2015年07月23日

歴史の見方

何年ぶりでしょうか、歴史の本を読んだのは。

少なくとも高校生以来だと思いますが、
高校のときは歴史に全く興味がなかったので
期末テストのときにさえ、ろくに読んだ覚えがありません。

まぁ、ちょっと変わった歴史の先生が多かったので
教科書をそもそも使っていなかったような気もしますが。

ですから、僕の歴史の知識は中学校ぐらいで止まっていました。

それ以後は、話の流れで断片的に情報を仕入れるぐらいで
全体の動きとしての歴史については何も知らなかったと思います。

最近、アメリカの近代史(南北戦争以後)の本を読んでいた関係もあって
少しだけ全体像を復習してみようと思いました。

で、買った本がこれ。



他にも大学受験向けの世界史の参考書を二冊買いました。

高校で習うレベルの知識だって、「復習」どころか
知らないことばかりといった印象でした。

特に僕にとって驚きだったのは、断片的な情報として残っていた出来事が
 どういう経緯で、
 どのような時代背景の中で、
 どんな動機によって起きたのか?
という部分。

歴史の繋がりが少しだけ見えた気がしました。
単なる出来事の羅列ではなく、物語が見てとれた感じです。

例えば、大航海時代では羅針盤が重要だったわけですが
その羅針盤は中国で作られたものが、モンゴル帝国の時代に
ヨーロッパへと伝わったものだったらしいんです。

そして当時の地中海ではオスマン帝国が強力だったため
地中海の西端・大西洋に面したスペインとポルトガルは
経済的な源を求めて大西洋へと航海を進めた、と。

それにルターの宗教改革が加わって、
アメリカ大陸への移動へ正当性が与えられる。

その裏には印刷物として情報を広めやすくするための
活版印刷技術が必要になっていた…。

そんな感じで沢山の要素が入り混じって
当時の人々の物語があったようなんです。

こういうところが少しでも見えてくると
歴史の勉強も多少は楽しかったのかもしれません。

もしかすると、高校生ぐらいの理解力、想像力、知識量では
物語を描くことさえ困難だった可能性もありますが。


ともあれ、上に挙げた本は、その辺りの物語を
簡潔に情報を減らしながらも描こうとしている点で
読みやすく、納得感の高いものだと感じました。

と同時に、歴史の本を眺めてみて改めて痛感することもありました。

それは、
 そもそも社会を全体として見ていない
ということです。

例えば、僕がテレビのニュースで見てきた
ベルリンの壁の崩壊や、ソビエト連邦の解体、湾岸戦争なども
今では、歴史の出来事として教科書に載っているわけです。

歴史を分かりやすく書いた本でも、その辺りまでは「現代史」として
含まれる範囲になっているようです。

しかしながら、その部分を改めて本から読んでみると
実際に自分がニュースで見ていた「知っているはず」の出来事であっても
全く違った意味のものとして解説されています。

つまり、自分が生きている時代に起きた出来事だって
その社会的な意味は全くと言っていいほど分かっていない、ということ。

もしかしたら当時から社会情勢に興味を持って
事情を理解しようとして情報収集していた人達であれば、
現代史の部分なんて「随分と粗っぽくまとめてあるなぁ」ぐらいに
思えるものなのかもしれません。

ですが普通にテレビニュースをボーっと眺め、
「そういうことが遠くで起きているんだなぁ」ぐらいに感じながら日常を送り、
自分や自分の国に関係しそうな部分だけが強調されたニュースを見ていれば
その歴史的出来事に関する記憶は、非常に偏ったものになるはずです。

おそらく当時のベルリンに住んでいた人達にとっての「ベルリンの壁の崩壊」は
物凄く大きな意味を持った出来事だったのでしょうし、
大きく心が動いた瞬間として今も思い出に刻まれていると想像します。

一方で、当時の共産主義の国で政治をしていた人達や
その動きに関わりながら対立していた国の立場からすれば
同じ「ベルリンの壁の崩壊」という出来事も、全く違った意味を持ったことでしょう。

それは日本にいながら部外者としてニュースを眺めていた人とも違うはずです。

そして、それらの立場のうち、どこか1つから見た出来事の意味を述べても
その解釈は社会全体を説明したものにはならないと考えられます。

家族療法やNLPでは
 「自分」、「相手」、「第三者」の立場を全て把握する
ということが
関係性を整える上でのカギとして強調されますが、
社会や歴史的イベントを理解するうえでも同様に
様々な立場から出来事を見ていく必要があるように感じます。


そのためにも個人的には、歴史の流れを
関係する様々な要素や、それぞれの関係と共に並べる形で
一覧できるようにして理解したい気になります。

年表が出来事の流れになっているのが不満なんです。

要素ごとに年表を作り、それぞれの影響を書きこむ。

例えば、
・生活スタイル
・環境(気候、土地など)
・思想
・宗教
・経済
・政治
・発明
・科学/科学技術
・欲求(不満、欲望)
といった要素を、各地域・集団ごとに時代の流れとして整理する。

当然、そこには地域間の関係性も書き込まれる必要があるんでしょう。

そのうえで、各要素間の相互作用として
・動機づける要因
・可能にした要因
・促進/抑制した要因
あたりを記入していくと、
歴史的な出来事に繋がる人々の行動や
その裏にあった気持ちが見えてくると思われます。

それらを踏まえて、歴史的な出来事を追記していく。

そんな感じの、地図と年表が一体になった資料があれば
歴史の物語を一覧として眺められるのではないかと思うんです。

そうしたら歴史の教科書や本によく見られるような
時期が進んだり戻ったりするような複雑さや、
どこか一局面だけを切り取ったような断片的理解は
避けやすくなるんじゃないでしょうか。

どこかにそんな風な整理の仕方をしたものはありませんかね?

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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