2007年05月12日

『ブッダ』

最近、手塚治虫さんの『ブッダ』を読み返しました。
文庫本のセットのヤツを買ったんです。

面白いんですね、これ。
仏典とは違う形に脚色された部分も多いようなんですが、
その分ストーリー性として大満足できます。

あまり直接的には語られない印象ですが、全ての生物を平等だとするような主張、
全ての関係性の中に生きている命という視点が腑に落ちる感じです。

個人的には、命の大元が1つに絡み合っている絵が
すごく自分の描いていたイメージにピッタリで心地よかったですね。


一部には、直線的因果律や運命論的な表現も見受けられますが、
哲学者・思想家としてのブッダの在り方が心を打つほうが、より本質的かもしれません。


一方、今年の初めにNLP関連のセミナーを受けたときに
取り組んだある課題で僕は重要なことを学びました。
今回『ブッダ』を読んだときに、そのことが頭に浮かんできたんです。

それは自分の命を何のために使うか、ということです。

『ブッダ』には印象的な話があるんです。

 ある聖人が飢えと戦いながら山を歩いていると
 動物たちが集まってきて助けてくれました。
 クマは川で魚を採り、キツネは木の実を取ってきました。
 でもウサギは何も食べ物を見つけることができなかったんです。
 そしてウサギは自ら焚き火の中に身を投じ、
 自分自身を食べ物として聖人に提供しました。

そのような話がとても感動的なエピソードとして語られています。

自己犠牲の精神なのかと思います。


自分以外の何者かのために、自分の命を使う。
その命の使い方は労働であったり、奉仕であったり、色々だと思います。
自分の身を挺して誰かを救うというのは、とてつもなく尊いことだと思います。

コールドリーディングは人を幸せにするために使うように教えられました。
人を幸せにする技術だと。

自分以外の誰かのために、という視点が自分に力を与えてくれるのでしょう。


ただ、僕は『ブッダ』のその自己犠牲のエピソードを読んで思ったんです。

ウサギの行為は尊い。
でも、それを目の当たりにして、その想いを背負って生きていく
残されたクマ、キツネ、聖人も非常に大きな勇気と覚悟を必要とするだろう、と。


自己犠牲の精神は素晴らしいと思います。
でも、それを受け止めて生き続けていくことも、同じか、それ以上に素晴らしい。
命の重さを背負っていくわけですから。


そして、命の重さが平等であるなら、
その命の一部を使って誰かがしてくれたこともまた
大事な命の一部を受け取ることと同じではないかと思うんです。

どんな食べ物であっても命を貰っているという意味では感謝は同じ。
誰かがしてれくた何かの行動には、
その人の命の一部を貰っているという意味で同じように感謝をしていきたい。


いつでも自分以外の何者かの命の一部を貰って生きている。
そう思えたら、様々なことに対して、素直に感謝ができるのではないでしょうか。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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