2019年06月02日
トラブルの捉え方
先日のアメリカ滞在の最中、
国内線の飛行機移動で意外な展開を目撃しました。
瞑想から帰ってきて、目的地の美術館があるところへ
飛行機で移動していったんです。
現地の到着は乗り継ぎとかもあって深夜0時頃。
予定通りに飛行機は着陸して、
ターミナルへ向かって地上を走行していきました。
そして減速が始まって、建物に近づき
もうすぐ飛行機が止まる…
そんなタイミングです。
前から2番目の席に老夫婦が座っていたんです。
通路側にお爺さん。
いかにもアメリカ人です。
70から80歳ぐらいでしょうか。
体重は130-140kg はありそうな感じ。
ルーズな太り方とでもいいますか、
身体への意識が低く、自制心も効かなそうな雰囲気でした。
実際、機内でも新聞を読んだり、スマホを見たりしながら、
ダラダラと何かを食べ続けていました。
食べることへの意識も低く、
なんとかく口を動かしているだけ。
で、そのお爺さんが、飛行機が着陸したとき
早々にシートベルトを外したんです。
まだ機内のシートベルト着用サインは点灯中。
「完全に停止するまで…」みたいなアナウンスもありました。
まあ、早めにシートベルトを外す人は日本にもいます。
早く立ち上がって荷棚から荷物を取りたいのでしょう。
ただ、その人の場合は少し違うようでした。
待つのが嫌なのかもしれません。
そして飛行機がターミナルに近づき、
地上走行のスピードが落ちてきたあたりのこと。
まだ停止する前に、そのお爺さんが立ち上がりました。
そして通路へ出てきたんです。
たしかに減速していて、
もうすぐ止まりそうな雰囲気ではありました。
が、停止する際に多少の急ブレーキというか、
電車が止まるときのように
最後の最後で減速が強まったんです。
慣性が働きます。
前側に向けて加速度がかかる。
そのとき、すでに通路へ立っていたお爺さんが
ヨタヨタと前によろめきました。
年齢的に体力が落ちているのと、体重の重さとで
よろめいた自分の身体を支えきれません。
それでバタッと、そのまま前に倒れました。
しばらくは皆んな、「何やってんだ、まったく」
みたいなムードで冷ややかに見ていたんですが、
一向に起き上がってこないので様子が変わってきます。
どうやら単純に自分では起き上がれない様子。
脳震盪とかではなく、いくらかの精神的混乱と
自分の体重で押し潰されて呼吸困難なのと、
そもそも筋力が足りないのとで
突っ伏したままの時間が続きました。
最初は恥ずかしそうにしていた奥さんも
通路へ出てきて手をこまねいています。
女性の客室乗務員は自分で起こさないと判断して
男性客室乗務員を奥から一人呼び寄せ、
さらに乗客が手伝って、かつぎ起こしたんです。
ズボンの左足の太腿あたりに血が染みていました。
切り傷というよりは、皮膚が敗れた状態でしょう。
起き上がったその人の顔は呼吸困難のせいで真っ赤でした。
フゴフゴ呼吸をしながら椅子につかまって身体を支えていると
地上スタッフが車椅子をもってやってきました。
飛行機の扉はすでに開いていたわけですが、
その人のトラブルによって出られない状況だったようです。
そして車椅子に載せられ、空港の建物へと運ばれていく老人。
なぜか奥さんの分の車椅子も用意されています。
そのお婆さんも、最初は恥ずかしそうにしていたのに
お爺さんへの苛立ちと、心配とが重なり
やり場がなくなった気持ちを制御できなくなって
周りに当たり始めていました。
ようやく老夫婦が飛行機を出て、
他の乗客も降りることができたのは
飛行機停止から10分後ぐらいだったでしょうか。
深夜着の便で、少しでも早く帰りたかったのかもしれません。
が、むしろそのトラブルで遅くなった形。
僕はその日、空港直結のホテルを予約していたので
荷物を受け取ってホテルへと移動しました。
チェックインカウンターで待っていると
そこへ航空会社の制服を着た集団が。
見覚えのある顔がいくつかありました。
ちょうど載っていた飛行機のクルーのようです。
チェックイン待ちの間、クルー達の話題は
先程の老人のトラブルについて。
「なんだったんだ?」
「停止前に立ち上がって勝手に転んだ」
「なんだか訴えるとか言ってる」
「はあ?先に立ったのは本人だろ?」
「よく分からないけど、航空会社の責任だとか言ってる」
…そんな会話をしていました。
どうやら自分の非は棚に上げて
激怒していたようです。
どういう思考パターンなのか、
どんな学習をしてくると、そういう行動に繋がるのか、
どんな環境で生きてきたのか。
色々と気になります。
初めて遭遇した経験です。
文化の違いは、こんなところにも表われるみたいです。
国内線の飛行機移動で意外な展開を目撃しました。
瞑想から帰ってきて、目的地の美術館があるところへ
飛行機で移動していったんです。
現地の到着は乗り継ぎとかもあって深夜0時頃。
予定通りに飛行機は着陸して、
ターミナルへ向かって地上を走行していきました。
そして減速が始まって、建物に近づき
もうすぐ飛行機が止まる…
そんなタイミングです。
前から2番目の席に老夫婦が座っていたんです。
通路側にお爺さん。
いかにもアメリカ人です。
70から80歳ぐらいでしょうか。
体重は130-140kg はありそうな感じ。
ルーズな太り方とでもいいますか、
身体への意識が低く、自制心も効かなそうな雰囲気でした。
実際、機内でも新聞を読んだり、スマホを見たりしながら、
ダラダラと何かを食べ続けていました。
食べることへの意識も低く、
なんとかく口を動かしているだけ。
で、そのお爺さんが、飛行機が着陸したとき
早々にシートベルトを外したんです。
まだ機内のシートベルト着用サインは点灯中。
「完全に停止するまで…」みたいなアナウンスもありました。
まあ、早めにシートベルトを外す人は日本にもいます。
早く立ち上がって荷棚から荷物を取りたいのでしょう。
ただ、その人の場合は少し違うようでした。
待つのが嫌なのかもしれません。
そして飛行機がターミナルに近づき、
地上走行のスピードが落ちてきたあたりのこと。
まだ停止する前に、そのお爺さんが立ち上がりました。
そして通路へ出てきたんです。
たしかに減速していて、
もうすぐ止まりそうな雰囲気ではありました。
が、停止する際に多少の急ブレーキというか、
電車が止まるときのように
最後の最後で減速が強まったんです。
慣性が働きます。
前側に向けて加速度がかかる。
そのとき、すでに通路へ立っていたお爺さんが
ヨタヨタと前によろめきました。
年齢的に体力が落ちているのと、体重の重さとで
よろめいた自分の身体を支えきれません。
それでバタッと、そのまま前に倒れました。
しばらくは皆んな、「何やってんだ、まったく」
みたいなムードで冷ややかに見ていたんですが、
一向に起き上がってこないので様子が変わってきます。
どうやら単純に自分では起き上がれない様子。
脳震盪とかではなく、いくらかの精神的混乱と
自分の体重で押し潰されて呼吸困難なのと、
そもそも筋力が足りないのとで
突っ伏したままの時間が続きました。
最初は恥ずかしそうにしていた奥さんも
通路へ出てきて手をこまねいています。
女性の客室乗務員は自分で起こさないと判断して
男性客室乗務員を奥から一人呼び寄せ、
さらに乗客が手伝って、かつぎ起こしたんです。
ズボンの左足の太腿あたりに血が染みていました。
切り傷というよりは、皮膚が敗れた状態でしょう。
起き上がったその人の顔は呼吸困難のせいで真っ赤でした。
フゴフゴ呼吸をしながら椅子につかまって身体を支えていると
地上スタッフが車椅子をもってやってきました。
飛行機の扉はすでに開いていたわけですが、
その人のトラブルによって出られない状況だったようです。
そして車椅子に載せられ、空港の建物へと運ばれていく老人。
なぜか奥さんの分の車椅子も用意されています。
そのお婆さんも、最初は恥ずかしそうにしていたのに
お爺さんへの苛立ちと、心配とが重なり
やり場がなくなった気持ちを制御できなくなって
周りに当たり始めていました。
ようやく老夫婦が飛行機を出て、
他の乗客も降りることができたのは
飛行機停止から10分後ぐらいだったでしょうか。
深夜着の便で、少しでも早く帰りたかったのかもしれません。
が、むしろそのトラブルで遅くなった形。
僕はその日、空港直結のホテルを予約していたので
荷物を受け取ってホテルへと移動しました。
チェックインカウンターで待っていると
そこへ航空会社の制服を着た集団が。
見覚えのある顔がいくつかありました。
ちょうど載っていた飛行機のクルーのようです。
チェックイン待ちの間、クルー達の話題は
先程の老人のトラブルについて。
「なんだったんだ?」
「停止前に立ち上がって勝手に転んだ」
「なんだか訴えるとか言ってる」
「はあ?先に立ったのは本人だろ?」
「よく分からないけど、航空会社の責任だとか言ってる」
…そんな会話をしていました。
どうやら自分の非は棚に上げて
激怒していたようです。
どういう思考パターンなのか、
どんな学習をしてくると、そういう行動に繋がるのか、
どんな環境で生きてきたのか。
色々と気になります。
初めて遭遇した経験です。
文化の違いは、こんなところにも表われるみたいです。