅に上がるともいえます。
グループが動き始めれば、自然とその動きが維持されますし、
グループの力が集まったときの影響を活用できれば
強力なパフォーマンスを生み出すこともできます。
例えば、モチベーションの低い集団の中で一人だけヤル気を見せていると
おそらくその人は一人だけ浮いた状態になって、
ヤル気をそがれるような影響を受けるはずです。
しかし、皆が少しずつヤル気を高めてくれれば、
全体としての相互作用でヤル気は高まる方向へと動き始めます。
一番ヤル気のなかった人も引っ張られるように気持ちが変わることもあります。
あるいは、一人から褒められただけでは「お世辞かな？」と流しがちな人も
大勢から褒められれば、その内容を受け入れ始める…
なんていうのもグループの効果の１つでしょう。
グループの中でお互いに助け合う傾向が生まれれば、
その中では信頼関係や個々のパフォーマンス向上も期待できます。
グループの中で他者との一体感や繋がり、安心感を得られれば
グループそのものへの信用だけでなく、人間関係全体への安心感や
自分自身への評価も上がっていくものです。
それぞれの人が持っている強み同士が、お互いを相補しあって
グループ内の個人が皆、自然と望ましい方向へと進んでいく。
そういうことも起きるんです。
人は人との関わりの中で変化するものです。
体験によって学習するんです。
その学習の効率は、体験の強さや頻度によって決まります。
一対一では得られないインパクトの強さ、回数の多さが
グループでのコミュニケーションの１つの効果でしょう。
グループ特有の効果を間接的に活用できるようになると、
自分からの表面的な話の内容だけでは想像もつかないような影響を
コッソリと生み出していくことも可能になります。
グループ相手のコミュニケーションには、大きな可能性があるわけです。
ただ、どうも多くの人は、一対一のコミュニケーションの場面よりも
グループの中にいるときのほうが無自覚な振る舞いをしがちなようです。
大勢の中だと何気なく反応してしまうことが多い。
しかも、複数の人を相手にしたときの特定の技術を練習するものには
スピーチ、ファシリテーション、プレゼンテーションなど色々とありますが、
グループの相互作用への影響に主眼をおいたものは、ほぼ見かけません。
だから余計にトレーニングが有効なんです。
工夫のしどころが沢山あります。
あまり多くないトレーニングの機会じゃないかとも思います。
一日で完全に身につく内容ではないでしょうが、役には立つと考えています。
お越しをお待ちしています。
コミュニケーション講座 〜グループ・コミュニケーション〜
８月の講座のご案内です。
この講座では主にコミュニケーション技術のトレーニングを行います。
ただし、「多数」を相手にしたコミュニケーションです。
２人以上と同時に関わる場面を想定してトレーニングしますが、
人数そのものはあまり関係がありません。
２人でも５０人でも、やることの本質には違いがないといえます。
ただし、コミュニケーションとして心がける内容は
関わる相手の人数が増えるにつれて比重が変わっていきます。
当たり前と思われるかもしれませんが、
少人数のグループであれば顔を見ながら一対一の対応の度合いが高く、
数百人、数千人規模の聴衆となれば全体への影響に重きがおかれます。
つまり、
・個別対応で一人一人に合わせる
・全体の状態をコントロールする
という大きな２つの方向性を想定して、
状況に応じて比重を変えていくスタイルです。
あくまでトレーニング段階の話としては、
本人にとって両方がバランスよく含まれる人数を想定しながら練習すると
２つの方向性をどちらも向上させることができるはずです。
（一般的には１０人弱から２０人ぐらいでしょうか）
もちろん、本人の持ち味によって、どちらを優先すると上手くいくかが異なります。
５０人ぐらいでも個別対応を心がける人もいますし、
５、６人でも１つの全体として扱おうとする人もいます。
得意・不得意と好みの問題です。
人によって持ち味が発揮されやすくて、やりやすい場面とスタイルがあるんです。
例えば、
数百人・数千人の前のステージで聴衆全体を一気に盛り上げられる人は
少人数の会議で一人一人の意見を聞きながら進行するのは疲れるでしょう。
逆に、一対一の対応を好む人は、大人数の前というだけで嫌だったりします。
しかし、それは「一対一の対応」というコミュニケーションのスタイルが
大勢からの圧力を必要以上に高めてしまっているためだともいえます。
１０人ぐらいまでなら、むしろ、個別対応の工夫で持ち味を活かすことも可能です。
つまり、
・持ち味として「やりやすい作業」、「魅力が発揮される場面」が違う
・持ち味を生かすスタイルがあるのに、それをしていないことがある
ということです。
持ち味を生かすスタイルを自然と身につけている人もいますが、
そういう人は意外と少ないように見受けられます。
職業上、期待されているコミュニケーションのスタイルがあって
その影響によって自分の持ち味と違ったスタイルが訓練されてしまったり、
自分が見てきた講師、トレーナー、上司、ファシリテーターなどの影響で
その人たちのスタイルを知らないうちに見本としてしまって
自分の持ち味と違ったスタイルを目指してしまったり。
実際に多くの無理がかかったケースを見てきました。
本人は松岡修三なみのエネルギッシュさを持っていたにもかかわらず、
尊敬するトレーナーのエレガントで穏やかな個別対応を真似して苦労した人。
本当は一対一の細やかなケアが好きなのに、セミナーの雰囲気に合わせて
２００人の前でセミナーをやるのを目標として頑張ろうとした人。
本当は自由にのびのびと大勢の前でも自分を表現できるのに、
長年の接客の経験で一対一の気遣いを練習してきたために
人前で何かをすることから気持ちが離れてしまった人。
持ち味と違うことでも、できなくはないんです。
ただ、コミュニケーションのスタイルの個性を変えるレベルのトレーニングには
コツと努力が求められるだけの話です。
多くの場合、そこがなされないまま、形だけを練習して無理がかかるんです。
ですから、この「持ち味」を自分でしっておくだけでも役に立ちます。
自分が心がけると上手くいくスタイルが分かりますから気分も楽ですし、
実際に周りの反応も良くなって自身がついていくことも起きやすいはずです。
講座では、一般論として持ち味ごとの「やりやすい作業」、「魅力が発揮される場面」を
区別して理解できるように実習を行います。
まずは持ち味として、魅力が発揮されやすいスタイルを分類します。
ここでは
�｜躇佞諒�向性
��関心の対象
�１洞舛瞭呂永�
�そ乎弔離汽ぅ�
を要素として考えます。
例えば、ミュージシャンでこんな人がいたとします。
�｜躇佞諒�向性＝ 聴衆から自分へ向かって
��関心の対象＝ 自分のパフォーマンス
�１洞舛瞭呂永�＝ 自分のパフォーマンスの内容をそれぞれに受け取ってもらって
�そ乎弔離汽ぅ此瓠／�百人〜数千人
人から注目を浴びながら自分の最高のパフォーマンスを見てもらいたい感じでしょう。
一方、
�｜躇佞諒�向性＝ 自分の内面へ向かって
��関心の対象＝ 自分の気持ち
�１洞舛瞭呂永�＝ 体から沸き出す想いを爆発させるように
�そ乎弔離汽ぅ此瓠／�百人〜数千人
だと、
音楽が好きで表現したいものが溢れ出る感じかもしれません。
他にも、一人一人に気持ちを届けるように音楽を伝える人とか、
音楽を通じて皆と一緒になって１つの気持ちを作り上げる人とか、
色々なスタイルが想像できます。
こうしたスタイルの好み、得意・不得意を整理します。
そして自分の持ち味のスタイルを見つける。
これによって、自分にとって自然な「集団との関わり方」を自覚できます。
もし上手くいっていないことがあったり、苦手意識があったりしたら
持ち味のスタイルと違うことをしようとしている可能性が高いと考えられます。
そうしたら持ち味を活かすようにコミュニケーションの練習をすればいいわけです。
まとめると、
この持ち味を把握しておくだけで、
・グループとのコミュニケーションにおいて心がけるべきポイント
・自分の魅力が発揮される社会との関わり方
・個性を生かすためのトレーニングの方向性
などが分かる、ということです。
その持ち味を前提として、
・個別対応で一人一人に合わせる
・全体の状態をコントロールする
という２つの方向性で技術のトレーニングをします。
持ち味となるスタイルが違えば、
一人一人への合わせ方も
全体の雰囲気をコントロールする方法も
異なるものです。
そのあたりのコツをお伝えしながら実習を行っていきます。
実習において、コミュニケーションの場面設定は何でも大丈夫です。
講演や会議でのプレゼンテーション、
大勢の前でのスピーチ、
会合での司会、
セミナーやワークショップの講師、
会議のファシリテーション、
会議の参加者としての発言、
話し合いの仲裁、
家族療法などの面接、
…状況は実習において設定しながら進められます。
場面の違いは、その場でのコミュニケーションの目的を生み出します。
プレゼンテーションなら分かってもらうことが目的でしょうし、
スピーチなら影響を及ぼしたいかもしれません。
ファシリテーションならスムーズな進行が目的のこともあれば、
積極的に皆が意見を言えることが目的となることもあるでしょう。
持ち味となるスタイルは大きくは変動しません。
そのスタイルで、コミュニケーションの場面に合わせるわけです。
場面が決まれば目的が決まります。
その目的ために求められるコミュニケーションの内容を
持ち味に合わせてトレーニングすることになります。
つまり、
�‐賁未鮴瀋蠅垢�
�¬榲�を明確にする
��持ち味を活かすように、目的のためのコミュニケーションを考える
��-1．個別対応として
��-2．全体の雰囲気のコントロールとして
という流れです。
今回の講座では、実際に練習を行いながら
持ち味を生かすためのコミュニケーション方法を考え、
その技術を向上させるためのトレーニングまでを行います。
大きな特徴は、「こうすると良い」という一般的な手法を紹介するのではなく
その人の魅力を引き出すための関わり方を練習することです。
言い換えると、トレーニングの趣旨は技術の習得ではなく、
技術を使うための土台として、才能を発見し、能力を磨くところにある
ということ。
だから、プレゼンテーションのセミナーでもなく、
ファシリテーションのセミナーでもなく、
家族面接のセミナーでもなく、
『グループ・コミュニケーション』のセミナーなんです。
人とかかわっていく上での強みと課題が明確になると期待されます。
自分らしさを知り、それを活かす方法に取り組む講座です。
お盆の真っ最中ですが、ご都合があえば是非、お越しください。
◆録音／録画、再生機材に関しまして
ご自分のパフォーマンスや、集団の反応をチェックするために
録画をしていただくのも学習効果を高めてくれるはずです。
ご負担にならない範囲で録画機材もご検討ください。
なお、講座全体の内容は、ＩＣレコーダーやビデオなどで
記録いただいても構いませんが、あくまで
個人的なご利用の範囲でお願いいたします。
※プライベートな内容の扱いに関しましては
十分にご配慮ください。
【セミナーの詳細】
≪コミュニケーション講座 〜グループ・コミュニケーション〜≫
【日時】 8月17日（日）
10:00〜16:30
※開始時間にご注意ください
※終了時間は３０分程度まで前後する場合があります。
【場所】 北とぴあ 803会議室
（JR京浜東北線・王子駅 北口より徒歩2分）
（東京メトロ南北線・王子駅5番出口直結）
【参加費】 ・・・15,000円
当日、会場にてお支払いください。
★定員に達した場合、キャンセル待ちとして受付させていただくことになります。
ご了承ください。
終了しました
グループのコミュニケーションが面白いのは、
一対一では得られない効果を生み出せるところかと思います。
確かに、複数の人を一度に相手にするのは厄介さも上がります。
言葉のメッセージにしても、非言語メッセージにしても
多くの人から同時に受け取る必要があります。
グループ内の相互作用でバランスが維持されるようになってくると
そこには風潮や雰囲気のようなものが生まれ、
１つのシステムとして安定しようとするような動きも出てくるものです。
このシステムが変化するように影響を及ぼすのも
一対一で相手に影響を与えるよりも労力は大きいでしょう。
いわば、グループを相手にするということは
グループの皆の力を合わせたものに対処するようなものかもしれません。
しかし、だからこそ、そのグループ全体の方向性を少しでも動かせれば
その影響の大きさも大幅に上がるともいえます。
グループが動き始めれば、自然とその動きが維持されますし、
グループの力が集まったときの影響を活用できれば
強力なパフォーマンスを生み出すこともできます。
例えば、モチベーションの低い集団の中で一人だけヤル気を見せていると
おそらくその人は一人だけ浮いた状態になって、
ヤル気をそがれるような影響を受けるはずです。
しかし、皆が少しずつヤル気を高めてくれれば、
全体としての相互作用でヤル気は高まる方向へと動き始めます。
一番ヤル気のなかった人も引っ張られるように気持ちが変わることもあります。
あるいは、一人から褒められただけでは「お世辞かな？」と流しがちな人も
大勢から褒められれば、その内容を受け入れ始める…
なんていうのもグループの効果の１つでしょう。
グループの中でお互いに助け合う傾向が生まれれば、
その中では信頼関係や個々のパフォーマンス向上も期待できます。
グループの中で他者との一体感や繋がり、安心感を得られれば
グループそのものへの信用だけでなく、人間関係全体への安心感や
自分自身への評価も上がっていくものです。
それぞれの人が持っている強み同士が、お互いを相補しあって
グループ内の個人が皆、自然と望ましい方向へと進んでいく。
そういうことも起きるんです。
人は人との関わりの中で変化するものです。
体験によって学習するんです。
その学習の効率は、体験の強さや頻度によって決まります。
一対一では得られないインパクトの強さ、回数の多さが
グループでのコミュニケーションの１つの効果でしょう。
グループ特有の効果を間接的に活用できるようになると、
自分からの表面的な話の内容だけでは想像もつかないような影響を
コッソリと生み出していくことも可能になります。
グループ相手のコミュニケーションには、大きな可能性があるわけです。
ただ、どうも多くの人は、一対一のコミュニケーションの場面よりも
グループの中にいるときのほうが無自覚な振る舞いをしがちなようです。
大勢の中だと何気なく反応してしまうことが多い。
しかも、複数の人を相手にしたときの特定の技術を練習するものには
スピーチ、ファシリテーション、プレゼンテーションなど色々とありますが、
グループの相互作用への影響に主眼をおいたものは、ほぼ見かけません。
だから余計にトレーニングが有効なんです。
工夫のしどころが沢山あります。
あまり多くないトレーニングの機会じゃないかとも思います。
一日で完全に身につく内容ではないでしょうが、役には立つと考えています。
お越しをお待ちしています。
