2015年07月31日
循環
ネットのニュースで見ましたが、なんでも
イタリアの企業が新たな遺体の埋葬のプロジェクトを発表したんだとか。
人間の遺体を木の養分となるように、木の下に安置して
そこに人々の思いが詰まった森を作る、というコンセプトだそうです。
イタリアでは違法にあたるとのことで政府は認めていないとのことですが、
それ以上に僕には気になるところがあったので、チョット調べてみました。
林産試験場の資料によると、
木の重量のうち
49.5%が炭素、
44.0%が酸素、
6.0%が水素
です。
炭素、酸素、水素で99.5%。
窒素は0.1%しかありません。
これが人間の場合は
酸素 65%
炭素 18%
水素 10%
窒素 3.0%
カルシウム 1.5%
リン 1.0%
となります。
(wikipedia の数値を元に計算)
動物である人間は水を大量に含みますから酸素の比率が高く、
植物である木は炭素の割合がとても高いことが見て取れます。
そして植物が成長するとき、
酸素、水素は主に土壌中の水から取り込まれ、
炭素は光合成によって空気中の二酸化炭素から取り込まれます。
木を形作っている材料の99%以上は、空気と水からできていて、
そのエネルギーの大部分は光から来ているということです。
一方、植物にとって重要とされる元素が窒素、リン、カリウムで
これらが肥料の三大要素と言われるそうです。
その他にもカルシウムや、微量の金属元素も必要となります。
こうした元素は根っこを通じて地中から吸収して
植物の体を作るのに使われる。
農作物を作る場合、これらの元素は作物に取り込まれますから
収穫するたびに土壌中から必要な養分が減っていくことになります。
だから農業では何かしらの肥料が必要になるわけです。
農業や林業ではなく、ただ自然に生まれる森や林となると、
木が朽ち果てた土壌には、そこに生えていた木に使われていた
窒素や、リン、カリウム、カルシウムなどが戻って循環しているはずです。
普通にイメージされる黒っぽい土には、そもそも
植物にとって必要な元素のある程度が含まれている、ということです。
その土壌から作られた植物を人間が刈り取って、
その土地から移動させてしまうから土から栄養分がなくなり、
だからこそ肥料が必要になる。
そういう仕組みを思い浮かべたとき、
土に植えた木の苗が育つにあたっての構成要素はどこから来るのか?
…と、思えてきてしまうんです。
肥料として使われる窒素やリンは土壌を補助するものであって、
そもそも木を植えるような土壌にはそれなりの養分が含まれている。
そして植物の体の大部分を構成する炭素は
空気中の二酸化炭素から取り込まれている。
動物同士の食物連鎖をイメージすると栄養が循環しているように思えますが、
植物にとっては二酸化炭素を経由するところが大きいんです。
ですから…。
木の下に埋葬したとして、その上に育った木を形作っているのは
大部分が埋葬とは関係ないものなんじゃないか?と。
木に水を与えなければ、水分の由来にはなりそうですが、
森にしてしまったら雨由来の水のほうが多くなるでしょうし。
おそらく、動物が土に還るときは、その大部分が微生物に使われます。
そして土中の微生物として、あるいはその微生物から出された成分として
土になっていくんでしょう。
土の中の有機物は、菌類の生育には大きく関係しますから
キノコなんかは影響が大きいはずです。
あとは土中の微生物を利用する小さな動物(虫などの類)の体に使われる。
そして動物経由で循環すると考えられます。
土に還った後は、その上に育っていく木よりも
むしろ他の形で様々な生物に循環していくのではないでしょうか。
本当にバラバラになって、全体に溶け込んでいくような感じだと思います。
土の上に植えた木に命が使われていくように思いたいのは、
そこに1つの切り離された形を見たい人間の気持ちの反映なんでしょう。
たぶん、実際はもっと自然という全体そのものに還るんです。
薄まってしまうような気もするかもしれませんが、
逆にいえば、どこにでもその一部が存在しているとも考えられそうです。
イタリアの企業が新たな遺体の埋葬のプロジェクトを発表したんだとか。
人間の遺体を木の養分となるように、木の下に安置して
そこに人々の思いが詰まった森を作る、というコンセプトだそうです。
イタリアでは違法にあたるとのことで政府は認めていないとのことですが、
それ以上に僕には気になるところがあったので、チョット調べてみました。
林産試験場の資料によると、
木の重量のうち
49.5%が炭素、
44.0%が酸素、
6.0%が水素
です。
炭素、酸素、水素で99.5%。
窒素は0.1%しかありません。
これが人間の場合は
酸素 65%
炭素 18%
水素 10%
窒素 3.0%
カルシウム 1.5%
リン 1.0%
となります。
(wikipedia の数値を元に計算)
動物である人間は水を大量に含みますから酸素の比率が高く、
植物である木は炭素の割合がとても高いことが見て取れます。
そして植物が成長するとき、
酸素、水素は主に土壌中の水から取り込まれ、
炭素は光合成によって空気中の二酸化炭素から取り込まれます。
木を形作っている材料の99%以上は、空気と水からできていて、
そのエネルギーの大部分は光から来ているということです。
一方、植物にとって重要とされる元素が窒素、リン、カリウムで
これらが肥料の三大要素と言われるそうです。
その他にもカルシウムや、微量の金属元素も必要となります。
こうした元素は根っこを通じて地中から吸収して
植物の体を作るのに使われる。
農作物を作る場合、これらの元素は作物に取り込まれますから
収穫するたびに土壌中から必要な養分が減っていくことになります。
だから農業では何かしらの肥料が必要になるわけです。
農業や林業ではなく、ただ自然に生まれる森や林となると、
木が朽ち果てた土壌には、そこに生えていた木に使われていた
窒素や、リン、カリウム、カルシウムなどが戻って循環しているはずです。
普通にイメージされる黒っぽい土には、そもそも
植物にとって必要な元素のある程度が含まれている、ということです。
その土壌から作られた植物を人間が刈り取って、
その土地から移動させてしまうから土から栄養分がなくなり、
だからこそ肥料が必要になる。
そういう仕組みを思い浮かべたとき、
土に植えた木の苗が育つにあたっての構成要素はどこから来るのか?
…と、思えてきてしまうんです。
肥料として使われる窒素やリンは土壌を補助するものであって、
そもそも木を植えるような土壌にはそれなりの養分が含まれている。
そして植物の体の大部分を構成する炭素は
空気中の二酸化炭素から取り込まれている。
動物同士の食物連鎖をイメージすると栄養が循環しているように思えますが、
植物にとっては二酸化炭素を経由するところが大きいんです。
ですから…。
木の下に埋葬したとして、その上に育った木を形作っているのは
大部分が埋葬とは関係ないものなんじゃないか?と。
木に水を与えなければ、水分の由来にはなりそうですが、
森にしてしまったら雨由来の水のほうが多くなるでしょうし。
おそらく、動物が土に還るときは、その大部分が微生物に使われます。
そして土中の微生物として、あるいはその微生物から出された成分として
土になっていくんでしょう。
土の中の有機物は、菌類の生育には大きく関係しますから
キノコなんかは影響が大きいはずです。
あとは土中の微生物を利用する小さな動物(虫などの類)の体に使われる。
そして動物経由で循環すると考えられます。
土に還った後は、その上に育っていく木よりも
むしろ他の形で様々な生物に循環していくのではないでしょうか。
本当にバラバラになって、全体に溶け込んでいくような感じだと思います。
土の上に植えた木に命が使われていくように思いたいのは、
そこに1つの切り離された形を見たい人間の気持ちの反映なんでしょう。
たぶん、実際はもっと自然という全体そのものに還るんです。
薄まってしまうような気もするかもしれませんが、
逆にいえば、どこにでもその一部が存在しているとも考えられそうです。