2015年09月29日

巻き込まれ力

どうも近頃、ペーシングを自然にするようになっているというか
他人に同調することで影響を受けやすくなっている気がします。


先日、とてもテンションが高く、よく話す知人と一緒になったときも
その人が隣の席に座っていると、僕も楽しい感じになりました。

もちろん久しぶりに会った楽しさはありますが、
体のリズムや僕自身のテンションとして感じられるものに
普段ではどんなに楽しくても体験しない種類のものがありましたから、
おそらく、その人のテンションに巻き込まれていたと考えられます。

丁寧に体の使い方を真似して(いわゆるモデリング)、
その人の内面に近いものを感じられるのと似ています。

モデリングをすると普段と全く違う姿勢や
動作のスピード感、力感やリズム感などを通じて
内面的に感じられる気分が自然と変わるものなんです。

僕としては意識的に丁寧に真似をしているつもりはないですし、
ましてや姿勢が一緒になっていたとは思いませんが
それでも近くにいると、その人のテンションと同じような感じになるようです。

きっと、そのときの様子をビデオにとって客観的に観察したら
僕とその人のリズムや雰囲気はかなり近づいていただろうと想像できます。

その場でも同時に少し自分を客観的に分析している視点がありましたから
普段だったら体験しないような楽しさを体感覚で味わっているのが
実感として気づけるぐらいの違いだったといえるでしょう。

「あぁ、こんな風にウキウキした状態でいられたら楽しいだろうなぁ」
と感じていたものです。

また、つい先日も、久しぶりの打ち合わせで
普段の自分では体験しないような元気でアグレッシブな感じを味わいました。

いつもよりも言葉数が多かったでしょうし、声も大きめだったと思います。

会う人の雰囲気によって自分の気分が変わる度合いが
なんだか随分と大きくなっている印象を受けるんです。


語学に関しても、この影響が大きくなっている気がします。

ネイティブスピーカーと話すときのほうが圧倒的にスムーズなんです。
外国語の講座だと、日本人同士で会話の練習をしたりしますが
ここでもやはり影響を受けているように感じます。

もしかしたら英語で独り言をいうよりも
日本人と英語で話すほうが苦手かもしれません。

ネイティブと話すと、そっちに助けてもらえて、
日本人と話すと、日本語感覚に引っ張られてしまう。
そんな事態が起きているんじゃないか、と。

今年の4月ぐらいから再開したフランス語についても
ネイティブが近くにいるとパフォーマンスを活性化してもらえる感じを受けます。

もちろん、全く持っていないものは使えないと思いますが、
何かしらの形でインプットしたものは、フランス人が近くにいると
自然と引っ張りだしてもらえるみたいなんです。

「なんか、こんな風に言いそうだな」と思いながら、なんとなく口をついて出たものが
意外と文法的にも言い回しとしても自然なものだったりする。

4月から3カ月ぐらい講座が続いて、2か月ぐらいの中断があって、
その間に自分で勉強していたものが記憶の中には蓄積しているんでしょう。

そうやって記憶した情報を引っぱり出すときに
ネイティブの状態に巻き込んでもらえると
どうも言葉の繋がりがスムーズになるように感じられます。

催眠術で「英語が話せるようになる」という暗示を入れると
急にペラペラと英語で話しだす人がいる…
というのに近いんじゃないでしょうか。

知識として蓄積している英語があって、フレーズとしても聞いたことがあって
あまり意識としてアクセスされにくい記憶に英語が残っている。

普段の状態だとそこにアクセスできなくて、一生懸命に「考える」作業で
英語の文章を「作ろう」としてスムーズに言葉にならない。

ところが、催眠で「話せる」という状態になりきると、
文章を考えて作ろうとする状態が抑えられて、
代わりに記憶の中にあったフレーズを再現しやすくなる。

催眠術では、そんなことが起きていると考えられます。

それと似たように、フランス人と一緒にいるときには
考えて文章を作ろうとする程度が小さくなるように思えるんです。

記憶が自然とアウトプットされやすい状態とでもいいましょうか。

相手に巻き込んでもらえるメリットの1つでしょう。


語学に関しては、この状態を上手く利用してトレーニングしたいものですが、
逆に振り返ってみると、近頃の自分は他人からの影響の度合いが大きく、
自発的な心の動きが少ないような気もするんです。

気分や心理状態の変化が、巻き込まれによるところが大きい。

楽しい人が近くにいれば楽しくなるし
元気な人が近くにいれば元気になるので、
それはそれで良いんですが…。

はたして、それは「自分が楽しい」と言えるんだろうか?
といった疑問が頭をよぎりることがあります。

その意味でも、体を動かすときの喜びを意識できたら
もう少し自発的な楽しさが感じやすくなるのかもしれないと思っています。

ですからチョットだけ運動の機会を作ろうかなぁ、と。

涼しくなってきたので歩くぐらいは心がけてみたいものです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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