2013年08月24日

覚え方

中学校の頃、僕は塾に通っていました。
英語、数学、国語の3教科。

確か、中3あたりから理科・社会もやった気がしますが
ずっとメインは3教科でした。

宿題もやるのが当然だと思っていましたし、
授業中にも沢山の問題を解く時間がありました。
(あくまで、当時の印象ですが)

ですから、そこそこ「問題練習」をやっていたんです。

英語は覚えるものもありましたが、”暗記”という感じの自覚はなく
むしろ練習問題を解いているうちに覚えていった感じでした。

そして国語と数学は、さらに問題を解くだけといった印象があります。
とにかく練習。

その頃は「練習」や「訓練」だとは思っておらず
「やらないといけないこと」だと捉えていたので
一切疑わずに淡々と課題をこなしていました。

そのおかげで学校の勉強は楽だったような気がします。

中間テストや期末テストの前に、
数学や国語、英語の”テスト勉強”をした覚えはありません。

国語の漢字ぐらいは復習したかもしれません。

他にもやっていた可能性はゼロではないですが
思い出せる範囲ではないんです。

むしろ、テスト勉強といえば他の科目が中心でした。

理科と社会です。
とくに社会は”暗記”が多かったので。

中学の頃の理科も暗記科目と位置づけていたと思います。

テスト一週間か、もうちょっと前ぐらいから
暗記の作業を続けていました。

プリントや教科書のキーワードをピンクの色鉛筆で書いて
赤い下敷きで隠してチェックする。

あるいは、
赤いペンでキーワードにマークして(塗りつぶすように)
緑色のシートをかぶせて隠す(黒くなって見えなくなる)
…といったことをやって、見て覚えていました。
(「チェックペン」とかいう商品だったかも)

その他の「技術・家庭」、「音楽」、「保健体育」、「美術」は
文字通り”一夜漬け”だったように記憶しています。
まぁ、せいぜい2日前ぐらいから勉強スタートでした。


理科、社会のほうが、美術や保健体育などよりも
ずっと覚える量が多かったとは思います。
試験範囲が広かった。

だから、美術や保健体育は一夜漬けで対応できて
理科、社会は一週間をかけていたんでしょう。

でも、今から振り返ると、それ以外の要素もありそうに思えます。

理科と社会は”暗記グッズ”を作って、見て覚えていた。
美術や保健体育は、教科書を見ながら書いて覚えていた。

その違いもありそうです。


そして高校に進学。
今度は塾に通いませんでした。

水曜日と日曜日以外は部活があって、
帰宅後は英語の予習に追われる毎日でした。

付属校だったこともあって大学受験を意識していないカリキュラムのため
なぜか英語への力の入れ方が大きかったんです。

ルール上、「ニュー・ホライズン」か何かを買わされましたが、
3年間で一度も開いていません。

その他に毎年2冊の教科書(?)がありました。

確か、英語は3科目に分かれていて
1つは週一回のリスニングと発音の練習。
他の2つは読解でした。
それが週に5コマ。

毎日英語の授業があったんです。
そして週5は読解。

文学寄りの科目と、論述寄りの科目だったのかもしれません。
ペーパーバックのような英語の本を読むだけの授業。

一文ずつ読んで訳すだけのような感じだった気がします。

中学の英語からすると大きな差を感じていました。
知らない単語ばっかりが出てくる。

それでも単語の種類は制限されるように
書き直された本だったとは思います。

じゃないとシェイクスピアの4大悲劇なんて読めるはずがないので。

で、毎日家に帰ってすることといえば
ひたすら”教科書”扱いの本を翻訳すること。

1ページを拡大コピーしてノートの左半分に貼りつけ、
知らない単語にアンダーラインを引いて、別冊の単語ノートを作り
ノートの右半分に全訳を書く、という作業を繰り返しました。

それが予習だったんです。
そうしないと授業についていけませんでしたから。

それで授業で解説を聞いて、間違いを修正する、と。

なので、長文を読んで日本語に訳すことは
高校時代で随分慣れたと思います。

で、定期テスト。

中学時代の理科・社会の暗記とは打って変わり、
高校では、英単語の暗記が必須になりました。

単語ノートを片っ端から覚える。

このとき、「書いて覚える」方法が、僕の主流になったんです。

英単語そのものと意味を眺めながら、発音を呟きつつ、手を動かす…
知らないうちに五感をフル活用する方法を使っていたようです。

そして自然と、生物や地学などの暗記科目でも
教科書のポイントを眺めながら、書いて覚えるようになっていました。

ここで、僕の「覚える」作業の土台ができたようです。

この「書いて覚える」方法は、大学のテスト勉強まで使っていました。


大学で研究室に入ってから、会社で研究職として働いていた頃まで
論文を読む機会や、複数の論文を調査してまとめるような機会が
何かと多くなっていました。

自分の研究のための関連情報として、
専門分野の基礎知識として、
同僚に発表して教えるための内容として、
覚えておくべきことは沢山あったんです。

とはいえ、わざわざ書いて”暗記”するわけでもない。
テストがあるわけじゃないですから。

なので、この頃に「読んで覚える」という方法も身につけたようです。

周辺の情報と関連づけながら整理して読む。
そうやって整理したものを、発表したり教えたり、
実験結果の解釈の根拠に使ったり…
「読んで入手した情報を、実際に使う」ことで覚えていったんでしょう。

おそらく今では、こちらの「読んで覚える」のほうが
僕の記憶法のメインになっているんじゃないかと思えます。

情報同士の関連づけを増やして、引き出しやすくするスタイルです。


ところが。

やっぱり英単語を覚えるとなると、
高校時代にやっていた方法が好都合なようなんです。

最近は英単語のスペルのパターンのようなものを把握してきたようなので
発音と単語の意味さえ一致させられれば書けることが多い気がしますが、
それでも「手を動かす」ときの体感覚を使いながらのほうが覚えやすい。

体感覚から暗記モードが引き出されるのかもしれません。

そして、しばらく書いたら、こまめにテストを繰り返します。

覚えたかどうかをチェックする作業で
「あぁ、覚えていなかった…」という残念な感情を引き出して、
その感情を利用して再び暗記作業、という流れ。

「何度も繰り返して練習するだけよりも、
 テストを繰り返したほうが学習効果が高い」
ということは心理学の実験で調べられていますが、
これも「どうやったら覚えられるか」を求めて勉強していた
高校時代から使い始めた方法でした。

どうも自分には合っているような気がします。


とはいえ、やっぱり英単語は日本語よりも大変な感じを受けます。
パッと見の字面が似通ってしまいますから。

日本語には漢字と仮名があって、便利だなぁと実感。
特に大人になると知らない言葉でも、
漢字の意味から言葉のニュアンスを推測できたりします。
これは実に便利。

たしかに英語でも、語根や接頭辞、接尾辞を見れば
意味を推測できるものもありますし、
単語同士の組み合わせで作られたものなんかもあります。

一方で、文語で使われるようなものや
文字数の少ないシンプルな単語になると、
パターンが想像できないので覚えるのが大変です。

ですから、ある程度は頑張って覚えて、
実際の文脈の中で出てきたときに
 「あ、これ覚えたつもりだったけど、何だっけなぁ…」
と感じながら辞書で調べなおして、
 「あぁ、そうそう!」
といった流れを繰り返していく必要があるのかもしれません。

書いて覚える作業で記憶として『保存』して、
実際の文章中で見かける経験を重ねるうちに関連づけを増やし、
『保存』されている記憶が『引き出され』やすくする。

ただ記憶の中に入れ込む作業と、
記憶から引っ張り出す作業と、
両方やるのが効果的なんじゃないか、と。

僕の場合、『保存』のほうは「書いて覚える」で、
『引っ張り出す』のほうは「読んで、実際に使って覚える」で、と
分けてやっているようなところがありそうです。

cozyharada at 23:40│Comments(0)TrackBack(0)clip!心理学 | NLP

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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