2011年07月22日

不満が原動力

満足したときにはモチベーションが下がります。
満たされたところで落ち着くような状態になりやすい。

日々に幸せを感じながら満足しているのも素晴らしいことでしょうが、
新たな何かを始める原動力は生まれにくいものでしょう。

そう考えると、世の中を変えた人というのは
幸せではなかったのかもしれません。


不満があると、怒りのエネルギーが沸いてきます。
怒りは行動に繋がりやすい。
不満があるほうが、不満を解消するための行動をしやすいわけです。

さらに、この不満が
 自分に向いているか
 他者へ向いているか
で、行動への動機づけも変わってくると考えられます。

不満の根底が満たされていない自分にあるとき、
その不満を解消しようとする行為は手軽なものになりやすいようです。
文句を言ったり、誰かを責めたり。

不満の対象が世の中や他者に向いているとき、
一歩を踏み出す大きな力となるのでしょう。
世の中を変えた人たちを行動へ突き動かしたのは
他人のための不満だったんじゃないかと思います。

「こういう風になったら良いな」という目標設定から起きた行動よりも
「こんなのは耐えられない!」という不満から起きた行動のほうが
強い力を発揮できるんじゃないでしょうか。

平和や平等、人権に貢献した人たちこそ、
身近な他者への不満が大きかったんじゃないかと思うんです。


目標設定において、目標が達成している状態が
自分にとって心地よく、当然のこととなるように
意識を向けるような手法があります。

自分にとっては、未来のその状態こそ当たり前だ、と。
自然な状態を維持しようとする働きを利用して
目標の状態へ無意識的に進んでいこう、という話です。

このような説明において詳しく語られない内容として、
「現状の気持ちはどうなのか?」という部分があります。

世間には様々な成功法則がありますし、
好きな人であれば知識も多いことでしょう。

すると、「目標をありありとイメージすると叶う」とか
「心に強く描いた未来が引き寄せられる」とかいった内容の
目標達成の方法も聞いたことがあると推測されます。

そのような印象を持っていると、
この「目標の状態が当たり前になるように設定する」方法も、
それができると自然に目標とする未来がやってくる…
といった解釈をしがちだと思われます。

詳しい説明は読んだ記憶がありませんが、総合的に判断すれば、
「目標の状態が当たり前」になると、むしろ、
現状は不満と焦りで溢れてくるはずです。

目標とする状態でいることが当然なんですから。
今の状態では、いてもたってもいられないでしょう。

普段の学校の成績がトップクラスの生徒が
あるとき、テストで良くない点数を取ったとしたら
とても残念な気持ちを味わい、不安と焦りを強く感じ、
その結果として、次のテストで挽回できるように勉強をするはずです。

「このままじゃヤバイ!」と感じるはずなんです。
だから、そこから抜け出そうとして必死で行動する。
結果として、当たり前の状態まで戻っていくことになります。

目標とする状態が当たり前になると、
目標から離れている現状は不快で耐えがたいものになる。
つまり、とても嫌な気持ちになると考えられます。

そして行動をするようになります。

目標が当たり前と思えるように意識を調正する成功法則は、
現状への不満を高めて、ひたすら行動に突き動かし、
「やらずにはいられない」ような自然な努力によって
結果を手に入れようという発想だと言えます。

大変だと思います。
でも、本当に目標とする状態が当然のことになれば、
そうでない現状は耐えがたい不満となって、
強烈なモチベーションで突き進めることでしょう。

それを続けていれば、目標は達成できると思います。

ただ、その過程で幸せを感じられるかといえば
そうじゃない気がするんです。

だから僕は、そういう人たちを応援したくなるんでしょう。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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