2009年12月25日

特別な賑わい

クリスマス前後の街中は、商売チャンスを活かそうと頑張っているように見えます。
ケーキとチキンは、一年でも最も売れるタイミングでしょう。

一方で、和食系統の居酒屋などは客足が鈍い様子。

道の色々な場所で、サンタクロースの格好をした人たちも見かけられます。
コカコーラ色の衣装をまとった店員が特売品のケーキを店先で売ったり、
スターバックスでもプレゼント用の商品を出店で売っていたり。

飲み屋の近くには普段と違う呼び込みの人もいました。
中には、サンタクロースの格好のままで道端に座り込んで、
缶コーヒー片手に煙草で一服、という様子も。

普段であれば気にならなかったかもしれない姿も
サンタクロースの衣装が違和感を際立たせていたようです。


欧米の文化圏では、もっとクリスマスが神聖なものなのでしょうが、
日本においては、かなり現実的でビジネス的に意味のあるイベントのように感じられます。

お祭りにおいても宗教的な意味合いをあまり感じることなく
シンプルに楽しむためのイベントとして遊ぶ人も多いと推測されます。

本来は儀式としての意味合いを含んでいた行事が色々な文化圏から取り込まれ、
お祭り騒ぎのイベントに変わって取り込まれていく。
日本には、そんな文化があるのでしょうか。

不謹慎だとか、金儲けに踊らされているとか、経済効果がどうとか、
色々な見方ができるとは思います。

ただ僕は、現代の日本人が何かにつけて、お祭り騒ぎを楽しむこと自体にも
大切な意味合いがあるように思うんです。

その行事の意味なんて関係なく、単純に気分を晴れやかにする。
開放的になったり、街全体が少しウキウキしたような雰囲気になること。
それが日頃の日本人の国民性にとって
必要なバランスの取り方ではないか、ということです。


国民性という表現の仕方とは少し違いますが、
例えば、渋谷と新宿と銀座と六本木では街を歩く人々の雰囲気が違うように、
ある程度の広い範囲で人々をまとめて見たときにも
全体から感じ取れる人柄や気分の共通点みたいなものがあるわけです。

そういう点で言えば、日本人は全体的にマジメに働いている様子がある。
平日の人々の雰囲気は決して陽気とは言い難く、真剣さや必死さが見てとれます。
セカセカしている人もいれば、落ち着いている人もいますが、
どちらにしても陽気でお気楽という感じではないでしょう。

日本人全体の雰囲気として、マジメに過ごしている時間が多いと考えられます。

週末は多少、気楽な雰囲気が出るようにも思えますが、
どちらかというとリラックスの方向に雰囲気は移るようです。
平日の疲れを癒すような感じなのかもしれません。

また、土日とはいえ、日本人は仕事をしているケースもありますので
欧米のようにハッキリした休みの日ということもないように思えます。

日本人の雰囲気がガラっと変わって感じられるのは
週末に近い曜日の夜中でしょうか。
居酒屋や繁華街の酔っ払いの様子は、そうしたマジメな状態から離れ
ダラーッと緩んだ様子に見えます。

ピンと張り詰めていた糸が、ゆるんだような状態です。
大騒ぎして楽しそうな雰囲気に見えるかもしれませんが、
その内面は意外とダラけているはずです。
ドローンとした鈍い感じ。

日本人は、全体的に張り詰めたマジメ状態と、それを緩めたリラックス状態の間を
行き来する日常を送っていると考えられるわけです。


で、それが特殊なイベントの時になると、一気にテンションが上がる。
普段の張り詰めた感じとも、ダラーン、ドローンとしたリラックスとも違った
気持ちが引き締まりながらウキウキと弾む状態です。

いわゆるお祭り騒ぎのテンション。
マジメやリラックスとは異なった、陽気に楽しい感じでしょう。

普段あまり前面に出して感じていない陽気な雰囲気を、
街全体の雰囲気として実感していくタイミングが
日本人が沢山取り入れてきたお祭り騒ぎ的なイベントのようです。

そうやって普段あまり表現していない部分を前面に出す時期を取ることで
全体的なバランスを取って心身の調整をしていると考えられます。

クリスマスなどのイベントごとは、マジメな日本人にとって
とても大切な欲求を開放して表現させるための「言い訳」とも言えそうです。

普段とは違う特別な日として、「クリスマスだから」という言い訳を用意する。
そうして普段は抑えている部分を認め、開放し、許していくプロセスが
健康的に生きていく上で大いに役立っているのでしょう。

「自分を許す」という部分においては、間接的でビジネスベースの現実的な方法ですが、
本来の宗教的な意味合いに、多少は近寄っているとも言って良いのではないでしょうか。


それにしても、30人ぐらいのサンタクロースの行列を見たときは
ちょっと妙な感じがしました。

最後尾を一人だけトナカイが歩いていたんです。

通勤ラッシュのようにサンタクロースでギュウギュウ詰めのソリを
一匹のトナカイが頑張って引いている様子をイメージすると
なんだか滑稽な映像になってしまいました。

cozyharada at 23:34│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | 全般

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



 ◆ お問い合わせ 
  技術向上、
  コンサルティング、
  スーパーバイズ、
  執筆・講演…

  諸々のお問い合わせはこちらへ>>



ホームページ
バナー1


プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
Archives
最近のコメント
QRコード
QRコード