2010年01月07日
本マニア
先日、都内の少し大き目な本屋に行きました。
学生時代に良く通っていた店に久しぶりに行ったんです。
久しぶりに行ったその店内には、一人の中年男性がウロウロしていました。
店員は決まった服装をしているのに、その人は普通のスーツ姿。
でも胸には書店のバッジがついているんです。
どうも店の人らしい。
が、他の店員とは扱いが違う様子。
最初は本社の人が視察でもしているのかと思っていました。
ところが。
僕が探している数冊の本についてカウンターで尋ねたところ、
カウンター内のアルバイト店員が、その男性を呼んだのです。
そして、その人に本のタイトルを伝えると、
そのスーツ姿の店員らしき人は何も見ることなくスラスラと話し始めました。
これと、これは在庫切れです。
これは他の店舗にあるかもしれないので、ちょっと調べてみます。
…そんな感じでパソコンを使って調べ始めました。
一般的な書店では、書店内の在庫を調べる段階でパソコンによる検索をします。
検索結果を元に本棚を探すところが店員の腕の見せ所といった感じでしょう。
良くても倉庫に探しに行くぐらい。
雑な場合には「この場所になければ無いですね」と一言なんていうことも。
そういうのと比べると圧倒的に詳しいんです。
まぁ、人気のある本だったのかもしれませんが、
本の題名だけで店内の3フロアにあるかどうかが分かるというのは
相当よく店の事情を知っていて、本の知識もなければいけないはずです。
あいにく、僕が探していた本は全て在庫がなかったようで、
その人はパソコンで調べた結果に関しても詳しく教えてくれました。
どの本が出版社の倉庫にある可能性があって、
どの本が絶版になっていて、どの本が出版社の返品待ちの状態か、
などと、手に入る可能性まで教えてくれたんです。
人気のある本の場合には、印刷の状況次第で入荷待ちになることもあるし、
絶版の本であっても、出版社の倉庫に置かれている可能性はゼロではない、と。
普通の書店や、amazonなどのオンライン書店であれば
「絶版」とか「在庫なし」という情報は知ることができても、
それが手に入る可能性があるかどうかまでは教えてもらえません。
一般的には、店員に尋ねても「取り寄せますか?」という返答が返ってくるか、
「もう絶版になっているみたいですね」と言われるかぐらいでしょう。
でも、その人は違いました。
その場ですぐに対応をして、手に入るのかどうか、どれくらいの期間がかかるのか、といった情報まで教えてくれました。
それも短時間で、です。
今回、僕の探していた本は全て在庫切れだったので諦めて帰りましたが、
もしかするとamazonの中古でプレミア価格になっている本も、
その人に聞けば、出版社の倉庫に残っている数冊から手に入るかもしれません。
在庫のある本で、そこそこ有名なものであれば
その人は迷わずに本棚から見つけ出してくれそうな雰囲気も感じました。
おそらく、書店コンシェルジュとでも言いますか、
売り場担当のエキスパートなんだろうと思います。
本屋にも、こういう仕事の人が出てきたようですね。
本のソムリエのような立場をとっている書店も聞いたことがありますが、
どちらも、ただ知っているだけでは成り立たない気がします。
本が好きなんでしょう。
まぁ、僕が質問したその人の場合、本好きの傾向が少しマニアックな感じもあって
必要以上のことを楽しそうに教えてくれている印象もありましたが…。
自分の扱う商品やサービスが好きな人というのは
その言動から発せられるメッセージが違う気がします。
本屋に勤める人は、ある程度、本が好きだから仕事にしているのだろうとは思いますが、
日々の業務や仕組みの中で、その気持ちが表に出にくくなってくることがあるようです。
もちろん、それは本屋に限ったことではない。
自分が好きな部分があったから選んだ仕事であっても
色々な要素の影響を受けて「好き」な気持ちが感じにくくなることはあるものでしょう。
書店のコンシェルジュも、本のソムリエも、
本が大好きというメッセージを前面に発信しているように感じます。
本が好きで本を買いに行く人たちは、きっと
そういう本好きの店員から発信されるメッセージを
心のどこかで嬉しく受け取っているんじゃないでしょうか。
店の中では他の店員たちからチョット浮いたような印象でしたが、
本好きの客からすると、そんな人がフロアにいるだけで
いつも行かない本にも足を運んでみたくなるような存在感があるかもしれません。
今度は多少、無理を言ってみようかなんて思っています。
学生時代に良く通っていた店に久しぶりに行ったんです。
久しぶりに行ったその店内には、一人の中年男性がウロウロしていました。
店員は決まった服装をしているのに、その人は普通のスーツ姿。
でも胸には書店のバッジがついているんです。
どうも店の人らしい。
が、他の店員とは扱いが違う様子。
最初は本社の人が視察でもしているのかと思っていました。
ところが。
僕が探している数冊の本についてカウンターで尋ねたところ、
カウンター内のアルバイト店員が、その男性を呼んだのです。
そして、その人に本のタイトルを伝えると、
そのスーツ姿の店員らしき人は何も見ることなくスラスラと話し始めました。
これと、これは在庫切れです。
これは他の店舗にあるかもしれないので、ちょっと調べてみます。
…そんな感じでパソコンを使って調べ始めました。
一般的な書店では、書店内の在庫を調べる段階でパソコンによる検索をします。
検索結果を元に本棚を探すところが店員の腕の見せ所といった感じでしょう。
良くても倉庫に探しに行くぐらい。
雑な場合には「この場所になければ無いですね」と一言なんていうことも。
そういうのと比べると圧倒的に詳しいんです。
まぁ、人気のある本だったのかもしれませんが、
本の題名だけで店内の3フロアにあるかどうかが分かるというのは
相当よく店の事情を知っていて、本の知識もなければいけないはずです。
あいにく、僕が探していた本は全て在庫がなかったようで、
その人はパソコンで調べた結果に関しても詳しく教えてくれました。
どの本が出版社の倉庫にある可能性があって、
どの本が絶版になっていて、どの本が出版社の返品待ちの状態か、
などと、手に入る可能性まで教えてくれたんです。
人気のある本の場合には、印刷の状況次第で入荷待ちになることもあるし、
絶版の本であっても、出版社の倉庫に置かれている可能性はゼロではない、と。
普通の書店や、amazonなどのオンライン書店であれば
「絶版」とか「在庫なし」という情報は知ることができても、
それが手に入る可能性があるかどうかまでは教えてもらえません。
一般的には、店員に尋ねても「取り寄せますか?」という返答が返ってくるか、
「もう絶版になっているみたいですね」と言われるかぐらいでしょう。
でも、その人は違いました。
その場ですぐに対応をして、手に入るのかどうか、どれくらいの期間がかかるのか、といった情報まで教えてくれました。
それも短時間で、です。
今回、僕の探していた本は全て在庫切れだったので諦めて帰りましたが、
もしかするとamazonの中古でプレミア価格になっている本も、
その人に聞けば、出版社の倉庫に残っている数冊から手に入るかもしれません。
在庫のある本で、そこそこ有名なものであれば
その人は迷わずに本棚から見つけ出してくれそうな雰囲気も感じました。
おそらく、書店コンシェルジュとでも言いますか、
売り場担当のエキスパートなんだろうと思います。
本屋にも、こういう仕事の人が出てきたようですね。
本のソムリエのような立場をとっている書店も聞いたことがありますが、
どちらも、ただ知っているだけでは成り立たない気がします。
本が好きなんでしょう。
まぁ、僕が質問したその人の場合、本好きの傾向が少しマニアックな感じもあって
必要以上のことを楽しそうに教えてくれている印象もありましたが…。
自分の扱う商品やサービスが好きな人というのは
その言動から発せられるメッセージが違う気がします。
本屋に勤める人は、ある程度、本が好きだから仕事にしているのだろうとは思いますが、
日々の業務や仕組みの中で、その気持ちが表に出にくくなってくることがあるようです。
もちろん、それは本屋に限ったことではない。
自分が好きな部分があったから選んだ仕事であっても
色々な要素の影響を受けて「好き」な気持ちが感じにくくなることはあるものでしょう。
書店のコンシェルジュも、本のソムリエも、
本が大好きというメッセージを前面に発信しているように感じます。
本が好きで本を買いに行く人たちは、きっと
そういう本好きの店員から発信されるメッセージを
心のどこかで嬉しく受け取っているんじゃないでしょうか。
店の中では他の店員たちからチョット浮いたような印象でしたが、
本好きの客からすると、そんな人がフロアにいるだけで
いつも行かない本にも足を運んでみたくなるような存在感があるかもしれません。
今度は多少、無理を言ってみようかなんて思っています。