2019年06月19日

味に飽きるかどうか

脂ものを控えるようになって約2か月。
そんな食生活にも慣れてきました。

内容はいたって単調です。

以前だったら同じような食事は飽きてしまっていたでしょうが、
なぜか最近は毎日同じでも大丈夫になったようで。

キムチは唐辛子の負担が大きいことが感じられて
少し控えるようにしました。

千切りキャベツは僕の場合、あまり食物繊維としての効果が高くなく
サラダをたっぷり食べたつもりでもイマイチ状態が良くなかったので、
固形分の要素が大きい乱切りのキャベツやモヤシの量を増やしています。

カット野菜を買って、レンジで簡単に火を入れて
スープや味噌汁じたてにすれば時間も手間もかかりませんし、
キムチ以外で固形の野菜を多めにとることができます。

こちらもシンプルな味のものを日々リピートする状態。

何か違う味のものを求めるときがあれば
シリアルを食べて気分転換といったところで、
我慢している気分も感じません。

ただし、シリアルを豆乳で食べるのは馴染めなかったので
脂肪分ゼロをミルクプロテイン飲料で誤魔化しています。


思い返せば、僕の生まれ育った実家は
食事を重視する家庭だったんでしょう。

当時はそれが当たり前で何とも思っていませんでしたが。

毎日違うメニューなのは当然でしたし、品数も多かったようです。
家計のうち食費にかける比重は高かったはずです。

そのせいか、色々と違う味のものを口にするのに慣れていて
同じものをずっと食べ続けるというのは好きではありませんでした。

今でもハッキリと覚えているのは、
 土曜日、学校から帰ってきて食べる昼ご飯が
 ミートソースのスパゲティや焼きそば、素麺だったりすると
 なぜか一食分食べきれない
ということ。

量を調整してもらっても、途中で飽きてしまうのか
常に残してしまっていたものです。

夕飯のことを考えると、土曜日の昼に
子供の昼ご飯を工夫するのは負担だったんだろうと思います。

逆に言えば、母は平日に子供がいないときには
昼ご飯の品数を増やしていなかったのでしょう。

朝や夜には、かなり労力をかけて
品数を多くしてくれていたことがうかがえます。

祖父母同居の家で、専業主婦だった母は
かなりの時間を料理に費やしていたんじゃないでしょうか。

祖母が固いご飯が好きで、父が柔らかいご飯を好んでいたので
僕が子供の頃、自宅には炊飯器が2つありました。
固いご飯用と柔らかいご飯用の2台。

祖母は肉を食べない人だったので
夕飯のときも祖母のために別メニューが追加されていたのも日常。

当時は比較対象が無かったので、それが当たり前になっていましたが
大人になってみると随分と無理をして頑張っていたのだろうと思えます。

おかげで僕の脳は、味覚の刺激に対して
いわゆる馴化が起こりやすくなったようです。

同じ味が続くと、味覚の刺激に対しての反応性が落ちてきて
感度が落ちていく。

味を変えながらでないと飽きてしまう、というのは
そのあたりに理由があったんじゃないかと思われます。


それが今では飽きることが減ってきました。

ポジティブに解釈すれば
 目の前の体験を毎回、新鮮な状態でインプットしている
ということかもしれません。

同じだと捉えなくなっている、と。

「さっき食べた味」という記憶を参照する度合いが減って
口に入るごとに味覚の刺激を新しいものとして捉えている。
…そんなことが起きやすくなったようにも想像できます。

実際、僕は最近、味の体験を
見た目に左右されにくくなっているみたいです。

以前、4,5人で打ち合わせをしていた場に
知人がお土産としてケーキを買ってきてくれたことがありました。

といっても普通のケーキではなく、
お寿司の見た目をしたケーキ。

パッケージからスーパーの寿司のパックみたいな形でしたから
見た目だけでいうと、一瞬、お寿司をお土産に持ってきたのか
と思うほどでした。

なかなかよくできた見た目でした。
色を付けた桃の薄切りで作ったガリなんかも入っていて。

皆で1つずつ食べて味の感想なんかを話していたんですが、
多くの人は「混乱する」と言っていたんです。

頭がお寿司のつもりになっていて、
でも味はケーキなので、予想と違って変な感じがする、と。

おそらく止まっているエスカレーターを歩くときのように、
頭が予想する体感覚と実際の体験が異なっている
という話でしょう。

でも僕は、味に関してそういう違和感は全くありませんでした。
お寿司の味を見た目から予想することがないんでしょう。

純粋に味と匂いとして、マンゴー風味を体験していました。

僕は見た目情報から味を予測しなくなっているようです。


馴化には予測の要素が関わっているんじゃないでしょうか。
知っている体験として予測をするから、
刺激に対しての準備ができている状態。

有名な話としては、
 自分で「くすぐる」ことはできない
というのとも関係するはずです。

自分で「くすぐる」ことをしようとしても
その体験を予測してしまっているから
刺激を抑制してしまう、と。

子供の頃、同じ味だと飽きてしまってスパゲティが食べきれなかったのも
 見た目情報から味を予測して、味覚刺激への反応性を抑制する
ということが起きていたのかもしれません。

そう考えると、最近は体験の仕方が変わってきている、ともいえそうです。

記憶を頼りにして予測しながら食べる、という度合いが下がり
毎回の味を別物として体験している。

それは、NLPなどを通じて心や体験というものの実態を
深く掘り下げてきた影響のような気がします。

良いか悪いかは何とも言えませんが、少なくとも
食べて良いものを選ぶ必要が出てきた現状では
飽きずに同じものを食べられるようになったのはメリットのようです。

以前のように飽きっぽい味覚を保ったままだったら
今みたいな単調な食生活は無理でしょうから。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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