2016年11月07日

旅の物語

NLPに関連するものとして「ヒーローズ・ジャーニー」というのが知られています。

ジョゼフ・キャンベルという神話学者が
世界各国の神話に共通するストーリー展開として
「英雄の旅」というパターンを見つけた、と。

スターウォーズがこの流れを取り入れたストーリーとして有名で、
人間に普遍的なものだからこそ多くの人の心に響く、というわけです。

NLPにおいては、
自分の人生を「英雄の旅」になぞらえることで
生き方の態度を見直したり、方向性を発見したり、
行き詰った現状を打破したり、必要な課題を見つけたり…
という形で役立てようとしているようです。

まぁ、どんなストーリーでも自分の置かれている状況へのヒントにはなりますから
汎用性の高いメタファーのパターンとして有効だとは言えそうです。


ただし英雄の旅が、全ての神話に共通するパターンではないわけですし、
キャンベル自身も「ヒーローの物語」についての法則として調べたのでしょうから、
なんでもかんでもヒーローになぞらえるべきということでもない気がします。

実際、同じように「旅に出る」ストーリーの神話や逸話の中でも
ヒーロー的な話ではないものも数多くあるようです。

キャンベルがヒーローに興味を持っていたから「英雄の旅」をピックアップしたのか
それとも、他のパターンも見つけながら「英雄の旅」だけが有名になったのか、
そのあたりについては詳しくありませんが、
明らかに英雄の旅とは真逆の方向性の話も沢山あるんです。

つまり、
 主人公が何かを思い立って旅に出て、
 大事なものを見つけようと探究を続け、
 自らの誤りを思い知らされる出来事に遭遇して、
 本当に大事なものは最初から家にあったと気づく…、
 そして家に帰ってきて大事なものに満たされて過ごす
といった感じの流れ。


両者の共通点を探せば
 旅に出る
 課題に遭遇する
 帰ってくる
という部分で似ています。

しかし、
 何かを達成するのか
それとも
 勘違いに気づくのか
という点では大きく異なります。

旅の目的を達成するほうに主眼が置かれているのが英雄の旅。
一方で、旅を通して「本当に求めているものは最初からあった」と
当初の目標設定の誤りを思い知らされるパターンもあるようなんです。

英雄の旅のほうでは、達成までのストーリーが魅力的で
帰ってくるあたりはエピローグ的な印象を受けますが、
別のパターンでは帰ってきてからのほうが
いよいよ素晴らしい展開に進もうとする感じでしょうか。


確かにアメリカンドリームに代表されるように
「手に入れる」、「達成する」の方向性が
魅力的に映る文化もあるんでしょう。

世の中には様々な神話・逸話があって、
ある段階の人に響くメタファーとして
いくつものパターンが語り継がれて来たんだと思われます。

ヒーローに心が躍るタイミングであれば
旅に出て使命を達成する展開に注目する。
一方で、ホームに戻るタイミングもあり、
その時期には英雄の旅とは違ったストーリーが響く。

そんなバリエーションがありそうです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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