2019年09月21日
【札幌開催セミナー】第3回実践心理学研修会
10月26日、27日の土日に、札幌で講座をします。
(詳細はこちら>>
メインテーマは『心理分析』です。
心理分析といっても精神分析のようなものとは異なります。
分析という観点では共通する部分もありますが
もっとも大きく異なるのは「心」そのものの取り扱いです。
基本的に「心」を扱うものは、「心」を1つのモノと捉えます。
1つの身体に1つの心。
そういう発想です。
そしてその1つの心の性質を見ようとするわけです。
「こういう人には、どんな心理があるのだろうか?」と。
ここが人の心を理解するのを難しくする要因です。
心を1つのものと想定すると、
1つのものとして一貫した性質を知りたくなります。
一人の人なのだから「この人は〜な人」というパターンは変わらない。
そんな前提が生まれがちです。
しかし実際には、その時々で違ったパターンの行動をすることもあります。
いつもと違うとか、地雷を踏んで感情が激変するとか。
昨日と言っていることが違うとか、意外な一面が出るとか。
「え?こんなはずでは…」と、驚きとともに
パターンが崩れることに戸惑うわけです。
そして「あの人の気持ちが分からない」という結論に至る、と。
「いったい、あの人の本音は何なんだ?」と分からなくなるんです。
1つの本音というものを探すから見つからないんです。
そうではなくて、「心は1つのもの」と想定する代わりに
「心は集合体」と想定する。
心という容れ物の中に、様々な意見をもった役割が集まっている。
これをNLPでは『パート』という呼び方をしています。
喩えるなら、中学校の1クラスのようなものです。
様々な生徒がいます。
それぞれが違った意見を持っています。
そして場面ごとに主に活躍する生徒が決まっているんです。
授業中によく発言する勉強の得意な子、
サッカーのときに司令塔役をやる子、
生徒会のときにクラスの意見を提出する学級委員、
他校とケンカになったときに先頭に立つ番長…。
違った性格、違った特技をもった生徒が
ある場面で前面に出てくる感じです。
それぞれの意見や考えが違っても不思議ではありませんし、
まったく違った性格をしていても不思議ではないでしょう。
個人の心と、中学校の1クラスが異なるのは
中学校だと全員がバラバラに同じタイミングで話すことができますが、
個人の場合には口が1つしかないので同時に複数の意見は話せない、
ということです。
だから生徒が一人ずつマイクを渡し替えて
そのそきに前面に出ている生徒が話をする形になる。
一人ずつしか意見を聞くことができないクラスのようなイメージです。
決まった条件になると前面に出てくる生徒が入れ替わるんです。
そのとき、さっきまでと意見や態度が変わって聞こえます。
「あれ、急に別人のようだ…」と。
別人なんです。
別パートなんです。
1つの本音を探すのではなく、
登場してくる「心の中の担当者」全員分について
それぞれ意見を聞き分ける。
そうやって、心という容れ物の中で展開している
「動き」を捉えます。
これが今回紹介する心理分析の第一歩です。
他の種類の心理分析やプロファイリングと異なる特徴です。
そして心を集合体として、その中での動きを捉えられたら、
それぞれの担当者の心理分析をします。
では、このときの心理分析で何をするか?
原則的に心理分析をするのは、理解したいからでしょう。
相手のことを理解したい。
人の気持ちを知りたい。
その先には多くの場合
「理解できれば、うまく対応できるはずだ」
という見込みを持っているはずです。
つまり自分が望む結果に繋がるように、相手に働きかけたい、と。
セールスであれば、買ってもらう方向へ。
頼みごとをするのであれば、引き受けてもらえる方向へ。
クレーム対応であれば、落ち着いて納得してもらえる方向へ。
部下に指示するのであれば、指示通りに動いてもらえる方向へ。
子供との関りであれば、素直に言うことを聞いてもらえる方向へ。
気まずい間柄であれば、仲良く打ち解けられる方向へ。
…さまざまな思惑があるはずです。
相手の行動が、自分の望むほうへ向いてくれるように働きかける。
これを『動機づける』と言います。
英語でいうと motivate ですから、
「動機づけること」が「motivation」となります。
よく日本語では「モチベーションを高める」のような言い方をしますが、
それはまさに、
自分の望む方向へ相手を『動機づける』
ことだと言っていいでしょう。
ここで本講座が、心理分析とモチベーションを同時に扱う理由です。
相手の心理を理解して、相手を適切に動機づける。
少なくとも、自分の想定通りに動かない人について
その心理を理解することができる。
そういう趣旨で講座を進めます。
動機づけをゴールとして相手の心理をするのだとしたら、
では具体的に何を「分析」して、何を理解すればいいのでしょうか?
たとえば典型的な心理分析として挙げられそうな精神分析では
『欲求』や『原因』を理解しようとします。
欲求とは、人間に備わった基本的な性質ということですから、
「人間は基本的にこういうことを求めて行動する」のような情報として
理解をするうえでの土台となる知識になります。
原因はストーリー展開です。
「こういうことがあった。だから、こういう風になった。」
のように妥当な因果関係を見つけようとするやり方です。
現在の心理について、そうなるに至った過去の出来事を見つけて
「過去にこんな体験をしていれば、今こういう考えになるのは当然だ」
という形で分析を行うわけです。
あるいはプロファイリングなんかも典型的な心理分析のイメージでしょう。
こちらはパターンを把握します。
行動パターン、思考パターンなど、
その人の中にある決まった傾向を調べる。
そうすると、
「この傾向の人は、こういうことがあると、こんな反応をする」
などの予測がつくようになります。
原因は気にせず、とにかく傾向が調べられればいい、というスタンスです。
プロファイリングの場合は、認識できるパターンの数が多いほど
精度高く人を分析することが可能になります。
なのでコンピューターを使って数百もの行動パターンを把握して
その人の行動を予測しようとするようなものまであります。
実用的には個人が把握できる数には限度がありますから
主な数パターンから、十数個のパターンぐらいを見ようとする
というのが一般的でしょう。
それに対して、今回の講座で行う心理分析は
原因分析や欲求の理解でもなければ、
複数のパターンを調査するプロファイリングでもありません。
『目的』の分析をします。
そのような振る舞いをする目的を理解しようとするんです。
「何のために?」と。
相手の振る舞いの目的が分かれば、
その目的を満たすように対応することで
相手の気持ちを落ち着けることができます。
そもそも動機づけをするときには
「こちらが望む方向へ」動いてもらう狙いがありますが、
その前提には「なかなか望むように動いてくれない」状況があります。
なぜ動いてくれないのか?というと、それは
相手には相手の望む方向があるからです。
自分と相手、それぞれが別のことを望んでいる。
そこで自分の望む方向にだけ無理やり動かそうというのは
いささか都合が良すぎます。
相手には相手の言い分があり、相手の望むことがある。
その相手の望んでいることが「相手の目的」です。
なぜこちらの望む方向へ動かないのか?
その心理として「そちらへ動かない目的」を理解する必要があります。
目的を理解できれば、その望んでいることを満たしてあげられる。
相手の望んでいることを満たしつつ、
こちらの望んでいることを満たしてもらう。
相手にとっても自分にとっても望む方向に動いてもらうわけですから
納得して動いてくれるようになる可能性は格段に高まります。
だから相手の振る舞いの『目的』を知りたいんです。
相手の望んでいることを満たせるように心理分析をしたいんです。
原因分析だと、これは簡単には成り立ちません。
原因分析が適切にできると、自分の側に納得感が起こります。
現状の振る舞いの理由が妥当なものに見えてくる。
「そういう事情があったんなら当然だなぁ」と。
自分の望むように動いてくれていない現状が
「それだったら、やらなくて当然か」と納得してしまう。
諦めがつくという意味では役立ちますが
望む方向には進んでいきません。
原因分析をベースに動機づけようとしたら、そこからもう一度
「だったら、どうしたら動いてもらえるだろうか?」と
効果的な対処法を新たに考え始める必要が出てきます。
それが目的分析だと、もっとシンプルなんです。
最初から相手が望んでいることを理解しようとする。
理解できたら、その望んでいることを満たしてあげればいい。
分析結果と対応が直結しているところが大きなメリットだといえます。
ということで、この講座の趣旨は…。
自分が望むほうへ相手に動いてもらいやすくするために
相手の現状の心理を分析する。
そのとき心という容れ物の中で起こっている「動き」を捉え
それぞれの担当者に注目する。
その担当者の「目的」を捉える。
そしてその目的を満たすように、自分の関わり方を調節する。
…このようなものだといえます。
理解するために必要な知識を紹介することもありますが
大部分は実習の予定です。
さまざまな実習を通して経験的にコツを身につけていただく狙いです。
講座に参加するだけで巧みな分析ができるまでは到達できないでしょうが、
最初の一歩としては相当な”大股の一歩”を踏み出すことにはなるはずです。
あとはどれだけ実践を重ねるか。
トレーニング法は講座中に紹介する実習そのもので十分でしょう。
必要なレベルまで、人の心を理解する技術を高めて頂ければと思います。
そんな講座です。
詳しい情報とお申込みはこちらをご覧ください。
https://hsmana.com/kenshukai3?fbclid=IwAR19JT-ull1MvfpvmqvBEzMBGehAh8EHOGNbP8XqvEJwq3w_09Pywu_1Te0
(詳細はこちら>>
メインテーマは『心理分析』です。
心理分析といっても精神分析のようなものとは異なります。
分析という観点では共通する部分もありますが
もっとも大きく異なるのは「心」そのものの取り扱いです。
基本的に「心」を扱うものは、「心」を1つのモノと捉えます。
1つの身体に1つの心。
そういう発想です。
そしてその1つの心の性質を見ようとするわけです。
「こういう人には、どんな心理があるのだろうか?」と。
ここが人の心を理解するのを難しくする要因です。
心を1つのものと想定すると、
1つのものとして一貫した性質を知りたくなります。
一人の人なのだから「この人は〜な人」というパターンは変わらない。
そんな前提が生まれがちです。
しかし実際には、その時々で違ったパターンの行動をすることもあります。
いつもと違うとか、地雷を踏んで感情が激変するとか。
昨日と言っていることが違うとか、意外な一面が出るとか。
「え?こんなはずでは…」と、驚きとともに
パターンが崩れることに戸惑うわけです。
そして「あの人の気持ちが分からない」という結論に至る、と。
「いったい、あの人の本音は何なんだ?」と分からなくなるんです。
1つの本音というものを探すから見つからないんです。
そうではなくて、「心は1つのもの」と想定する代わりに
「心は集合体」と想定する。
心という容れ物の中に、様々な意見をもった役割が集まっている。
これをNLPでは『パート』という呼び方をしています。
喩えるなら、中学校の1クラスのようなものです。
様々な生徒がいます。
それぞれが違った意見を持っています。
そして場面ごとに主に活躍する生徒が決まっているんです。
授業中によく発言する勉強の得意な子、
サッカーのときに司令塔役をやる子、
生徒会のときにクラスの意見を提出する学級委員、
他校とケンカになったときに先頭に立つ番長…。
違った性格、違った特技をもった生徒が
ある場面で前面に出てくる感じです。
それぞれの意見や考えが違っても不思議ではありませんし、
まったく違った性格をしていても不思議ではないでしょう。
個人の心と、中学校の1クラスが異なるのは
中学校だと全員がバラバラに同じタイミングで話すことができますが、
個人の場合には口が1つしかないので同時に複数の意見は話せない、
ということです。
だから生徒が一人ずつマイクを渡し替えて
そのそきに前面に出ている生徒が話をする形になる。
一人ずつしか意見を聞くことができないクラスのようなイメージです。
決まった条件になると前面に出てくる生徒が入れ替わるんです。
そのとき、さっきまでと意見や態度が変わって聞こえます。
「あれ、急に別人のようだ…」と。
別人なんです。
別パートなんです。
1つの本音を探すのではなく、
登場してくる「心の中の担当者」全員分について
それぞれ意見を聞き分ける。
そうやって、心という容れ物の中で展開している
「動き」を捉えます。
これが今回紹介する心理分析の第一歩です。
他の種類の心理分析やプロファイリングと異なる特徴です。
そして心を集合体として、その中での動きを捉えられたら、
それぞれの担当者の心理分析をします。
では、このときの心理分析で何をするか?
原則的に心理分析をするのは、理解したいからでしょう。
相手のことを理解したい。
人の気持ちを知りたい。
その先には多くの場合
「理解できれば、うまく対応できるはずだ」
という見込みを持っているはずです。
つまり自分が望む結果に繋がるように、相手に働きかけたい、と。
セールスであれば、買ってもらう方向へ。
頼みごとをするのであれば、引き受けてもらえる方向へ。
クレーム対応であれば、落ち着いて納得してもらえる方向へ。
部下に指示するのであれば、指示通りに動いてもらえる方向へ。
子供との関りであれば、素直に言うことを聞いてもらえる方向へ。
気まずい間柄であれば、仲良く打ち解けられる方向へ。
…さまざまな思惑があるはずです。
相手の行動が、自分の望むほうへ向いてくれるように働きかける。
これを『動機づける』と言います。
英語でいうと motivate ですから、
「動機づけること」が「motivation」となります。
よく日本語では「モチベーションを高める」のような言い方をしますが、
それはまさに、
自分の望む方向へ相手を『動機づける』
ことだと言っていいでしょう。
ここで本講座が、心理分析とモチベーションを同時に扱う理由です。
相手の心理を理解して、相手を適切に動機づける。
少なくとも、自分の想定通りに動かない人について
その心理を理解することができる。
そういう趣旨で講座を進めます。
動機づけをゴールとして相手の心理をするのだとしたら、
では具体的に何を「分析」して、何を理解すればいいのでしょうか?
たとえば典型的な心理分析として挙げられそうな精神分析では
『欲求』や『原因』を理解しようとします。
欲求とは、人間に備わった基本的な性質ということですから、
「人間は基本的にこういうことを求めて行動する」のような情報として
理解をするうえでの土台となる知識になります。
原因はストーリー展開です。
「こういうことがあった。だから、こういう風になった。」
のように妥当な因果関係を見つけようとするやり方です。
現在の心理について、そうなるに至った過去の出来事を見つけて
「過去にこんな体験をしていれば、今こういう考えになるのは当然だ」
という形で分析を行うわけです。
あるいはプロファイリングなんかも典型的な心理分析のイメージでしょう。
こちらはパターンを把握します。
行動パターン、思考パターンなど、
その人の中にある決まった傾向を調べる。
そうすると、
「この傾向の人は、こういうことがあると、こんな反応をする」
などの予測がつくようになります。
原因は気にせず、とにかく傾向が調べられればいい、というスタンスです。
プロファイリングの場合は、認識できるパターンの数が多いほど
精度高く人を分析することが可能になります。
なのでコンピューターを使って数百もの行動パターンを把握して
その人の行動を予測しようとするようなものまであります。
実用的には個人が把握できる数には限度がありますから
主な数パターンから、十数個のパターンぐらいを見ようとする
というのが一般的でしょう。
それに対して、今回の講座で行う心理分析は
原因分析や欲求の理解でもなければ、
複数のパターンを調査するプロファイリングでもありません。
『目的』の分析をします。
そのような振る舞いをする目的を理解しようとするんです。
「何のために?」と。
相手の振る舞いの目的が分かれば、
その目的を満たすように対応することで
相手の気持ちを落ち着けることができます。
そもそも動機づけをするときには
「こちらが望む方向へ」動いてもらう狙いがありますが、
その前提には「なかなか望むように動いてくれない」状況があります。
なぜ動いてくれないのか?というと、それは
相手には相手の望む方向があるからです。
自分と相手、それぞれが別のことを望んでいる。
そこで自分の望む方向にだけ無理やり動かそうというのは
いささか都合が良すぎます。
相手には相手の言い分があり、相手の望むことがある。
その相手の望んでいることが「相手の目的」です。
なぜこちらの望む方向へ動かないのか?
その心理として「そちらへ動かない目的」を理解する必要があります。
目的を理解できれば、その望んでいることを満たしてあげられる。
相手の望んでいることを満たしつつ、
こちらの望んでいることを満たしてもらう。
相手にとっても自分にとっても望む方向に動いてもらうわけですから
納得して動いてくれるようになる可能性は格段に高まります。
だから相手の振る舞いの『目的』を知りたいんです。
相手の望んでいることを満たせるように心理分析をしたいんです。
原因分析だと、これは簡単には成り立ちません。
原因分析が適切にできると、自分の側に納得感が起こります。
現状の振る舞いの理由が妥当なものに見えてくる。
「そういう事情があったんなら当然だなぁ」と。
自分の望むように動いてくれていない現状が
「それだったら、やらなくて当然か」と納得してしまう。
諦めがつくという意味では役立ちますが
望む方向には進んでいきません。
原因分析をベースに動機づけようとしたら、そこからもう一度
「だったら、どうしたら動いてもらえるだろうか?」と
効果的な対処法を新たに考え始める必要が出てきます。
それが目的分析だと、もっとシンプルなんです。
最初から相手が望んでいることを理解しようとする。
理解できたら、その望んでいることを満たしてあげればいい。
分析結果と対応が直結しているところが大きなメリットだといえます。
ということで、この講座の趣旨は…。
自分が望むほうへ相手に動いてもらいやすくするために
相手の現状の心理を分析する。
そのとき心という容れ物の中で起こっている「動き」を捉え
それぞれの担当者に注目する。
その担当者の「目的」を捉える。
そしてその目的を満たすように、自分の関わり方を調節する。
…このようなものだといえます。
理解するために必要な知識を紹介することもありますが
大部分は実習の予定です。
さまざまな実習を通して経験的にコツを身につけていただく狙いです。
講座に参加するだけで巧みな分析ができるまでは到達できないでしょうが、
最初の一歩としては相当な”大股の一歩”を踏み出すことにはなるはずです。
あとはどれだけ実践を重ねるか。
トレーニング法は講座中に紹介する実習そのもので十分でしょう。
必要なレベルまで、人の心を理解する技術を高めて頂ければと思います。
そんな講座です。
詳しい情報とお申込みはこちらをご覧ください。
https://hsmana.com/kenshukai3?fbclid=IwAR19JT-ull1MvfpvmqvBEzMBGehAh8EHOGNbP8XqvEJwq3w_09Pywu_1Te0